日時:令和7年11月26日(水)
14:00~16:00
場所:文部科学省東館3F1特別会議室
(オンライン併用)
議事
1開会
2議事
- (1)レコード演奏・伝達権に係る関係団体からのヒアリング等
- (2)その他
3閉会
配布資料
- 資料1
- 第25期文化審議会著作権分科会政策小委員会(第3回)ヒアリング団体一覧(86KB)
- 資料2
- レコード演奏・伝達権に係る関係団体からの意見等(2.7MB)
- 資料3
- インターネット上の海賊版対策に関する国際著作権会合(コンソーシアム)の実施について(174KB)
- 参考資料1
- 第25期文化審議会著作権分科会政策小委員会委員名簿(131KB)
- 参考資料2
- レコード演奏・伝達権に関する法制上の論点について(令和7年9月11日第25期文化審議会著作権分科会政策小委員会法制度に関するワーキングチーム(第1回)の資料3)(418KB)
- 参考資料3
- レコード演奏・伝達権関係資料(4MB)
議事内容
出席者
- ・委員 :
- 太田委員(主査)、早稲田委員(主査代理)、麻生委員、生貝委員、伊東委員、内山委員、正親町委員、榧野委員、唐津委員、楠本委員、河野智子委員、河野康子委員、坂井委員、島並委員、水津委員、菅委員、田村委員、仁平委員、福井委員、渕委員、𠮷田委員
- ・御発表者:
- 角田敦氏(一般社団法人 Japan Dance Music & DJ Association 代表理事)、小室裕一氏(公益社団法人全日本ダンス協会連合会 常任理事)、松田和彦(一般社団法人日本舞台芸術ネットワーク レコード演奏・伝達権タスクフォース長、東宝株式会社)、伊藤達哉氏(日本舞台芸術ネットワーク 事務局長、有限会社ゴーチ・ブラザーズ)
- ・文化庁:
- 日向次長、守山文化戦略官、森友審議官、長谷著作権課長、依田著作権課課長補佐、小林国際著作権室長、八田流通推進室長、飯田著作権課調査官
【太田主査】定刻の14時となりましたので、ただいまから文化審議会著作権分科会政策小委員会第3回を開催いたします。本日は御多用中、出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日は、委員の皆様には会議室とオンラインにてそれぞれ御出席いただいております。オンラインにて御参加されている皆様におかれましては、ビデオをオンにしていただき、御発言されるとき以外は、音声はミュートに設定をお願いいたします。
議事に入る前に、本日の会議の公開について確認いたします。予定されている議事内容を見ますと、特段非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方々にはインターネットを通じた生配信によって傍聴していただいているところでございます。
特に御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【太田主査】どうもありがとうございます。では、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方々にはそのまま傍聴していただくことといたします。
それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。議事次第を御覧いただければと思います。本日配付資料といたしまして、資料1から資料3、それと参考資料1から参考資料3まで御用意してございます。もし落丁等ございましたら、お近くの事務局までお声がけください。以上でございます。
【太田主査】ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議事は議事次第のとおりとなります。本日も前回の政策小委員会に引き続き、レコード演奏・伝達権について、商業用レコード等を利用されている関係団体からヒアリングを行います。書面を提出していただいた関係団体からの御意見につきましては、事務局より御報告いただきます。
それでは早速、議事1のレコード演奏・伝達権に係る関係団体からのヒアリング等に入ります。まずは、改めて事務局より本日のヒアリングの趣旨等について御説明いただいた後に関係団体からのヒアリングに移ります。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。本日のヒアリングについて御説明します。
