〔原文縦書き。漢字は現代の通用字体に改めた〕

〔公　布〕

朕国語審議会官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

　御名　御璽

　昭和九年十二月二十一日

勅令第三百三十一号（官報 十二月二十二日）
　　国語審議会官制

第一条　国語審議会ハ文部大臣ノ監督ニ属シ其ノ諮詢ニ応ジテ国語ニ関スル事項ヲ調査審議ス
　国語審議会ハ前項ノ事項ニ付関係各大臣ニ建議スルコトヲ得

第二条　国語審議会ハ会長一人、副会長一人及委員三十五人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
　特別ノ事項ヲ調査審議スル為必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得

第三条　会長、副会長、委員及臨時委員ハ文部大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ

第四条　会長ハ会務ヲ総理ス
　副会長ハ会長ヲ補佐シ会長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
　会長及副会長事故アルトキハ文部大臣ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス

第五条　会長及副会長ハ会議ニ於テ意見ヲ陳述シ可否ノ数ニ加ハルコトヲ得

第六条　文部大臣ハ必要ニ依リ又ハ会長ノ請求アルトキハ文部省高等官其ノ他適当ト認ムル者ヲシテ会議ニ出席シ意見ヲ陳述セシムルコトヲ得

第七条　国語審議会ノ議事ニ関スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム

第八条　国語審議会ニ幹事ヲ置ク文部大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
　幹事ハ会長及副会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理シ臨時命ヲ承ケ国語ニ関スル事項ノ調査ニ従事ス

第九条　国語審議会ニ書記ヲ置ク文部大臣之ヲ命ズ
書記ハ会長、副会長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス

　　附　則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
臨時国語調査会官制ハ之ヲ廃止ス