国語施策・日本語教育

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V 国際化に伴うその他の日本語の問題

2 姓名のローマ字表記の問題

(1)姓名のローマ字表記の現状

 日本人の姓名をローマ字で表記するときに,本来の形式を逆転して「名−姓」の順とする慣習は,明治の欧化主義の時代に定着したものであり,欧米の人名の形式に合わせたものである。現在でもこの慣習は広く行われており,国内の英字新聞や英語の教科書も,日本人名を「名−姓」順に表記しているものが多い。ただし,「姓−名」順を採用しているものも見られ,また,一般的には「名−姓」順とし,歴史上の人物や文学者などに限って「姓−名」順で表記している場合もある。欧米の報道機関等では,日本人自身の慣習を反映して「名−姓」順で表記することが一般的である。
 しかし,近年では,本来の形で表記すべきだとする意見も多く聞かれ,名刺等の表記を「姓−名」順にしている人なども見られる。文化庁の「国語に関する世論調査」(平成11年)では,中国人や韓国人の名前は英文の新聞や雑誌の中でも自国での呼び名と同じ「姓−名」の順に書かれることが多いことを述べた上で,英文における日本人の姓名表記について尋ねたところ,「「姓−名」の順で通すべきだ」(34.9%)とした人がやや多く,「「名−姓」の順に直すのがよい」(30.6%),「どちらとも言えない」(29.6%)もこれに拮抗する結果となった。

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