資料1を御覧ください。前回に引き続きまして、商業用レコード等を公に再生・伝達する形で利用されている方々に関して、レコード演奏・伝達権の導入や導入された場合の影響等について、あらかじめ御意見等を伺うためのヒアリングとなります。
事務局にて利用者団体の方々にレコード演奏・伝達権の検討状況についてあらかじめ御説明をしてまいりまして、ヒアリングの場での意見表明の御希望を伺ってまいりました。前回の分と合わせまして、本日までに御回答いただいたのが32団体ございます。そのうち16団体、今回増えた分で言いますと3団体ということですが、御希望なしということでございました。
他方で、御希望いただいたのが、これまでで全部で16団体、今回分のみにしますと、7団体から御希望をいただいてございます。
意見表明を御希望いただいた団体については、対面での御参加、書面のみでの意見提出のいずれかの形でいただいておりまして、本日対面で御参加されている3団体の皆様につきましては、この後、ヒアリングを行っていただきます。
書面での意見提出のみをいただいた4団体については、後ほど事務局から御紹介させていただきます。
なお、ヒアリングに関しましては、さらに調整を続けておりまして、引き続き行っていただきたいと考えてございます。事務局より以上です。
【太田主査】ありがとうございました。
それでは、関係団体からのヒアリングに移ります。資料2に基づきまして、一般社団法人Japan Dance Music & DJ Association(JDDA)代表理事の角田敦様。公益社団法人全日本ダンス協会連合会常任理事の小室裕一様。一般社団法人日本舞台芸術ネットワークレコード演奏・伝達権タスクフォース長であり、東宝株式会社の松田和彦様、同じく日本舞台芸術ネットワークの事務局長であり、有限会社ゴーチ・ブラザーズの伊藤達哉様に御発表いただきます。
まずは、JDDAの角田様からお願いいたします。よろしくお願いします。
【JDDA(角田氏)】ただいま紹介にありました一般社団法人JDDA、これはJapan Dance Music & DJ Associationと申しまして、ダンスミュージックのアーティストたち、そして、こちらの本権の利用者でもありますDJによる団体でございます。
まず、我々の団体、個人的にも今回のレコード演奏・伝達権の導入に賛成しております。私もそうですが、プロのDJの多くというのが実は利用者というお話しましたが、楽曲をリリースしています。たくさんワールドワイドに曲を出していますので、利用者とともに権利者という側面もあります。
その中でも分かりやすくお伝えしますと、DJというのはそもそも他人の曲をプレーして、演奏してお金を頂くという商売であります。それだけではなく、多くのDJがリリースもしていますが、同様に、DJを輩出したイベント等の企画制作というのも行っているのが日常的なものです。
そうした中、こちらのまず懸念点としましては、ただでさえ著作権の権利処理、これ金額的にも実は大きなイベントになってくると大分予算かかります。さらに、そこに新たな、なかなか隣接権という言葉を理解していただくイベンターの方、スポンサーの方ってなかなか難しいんですよね。
その中で、さらに、こういった著作権プラス隣接権の処理というのが増えてくるのは、やはりなかなか昨今厳しい経済状況の中、難しいかなという懸念は確かにあります。
同じく、特にコロナ禍以降、DJというものの形態が変わりました。今まで皆さん御想像する夜のナイトクラブ、ダンスクラブですとかディスコのようなところで生業をというのがベーシックでしたが、今は世界的な影響も受けて、何万人規模のフェスティバルも多く輩出してまいります。
さらに、その多様性でいいますと、今、新しく渋谷などに誕生しているホテルのバー、飲食スペース、こちらにはほとんどDJが演奏できるDJブースという設備を用意してあります。さらに、その多様性でいいますと、六本木とか原宿に出向きますと、今度は衣料関係、ブランドと呼ばれるお店などにも同じくDJの機材が用意してありまして、周年ですとか新製品の発表というところに単発的なイベントを起こし、そこにDJを呼ぶということが大分日常的になってまいりました。
そういう方々に、日常的なイベントでないからこそ、著作権の処理以上に隣接権という処理も、予算的なことも話していくと、なかなかDJ自体を新たに呼ぶというハードルが上がってしまうかなという懸念はもちろんあります。
これに対しては、最後のほうにちょっと説明の仕方ということも僕は一つ不安の材料にも挙げているのですが、それを押してもなおかつ我々がレコードの演奏・伝達権の導入に賛成しているかという、音楽界の現状のほうをまず今日は御説明させていただけたらと思っています。
