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文化庁月報
平成23年8月号(No.515)

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特集 「地域における日本語教育の展望−日本語教育の総合的推進を目指して」

施策紹介
文化庁における日本語教育施策

文化部国語課

目次

  1. 1 「生活者としての外国人」のための日本語教育事業
  2. 2 地域日本語教育コーディネーター研修
  3. 3 日本語教育関係府省連絡会議・日本語教育推進会議

◆「生活者としての外国人」のための日本語教育事業

 文化庁では平成19年度から「「生活者としての外国人」のための日本語教育事業」を実施し,我が国に居住する外国人が,日本語が分からないことから生じる様々な問題を解消し,円滑に日本社会の一員として生活を送ることができるように,日本語教育の充実を図っています。
 平成22年度までの4年間で,この事業を通じて日本語を学んだ外国人の数(表1(1)受講者数)は1万1千人を超え,指導者としての研修を受講した人の数(表1(2)と(3)の受講者数の合計)は,7千人を超えています。

表1

◆地域日本語教育コーディネーター研修

 日本語教育機関の中核的教員等を対象にして,その専門的知識や指導能力の一層の向上を図るとともに,地域の日本語教育の指導者に適切に指導助言できるようにするための上級指導者研修として,「地域日本語教育コーディネーター研修」を実施しています。
 平成22年度の研修では,地域日本語教育コーディネーターに求められること([1]〜[5])と,そのために必要な能力について理解を深め,「地域日本語教育のデザイン力」の向上を図ることを目的としました。

  1. [1] 【問題把握・課題設定】地域日本語教室の現状と問題を把握し,課題を設定する力
  2. [2] 【ファシリテーション】課題解決のプロセスを可視化し,活動を推進する力
  3. [3] 【連携(ネットワーク)】組織内外の調整や,地域や組織や人の力をつなぎ,協働を進める力
  4. [4] 【リソースの把握・活用】日本語教育のリソースを把握し,課題に応じて適切に活用する力
  5. [5] 【方法の開発】「生活者としての外国人」に適した日本語教育の方法を開発する力

 こうした能力は,座学による知識の習得だけで形成されるものではないと考えられます。そのため,受講者には,演習を中心とした2日間の研修Tを受講した上で,約3か月間,それぞれの活動現場で実践活動に取り組んでいただき,研修Uで実践活動の成果と課題をポスターセッションの形式で発表していただきました。それぞれの受講者の発表題目と活動地域は,表2のとおりです。

表2

◆日本語教育関係府省連絡会議・日本語教育推進会議

 外国人に対する日本語教育の推進は,生活していく上で特別な事情のない限り日本語の習得が必要な我が国において,基本的に全ての外国人に共通の課題です。このため政府においては,関係府省が,外国人政策の観点からそれぞれの目的に応じて,日本語教育に関する施策を推進しています。
 また,日本語教育に関する具体的な事業については,日本語教育関係機関等が,その目的等に応じて,主として対象者別に実施しています。
 このような中,全体としての日本語教育施策・事業が必ずしも効果的・効率的に推進されていないのではないかという指摘があり,日本語教育の総合的な推進を図ることが求められています。例えば,「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイント(文部科学省・平成22年5月19日)においては,更に検討を要する課題として,「日本語教育の総合的推進」が挙げられています。また,日系定住外国人施策に関する基本指針(日系定住外国人施策推進会議・平成22年8月31日)においても,国として今後取り組む又は検討する施策として,「日系定住外国人に対する日本語教育の総合的な推進体制を整備する」ことが挙げられています。
 このため,関係府省や関係機関・団体が実施している日本語教育に関する具体的な取組について,情報交換を行い,現状を把握することにより,今後の我が国の日本語教育施策や関係機関・団体の取組に反映させることを目的として,「日本語教育関係府省連絡会議」と「日本語教育推進会議」を実施することにしました。
 平成22年度には日本語教育関係府省連絡会議を2回開催しました。日本語教育関係府省の実務者が参集し,平成23年度予算案や主な日本語教育関係の事業,取組の説明と,質疑応答や意見交換を行いました。
 上記の会議とは別に,日本語教育関係機関等における具体的な取組についての現状を把握するため,関係機関等を参集した日本語教育推進会議を開催する予定です。この会議で確認された課題等については,適宜,日本語教育関係府省連絡会議にフィードバックすることとしています。

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