国語施策・日本語教育

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第1 現代における敬意表現の在り方

T コミュニケーションと言葉遣い

2 様々な人間関係と言葉遣い

(4)情報機器の発達と言葉遣い

 情報機器の目覚ましい発達によって,速く安く簡便に情報を交換することが個人単位で可能になり,地球上のどの地域の相手ともコミュニケーションが行えるようになった。新しい情報媒体によるネットワークの構築は,個々人のコミュニケーション観や人間関係にも影響を及ぼしている。会ったこともない人との電子メールの交換が日常化することによって,親疎の概念にも従来とは違った要素が入ってきた。情報機器に過度に依存したり,あるいは仮想空間に埋没することが習慣化したりして,生身の相手と直接話をすることを煩わしいと感じるばかりかまともに行えない人さえ増えているとの指摘もある。効率性を追求する余り心情的な要素を置き去りにし,また,相手との距離の取り方を誤って思わぬ摩擦を生ずるという問題も出てきている。
 情報機器の利用に当たっては,コミュニケーションの原点が人間相互の心の伝え合いであり,言葉が自らの人格を表すものであるということを自覚しつつ,主体的な活用能力を高めていくことが必要である。

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