国語施策・日本語教育

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第2 表外漢字字体表試案

T 字体表の前文

2 表外漢字字体表の性格

(2)表外漢字字体表が示す字体の範囲

 検討対象は表外漢字のみとし,常用漢字及び常用漢字の異体字については対象外とした。常用漢字の異体字を対象外としたのは,これらが基本的に固有名詞に限って用いられている実態を考慮したためである。また,人名漢字については既に述べたように,各分野での取扱い方及び漢字出現頻度数調査の結果から見て,常用漢字に準じて扱うことが妥当であると判断した。
 その上で,漢字出現頻度数調査において常用漢字に準じるような頻度数を示す表外漢字,言い換えれば,日常生活の中で目にする機会の比較的多い表外漢字を検討対象とすることとした。具体的には,凸版調査で頻度数順位3200位以内の表外漢字を一応の範囲と考えた。これは,同調査における「頻度数順位とその順位までのすべての漢字が調査対象漢字延ベ数に占める割合の推移」及び「常用漢字が頻度数順位においてどの位置まで出現しているか」を併せ考えて,一般の文字生活の範囲として必要かつ十分であろうとの判断に基づいたものである。すなわち,この3200位までの漢字だけで調査対象漢字延ベ数(名簿に出現する漢字数を除く。) 22,360,642字の99.668%に当たる。この表外漢字を基本として,そこに,大日本調査,共同調査の結果を勘案し,その他の資料も参照して検討対象漢字の範囲を定めた。また,出現頻度とは別の観点から,表外漢字の字体問題に密接にかかわる,「現行JIS規格の「6.6.4過去の規格との互換性を維持するための包摂基準」に掲げる29字」及び「平成2年10月20日の法務省民事局長通達「氏又は名の記載に用いる文字の取扱いに関する通達等の整理について」の「別表2」に掲げる140字」についても,検討対象の範囲に加えることとした。以上を対象範囲とし,その中から,中国の地名・人名だけに使われるような特殊な漢字を外すなど,若干の調整を行った上で検討対象漢字を確定した。
 表外漢字字体表の本表には,検討対象とした表外漢字の中で,字体・字形上に問題があると判断したものだけを掲げた。具体的には,検討対象漢字978字のうちの215字を選び出して示したものである。検討対象とした表外漢字については,字体表の「参考」に,「いわゆる康熙字典体」を用いて示してある。これは,第一に,検討対象とした表外漢字を明らかにするためであり,第二に,印刷標準字体とする「いわゆる康熙字典体」の字体が,人によって異なるイメージを特たれる混乱を避けるためである。
 なお,表外漢字字体表に示されていない表外漢字の字体については,基本的に印刷文字としては「いわゆる康熙字典体」によることを原則と考える。

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