国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第21期国語審議会 > 新しい時代に応じた国語施策について(審議経過報告) > 第1 現代における敬意表現の在り方

第1 現代における敬意表現の在り方

 今,「敬語を中心とする言葉遣い」という問題を検討するのは,それが現代のコミュニケーションを円滑にする上で非常に重要な事柄であるからである。
 従来主として扱われてきた敬語 (狭い意味の敬語。以下「敬語」 という。) は,いわゆる尊敬語,謙譲語,丁寧語などであるが,これらを正しく使えばコミュニケーションが円滑に進むというものではない。そもそも敬語を正しく使うためには,語形の適否の問題とともに,いつ,どんな場面でだれに対して使うのかという運用面での適切さが重要である。しかも,現実のコミュニケーションにおいては,敬語のほかにも相手や場面に応じた様々な配慮の表現が使われており,これらが敬語を含みつつ,全体で敬意の表現 (以下「敬意表現」という。) になっていると考えられる。すなわち,コミュニケーションを円滑にするという目的のためには,狭い意味の敬語だけでなく,敬意表現という大きなとらえ方をする必要がある。その際,言葉遣いが話し手の人間性そのものを表すということにも心を致すべきであろう。
 このような認識の下に,今期は「I コミュニケーシヨンと言葉遣い」で現代社会における様々な言葉遣いの在り方を展望し,「U 敬意表現の在り方」ではコミュニケーションを円滑にするための敬意表現の概要や理念を述べることとする。また,次期以降の継続審議によって「V 現代敬意表現の使い方」として具体的な敬意表現とその運用の指針を掲げ,全体で3部構成にまとめることが予定されている。

トップページへ

ページトップへ