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第2 表外漢字字体表試案

U 本  表

[表の見方]

  1.  この表は,前文で述べたように検討対象漢字978字のうち,字体・字形上に問題があると判断した215字を選び出して,問題点ごとに分類して示したものである。

  2.  同じ問題点に分類された漢字は,字音によって五十音順に並べた。同音の場合は,おおむね字画の少ないものを先にし,字音のないものは字訓によった。また,字音は片仮名,字訓は平仮名で示した。

  3.  この表では,字体・字形上の問題点を八つに分類してある。以下,問題点ごとの内容を明らかにするために例を挙げる。
    @ しんにゅう:二点しんにゅう()か,一点しんにゅう(辻)か
    A しめすへん:示()か,ネ(祇)か
    B しよくへん:「」()か,「」(餌)か
    C 画の長短・接触:「←→」,「←→巷」など
    D 点画の簡易化:「←→祷」,「藪←→薮」など 
    E 点画の増減:「←→賭」,「←→掻」など
    F 点画の方向:「←→溢」,「←→薩」など
    G その他:「穎←→頴」,「←→叱」,「←→兎」など
     上記の(1)〜(8)の要素が複合している漢字の場合は,複合している要素のうちで最も特徴的だと思われるところに分類した。
     なお,「くさかんむり」の字形については,「検討対象の表外漢字一覧」で具体的に掲げているように3画くさかんむり()を標準と考える。これは,明治以来の伝統的な明朝体活字の字形に従うものであるが,これによって明朝体以外の印刷書体の字形(例えば正楷書体における4画くさかんむり())を制限するものではない。

  4.  印刷標準字体の欄は,基本的にいわゆる康熙字典体の字体で掲げてある。 簡易慣用字体の欄は,印刷標準字体に対応する略字体等のうち,比較的慣用度の高いものを選定して掲げたものである。今期の検討においては,略字体等の慣用度を漢字出現頻度数調査(前文参照。)における出現回数に基づいて判断した。具体的には,同調査の凸版調査において,頻度順位4500位(累計度数99.950)以内のものを基本として選定してある。

  5.  印刷標準字体の欄に括弧を付けて掲げてあるものは,漢字出現頻度数調査で極めて頻度の低かった康熙字典体及び出現しなかった康熙字典体である。これらについては,次期の検討によって,この表で簡易慣用字体の欄に掲げてある字体を印刷標準字体と位置付けることもあり得る。
     なお,「」については,各種の資料に基づいた今期の検討の中で,「餠」でなく「」の字形が明治以来の伝統的な印刷字体であると判断して,「」を印刷標準字体として掲げた。これに類するものは次期において更に検討する。

  6.  この表に掲げる印刷標準字体及び簡易慣用字体は,大蔵省印刷局の印刷局書体を用いて印刷したものである。この中には,印刷局書体特有の字形を持つものが若干存在するが,今回は基本的にそのまま用いてある。

  7.  この表には,「参考」の「2 表外漢字における字体の違いとデザインの違い」で,デザインの違いと位置付けられた対応字体(略字体等)だけを持つ検討対象漢字は掲げていない。(「参考」の「表外漢字における字体の違いとデザインの違い」を参照。)

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