国語施策・日本語教育

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V 国語審議会として今後更に審議を深める必要があると思われる問題

3 言葉遣い,話し言葉,敬語,方言等に関すること

(1)放送等の媒体の言葉遣い

 言語の習得,言葉の学習は人間形成の基本をなすものであり,良い言語環境を用意することは学校,社会,家庭のいずれにおいても大切なことであることは言うまでもない。特に現代では,話し言葉については幼児期からテレビ等を通じて大きな影響を受けるので,放送等の媒体において,今後とも美しく豊かで魅力に富んだ言葉遣いへの配慮が望まれる。

(2)敬語

 敬語は,国語の中で非常に大切な働きをしているものであり,人間関係を円滑に進めていく上でもなくてはならないものである。昭和27年の国語審議会の建議「これからの敬語」も既に40年を経て見直しをする必要が生じているので,今日の現実に即した敬語の在り方について考えるべきではないか。

(3)方言の尊重

 現在,共通語は広く一設社会に普及していると認められるが,地域の文化を伝え,地域の豊かな人間関係をになうものとして,方言も十分尊重すべきではないか。それぞれの地域に伝わる豊かな表現を生活の中で生かしていくことは,言語文化の活性化にもつながるものである。

(4)国語の大辞典の編集

 言葉は時代とともに移り変わるものだが,それぞれの時代ごとの十分な用例を収録した国語の大辞典を編集することは,国語の歴史を明らかにし,国語の伝統を継承し,明確な国語を保持するために極めて有意義であり,また,言葉の乱れを正し,国民の国語に対する意識を高めることにもつながるものである。このような事業を積極的に進めるべきではないか。

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