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文化庁月報
平成23年8月号(No.515)
連載 「国立大学施設探訪 〜近代の記憶 そして未来へ〜」
東京海洋大学越中島キャンパスの西洋建築
目次
- 1 第一観測所・第二観測所
- 2 一号館
東京海洋大学は2003(平成15)年10月に東京商船大学と東京水産大学が統合して誕生した新しい大学です。両大学の前身はそれぞれ1875(明治8)年と1888(明治21)年に設立されており,本学は130年を超える歴史と伝統を誇っています。その歴史の中で今回ご紹介するのは,旧東京商船大学の越中島キャンパスにある「第一観測所」,「第二観測所」および「一号館」です。旧東京商船大学というと皆さんはすぐに国の重要文化財に指定されている「明治丸」が思い浮かべられると思いますが,越中島キャンパスには明治丸の他に登録有形文化財である建物5棟が登録されています。そのうちの上記3棟にスポットをあててみましょう。
越中島キャンパスの清澄通りに面する正門から入って左側にひっそりと建っているこの2棟は,1903(明治36)年に竣工した煉瓦造の天体観測所です。
第一観測所は2階建てで1階は八角,2階は円形の平面をもち2階外壁を漆喰塗りとし,ドーム屋根をかけています。「
1923(大正12)年の関東大震災で多くの校舎が倒壊しましたが,1932(昭和7)年に再建されたのがこの一号館です。鉄筋コンクリート造3階建てで,外壁をスクラッチタイル(アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトによって設計された旧帝国ホテルで採用され,当時官庁建物に大流行していた表面に小さなくぼみをつけて焼き上げた無釉のタイル)張りとし,正面に半円形の大アーチの玄関部を設けています。屋上には実船に模した航海船橋(ブリッジ:航海中,船長が操船・通信などの指揮にあたる所)が設けられ,各種航海器具を配置し,また北側には
最近ではこの一号館をはじめ,越中島キャンパスで,数多くのテレビドラマや映画のロケ地として使われています。(NHKドラマ10 「10年先も君に恋して」やフジテレビ ドラマ「監察医 七浦小夜子」等16件/2010年度)
東京海洋大学
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