国語施策・日本語教育

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第1 現代における敬意表現の在り方

付1 敬意表現の教育

(1)学校等における敬意表現の教育

 学校教育においては,敬意表現に関する教育について,国語科においてのみならず,学校生活全体を通して行われているところであり,今後もその指導を一層徹底していく必要がある。
 また,人間関係の希薄化が指摘される現在,人間関係を築き円滑に維持するためにも,言語運用能力を一層高めていくことが肝要である。
 とりわけ,敬意表現の教育も,敬語の知識だけでなく,その運用について,周辺の様々な表現とともに内省させつつ教育することが望ましい。児童生徒の日常生活において,尊敬語や謙譲語を使う場面が少なくなる傾向もあるので,相手を尊重し,人間関係を円滑にするための心遣いを,言葉でどう表現するかについては,適切に教えていく必要がある。児童生徒に対し,相手や場面にふさわしい敬意表現の選択能力・運用能力を触発・育成し,敬意表現の教育を人格の形成や良い人間関係を築くための基礎と位置付けて,学校教育のみならず,家庭教育においても,日常的に行うことが大切である(注) 。


 (注)  世論調査(平成9年1月 文化庁)で敬語をどのような機会に身に付けてきたかを複数回答で聞いたところ,「学校の国語の授業」「家庭でのしつけ」「職場(アルバイト先を含む)の研修など」の三者が50%を超えた。
 また,同調査の別の問いでは,「学校で,敬語について十分指導することが大切だ」, 「敬語は,家庭でのしつけが大切だ」と思う人が,それぞれ77.2%,84.4%と高い割合になっている。

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