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次第・議事要録 第1委員会における論議の概要について

清水会長

 それでは,お手元に差し上げてある議題に入りたいと思うが,先ほども申し上げたように,これまでの御議論を基にある程度まとまった御報告を各委員会からいただきたいと思う。
 初めに,第1委員会の論議の概要について,北原主査からお願いする。

北原(第1委員会)主査

 第1委員会であるが,先ほど課長からお話があったように,私,ちょっと忙しくなって,今までは欠席なしだったけれども,今後は危なくなった。そこで,徳川委員に副主査をお願いして,これからやっていきたいと思うので,よろしくお願いする。
 この前の総会で御報告したものには個人の意見を並べたような部分がたくさんあったが,その時にお約束したように,今回初めて文章化して,通した形で報告することになった。前回のものは「論議の概要−5」であるが,今回は「論議の概要−6」ということで,初めて文章として続けてみた。その間,第1委員会及びその中に設けた敬語小委員会で,先ほど国語課長からお話があったように,何回も議論を重ねた。今回のものは最後の敬語小委員会での議論を基に,また徳川副主査及び事務局で練り直して下さったものである。後で読んでいただくけれども,ちょっと概要だけ説明させていただく。
 Iの章のタイトルには変更がない。「コミュニケーションと言葉遣い」というのはこの前と同じであるが,その下の「1 現代日本社会と日本語の状況」,「2 人間関係と適切な言葉遣い」の順序を入れ替えた。中身も非常に変わったというか,付け足しが増えている。
 具体的に言うと,1の「現代日本社会と日本語の状況」というところは,「(1)社会構造の変化と価値観の多様化」ということで,現代社会がどういうふうな状況になっているかを@からDまでに分けて掲げた。それから,(2)は「国際化・情報化」として,@からBの特徴を挙げてみた。
 それから,「2 人間関係と適切な言葉遣い」というのがあるけれども,ここでは,まず(1)で人間関係とコミュニケーションについて一般論的に述べ,(2)で,そういうコミュニケーションの中で言葉遣いの問題が非常に重要であることを述べ,さらに(3)では,1の「現代社会と日本語の状況」と関係付けて,現代日本におけるコミュニケーションの在り方を述べた。(4)では,2のまとめとして「コミュニケーションと敬意表現」について述べ,Uにつなぐという構成になっている。
 長いので,取りあえずIのところを朗読してもらいたいと思う。

浅松主任国語調査官

 それでは,最初の1枚目のところは省略して,2ぺージ目の「まえがき」のところから読みたいと思う。


〔「第1委員会における論議の概要−6」朗読〕

北原(第1委員会)主査

 ありがとうございました。
 Iは,長くてお分かりになりにくかったかと思う。全部大事だけれども,特に4ぺージの下の方の「(3)現代日本社会における様々なコミュニケーション」は,現代日本社会の状況を踏まえて,それがコミュニケーションにどのように反映されているかということを第1委員会で分析したものである。@,A,B,Cと,Hまで書いてあるけれども,文言に関することのほか,こういうとらえ方でいいかどうかという辺りを考えていただき,御意見をいただければ有り難いと思う。それを踏まえて,6ぺージの「(4)コミュニケーションと敬意表現」。先ほど申したように,コミュニケーションをそういうふうにとらえて,その中心的な存在である敬意表現というところに絞る。そしてUに行こうという流れである。
 続いてUの方も朗読してもらおうと思うが,1ぺージの「内容」のところを御覧いただきながら,構成を確認してから朗読していただくといいかと思うので,1ぺージに戻っていただきたい。
 まず,「敬意表現の在り方」という題名にした。これは「概要―5」では「敬語の役割」となっていたところで,大分変わっている。敬語と敬意表現というのは違った意味で使っており,今度は「敬意表現の在り方」として,「役割」というのも「在り方」に変えた。敬語というのは,今朗読していただくと分かるけれども,尊敬,謙譲,丁寧というように分類されるものであり,第1委員会では,この前からお諮りしているように,そういう狭い敬語を含んだ様々な敬意にかかわる表現を「敬意表現」というふうに呼ぶことにした。この前は,「敬意表現」又は「待遇表現」という言い方をしていたが,「待遇表現」というのは専門家の間では非常によく使われる言葉であるけれども,一般の方には余りなじみがないというので,「敬意表現」という言葉で言うことにした。先ほど申したように,これは狭い敬語を含んだ敬意の表現にかかわるものを広く指すということである。

北原(第1委員会)主査

 1の「敬意表現と敬語」で,敬意表現と狭い尊敬・謙譲・丁寧の敬語との違いを説明しようということで,最初に「敬意表現とは何か」という項目がある。(2)のところで狭い方の「敬語の概要」を述べ,(3)のところで敬語以外の敬意表現にはどんなものがあるかということを少し具体的に説明している。
 2の方に行って,「敬意表現と敬語」を押さえた上で,2では敬意表現の理念,敬意表現はどうあるべきかということと標準はどうあるべきかということについて二つに分けて,(1)が理念,(2)が標準の在り方というふうに進めている。10ぺージのところに「敬意表現の理念と標準の在り方」が続いて書いてあるけれども,これが今回の審議の結論になっていると思うので,この辺をひとつ御審議いただきたいと思っている。
 最後に,「付」というのが二つあって,一つは「敬意表現の教育」,国語教育におけるものと日本語教育におけるものに分けて書こうということである。場所がちょっと置きにくいので,「付」としているけれども,これは極めて大事なことである。標準を示すだけではなくて,それをどういうふうに普及させていくかということが非常に重要な問題なので,それを「付1」として述べることにした。「付2」は,理念とかかわるわけだけれども,多様な敬意表現を認めなければいけないだろうというのが第1委員会の考えているところであり,その一例として,多様というのはこんなに多様なんだということを示した。こんなに多様では大変じゃないかというような御意見が出てくるかもしれないが,そういう御意見があったら是非出していただきたいと思う。
 説明はここまでとし,朗読してもらう。

浅松主任国語調査官

 それでは,Uのところを読む。

〔「第1委員会における議論の概要―6」朗読〕

北原(第1委員会)主査

 第1委員会の報告は以上であるので,会長にマイクをお渡しする。

清水会長

 徳川副主査,補足していただくことがあるか。

徳川(第1委員会)副主査

 特にない。皆様の御意見を承りたいと思う。

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