国語施策・日本語教育

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V 国際社会への対応に関すること

4 その他

(1)外来語の増加や日本語の中での外国語の過度の使用の問題

 日本社会の国際化に伴って外来語・外国語の使用が増加している。平成7年の文化庁の世論調査では,今以上に外来語や外国語が増えることについて,「多少は増えてもよい」が44.8%と最も高く,以下,「今以上には,増えない方がよい(30.4%)」,「いくら増えてもよい(13.1%)」,「減る方がよい(6.6%)」,「分からない(5.0%)」と続いている。外来語の増加に対しては,それほど抵抗を感じていない人が多く,特に若い世代には増加容認の割合が高いという結果が出ている。
 しかし,次のような観点から,日本語の中での外来語・外国語の過度の使用については何らかの歯止めが必要であるとする声も上がっている。

@  同じような言葉が日本語にあるにもかかわらず,外来語・外国語を使うのは日本語の軽視につながり,日本語の伝統を崩すことになる。
A  外来語・外国語を使う傾向は特に若い世代に多く,こうした語の多用が世代間のコミュニケーションにとって障害になる可能性がある。
B  原語の意味から外れた誤った外来語使用やいわゆる和製英語の濫用は避けるべきである。日本語を乱すだけではなく,日本人の外国語学習にとっても障害となる。

 国際化の進展や新技術の開発などに伴って,新しい概念やニュアンスの提示など,外来語・外国語を使用せざるを得ない面があり,また,既に外来語・外国語を用いた方がその日本語訳よりも分かりやすい場合もある。そうした場合は別として, 一般的には,相手や目的に応じて十分な配慮の下に,その外来語や外国語を使用するか否かの判断がなされる必要があろう。外来語・外国語は基本的にその語に対する知識がないと伝達不能になることが多い。そういう意味で,広く国民一般を対象にしている官公庁,新聞・放送等では,簡単に日本語に言い換えられる外来語・外国語や耳慣れない外来語・外国語などは安易に使わないようにすべきである。どうしても使わざるを得ない場合は注釈を付けて使うなどの配慮が必要であろう。

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