国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第22期国語審議会 > 国際社会に対応する日本語の在り方 > U日本語の国際化を進めるための方針

U日本語の国際化を進めるための方針

2 多様な日本語学習需要に応じたきめ細かな学習支援

 近年の国内外における日本語学習者の増大や学習需要の多様化に対応し,一層きめ細かな学習支援を行っていく必要がある。そのため,日本語教育機関や関係者の連携協力体制の構築や,教育方法等の研究開発,外国人日本語教育指導者の養成など学習支援環境の整備を積極的に進めていくべきである。

(1)国内における学習支援

 国内の各地域においては,日系南米人や中国帰国者,外国人配偶者など,居住する外国人が増加し,多様化している。また,今後,専門的知識・技能を有する外国人や技能実習生など,外国人居住者の一層の増加が予想されることから,それらの人々が地域の日常生活でのコミュニケーションに必要とする日本語能力を習得できるよう,外国人学習者の日本語学習を支援していくことが,従来にも増して重要になっている。学齢期の子供たちに対しても,学校における学習指導のみならず,地域における生活に密着した支援が行われることが望ましい。したがって,今後は,留学生など専門的な日本語教育を受ける者のほか,以上のような多様な学習需要に応じた日本語教育を一層推進していく必要がある。その際,様々な目的で日本国内に居住している日本語学習者にとって,必要とする日本語能力が一様ではないことに留意し,きめ細かな学習プログラムを提供していくことが大切である。また,外国人居住者に対する日本語学習支援を進める上において,政府や地方自治体,日本語教育機関や日本語教育専門家,さらには地域住民などがそれぞれの果たし得る役割を認識し,相互に連携
協力していくことが大切である。
 また,上記の連携協力を地域において実効的に進めるためには,日本語教育に関する専門の知識・技能を有し,学習プログラム全体を企画・調整できる,指導的役割を果たす者の存在が重要であることから,政府や地方自治体,日本語教育機関の連携の下に,そのような中核的指導者を養成するための研修事業を積極的に行っていくことが望まれる。

トップページへ

ページトップへ