国語施策・日本語教育

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第1 現代における敬意表現の在り方

付2 多様な敬意表現の例

(2)様々な配慮と敬意表現の例

配慮等
@ 自己紹介,相手確認 「私は○○社の山田と申します。失礼ですが,川村様でいらっしゃいますか」「川村です。どうぞよろしく」
A 天候,時刻や伝達方法への配慮 「お暑いところ,お集まりいただいて恐縮です」
「夜分,突然のお電話で申し訳ございません」
「直接お目に掛かってごあいさつ申し上げるべきところ書面で失礼いたします」
B 感謝の表現 「わざわざおいでいただきありがとうございます」
「お世話になっております」「こちらこそ」
「この間はごちそうさまでした」
C 謝罪表現 「(お忙しいところ) 申し訳ございません」
「すみません(が)」「すまないねえ」
「お手間を取らせます」
「お役に立てなくて申し訳ない」
D 話しの切り出し方や前置き等 「ちょっと,よろしいでしょ うか」
「お忙しいとは存じますが」
「厚かましゅうございますが」
「恐れ入ります(が)」
E 事情説明 「あいにく先約がありまして(欠席いたします)」
「両親が上京してまいりますので(休暇を取りたいのですが)」
F 断定・断言の主導権 断定・断言の主導権を相手に譲る(「そろそろ……」と相手に促し,相手が「行こうか」と決定するなど)
G 話題の選択 避けられる話題(日本で,親しくない大人に対して):
年齢,既婚か未婚か,子供の有無,持ち物の値段,収入,身体的特微,相手にとって触れてほしくない事柄
H 文末表現 終助詞の使い方(「書いてくれない/書いてくれないかな」)
I 相手を立てる表現 積極的に相手の言動や持ち物を褒める
 「君のことはみんな褒めているよ」
 「春らしいスカーフですね」
 「テニスがお上手だそうで」
J 敬語回避
文末の敬語を省略する(「お住まいは……(どちらでいらっしゃいますか)」)
複数の相手への配慮(「○○さんがお歌いになります/○○さんの歌をお聞きいただきます」→「次は○○さん,歌は××でございます」
K 疑問表現・否定表現・授受表現等の援用 「貸してもらえますか」(授受表現,疑問表現の援用)
「貸してもらえませんか」(授受表現,否定表現,疑問表現の援用)
「拝借させていただけませんか」(使役表現,授受表現,可能表現,否定表現,疑問表現の援用)
L 語種・文体の選択 和語/漢語(あした/明日)
現代語/文語(いつだったか/いつぞや)」
一般用語/専門用語(患者/クランケ)
文体(敬体/常体/俗体)
直截/婉曲 (頑固だ/信念が固い)
M 音声表現 声の調子,高低,音量,速度,抑揚など
N 書き言葉(主として手紙文)
相手との関係やその手紙の性格に応じて,手紙文の慣用的な形式の採否を判断し,敬意表現を適切に用いて書く。
用紙,筆記具,文字(楷書か行書か,手書きかワープロか)への配慮

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