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現代仮名遣い 本文 第2(表記の慣習による特例)

1 助詞の「を」は,「を」と書く。

例 本を読む  岩をも通す  失礼をばいたしました
   やむをえない  いわんや…をや  よせばよいものを
   てにをは

2 助詞の「は」は,「は」と書く。

例 今日は日曜です  山では雪が降りました
  あるいは  または  もしくは
  いずれは  さては  ついては  ではさようなら  とはいえ
  惜しむらくは  恐らくは  願わくは
  これはこれは  こんにちは  こんばんは
  悪天候もものかは

[注意] 次のようなものは,この例にあたらないものとする。
  いまわの際  すわ一大事
  雨も降るわ風も吹くわ  来るわ来るわ  きれいだわ

3 助詞の「へ」は,「へ」と書く。

例 故郷へ帰る  …さんへ  母への便り  駅へは数分

4 動詞の「いう(言)」は,「いう」と書く。

例 ものをいう(言)  いうまでもない  昔々あったという
  どういうふうに  人というもの  こういうわけ

5 次のような語は,「ぢ」「づ」を用いて書く。

  • (1) 同音の連呼によって生じた「ぢ」「づ」
    例 ちぢみ(縮) ちぢむ ちぢれる ちぢこまる
      つづみ(鼓) つづら つづく(続) つづめる(約) つづる(綴
    [注意] 「いちじく」「いちじるしい」は,この例にあたらない。
  • (2) 二語の連合によって生じた「ぢ」「づ」
    例 はなぢ(鼻血) そえぢ(添乳) もらいぢち そこぢから(底力) ひぢりめん
      いれぢえ(入知恵) ちゃのみぢゃわん
      まぢか(間近) こぢんまり
      ちかぢか(近々) ちりぢり
      みかづき(三日月) たけづつ (竹筒) たづな(手綱) ともづな にいづま(新妻) けづめ ひづめ ひげづら
      おこづかい(小遣) あいそづかし わしづかみ こころづくし(心尽) てづくり(手作) こづつみ(小包) ことづて はこづめ(箱詰) はたらきづめ みちづれ(道連)
      かたづく こづく(小突) どくづく もとづく うらづける ゆきづまる
      ねばりづよい
      つねづね(常々) つくづく つれづれ

 なお,次のような語については,現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として,それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし,「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。

例 せかいじゅう(世界中)
  いなずま(稲妻) かたず(固唾) きずな(絆) さかずき(杯) ときわず ほおずき みみずく
  うなずく おとずれる(訪) かしずく つまずく ぬかずく ひざまずく
  あせみずく くんずほぐれつ さしずめ でずっぱり なかんずく
  うでずく くろずくめ ひとりずつ
  ゆうずう(融通)
[注意] 次のような語の中の「じ」「ず」は,漢字の音読みでもともと濁っているものであって,上記(1) ,(2)のいずれにもあたらず,「じ」「ず」を用いて書く。
例 じめん(地面) ぬのじ(布地)
  ずが(図画) りゃくず(略図)

6 次のような語は,オ列の仮名に「お」を添えて書く。

例 おおかみ おおせ(仰) おおやけ(公) こおり(氷・郡) こおろぎ
  ほお(ホホ・朴) ほおずき ほのお(炎) とお(十)
  いきどおる(憤) おおう(覆) こおる(凍) しおおせる とおる(通) とどこおる(滞)
  もよおす(催) いとおしい おおい(多) おおきい(大) とおい(遠)
  おおむね おおよそ

 これらは,歴史的仮名遣いでオ列の仮名に「ほ」又は「を」が続くものであって,オ列の長音として発音されるか,オ・オ,コ・オのように発音されるかにかかわらず,オ列の仮名に「お」を添えて書くものである。

付記

 次のような語は,エ列の長音として発音されるか,エイ,ケイなどのように発音されるかにかかわらず,エ列の仮名に「い」を添えて書く

例 かれい せい(背)
  かせいで(稼) まねいて(招) 春めいて
  へい(塀) めい(銘) れい(例)
  えいが(映画) とけい(時計) ていねい(丁寧)

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