かつて、この音楽産業の中で比較的潤沢、イケてるなんて思われていた我々ダンスミュージックも含めてのいわゆるポップスというような音楽産業は、98年にCDでの売上げが最高潮でした。そのときを機に実はずっと日本では右肩下がり、98年から比べると、現状はその売上げは半分にまで落ちています。その間に業態が変わった、世界中が音楽を定額で聴けるといういわゆるサブスクリプションという音楽サービスに移行しました。
ただし、そのストリーミングという時代に移行しても、なお、その代表格とも言われているSpotifyから出た新しい世界中のアーティスト、登録アーティストが実は受け取っている金額、世界中ですよ、これが月額に平均すると1,800円という結果が出ています。1万8,000円でも18万円でもありません。1,800円です。クリエーターの対価がサブスクリプションに移行したとはとても言えない数字です。
その反面、2024年では、JASRACの使用料、徴収料、こちらは著作権ですね、この分配額はずっと右肩上がりに来ています。ところが、楽曲の作詞作曲を担う著作権のほうと歌唱・演奏する隣接権は、一般的にその印税率が6分の1の開きがあり、大きな格差も実演家は持っています。
さらに、2000年代以降、民放テレビの広告収入の減少、今の若い方、まず自宅にテレビというものがありません。当然右肩下がりになっておりまして、芸団協CPRAが徴収する放送二次使用料などの額も減少、2014年度の66億円から昨年度は62億円まで落ちてきますし、さらに、一時代を築いた貸しレコードの徴収額に至っては、2014年度の16億円から1.5億円、10分の1も間もなく消えていくような業態になっております。こちら別紙1と2のほうに推移のほうの表を提出させていただきました。
JASRACの分配額が大きくなったというものの、作家1人当たりの平均年収は上がっておりません。その額も年間で27万円という金額がJASRACから出ています。別紙3になりますが、これもとても専業ということにはなり得ない金額だと思っています。
こうした環境変化の中で我々の業界はライブのほうにシフトしてきました。多くのフェス、そして、たくさんのドームツアーが現在も行われています。もちろん、御承知のとおり、コロナウイルス感染症の影響により大きな経済的な打撃を受け、いまだその影響から脱出できていないというのが現状ですが、さらに、芸団協による芸能実演家の活動と生活実態に関する調査の調査報告を見ても、歌手・演奏家の1年間の個人収入の最も多い層が2005年には400万~500万だったところが、15年には200万、300万。本年度の調査では遂に100万円~200万円まで落ちてきています。
こちら別紙4のほうにつけておりますが、既に今、多くの日本の財産とも言える実演家が廃業、もしくは兼業でないと成り立たないという状況に置かれています。
そのような状況下で期待されている取組の1つが、やはり音楽活動のグローバル化です。中でもレコード演奏・伝達権はその象徴的なテーマだと考えています。日本のアーティストたちが海外で新たな活動の場を切り開いていく現状で、国外で得た成果に対して適切な隣接権収入を得られる仕組みの整備が急務と考えられています。
これは広く言うと、知財立国、文化芸術立国を掲げる我が国としても一刻も早い改善が求められている重要な課題と考えています。
別紙の5と6をちょっと見ていただけたらと思います。こちらグローバルな音楽業界の推移、別紙5で表しています。先ほど見ていただいた日本の業界の売上げの推移と全く違っていて、実はグローバルには2014年からずっと右肩上がりで音楽産業は上がっているのです。その多くがストリーミングの飛躍的な伸び、さらにパフォーマンスライツです。
別紙6のほうも見てください。こちらSCAPRという国際的な実演家権利団体協議会のほうが表した支分権別に見た徴収額の割合なのですが、こちらのパブリックパフォーマンス、つまり、演奏権というものが全体の徴収額の3割を超えている。こういうレポートも出ています。
現在、日本でも多くの才能あるアーティストたちが活動の拠点そのものを実は海外に移しています。その1例を別紙7に示しましたが、ここで特筆すべきは、昔からクラシックやジャズという言葉を持たない音楽は、実演家は海外でも活躍する場がたくさんありました。現在はそれが言葉も必要な音楽、ポップスの領域の方々まで、日本の音楽業界には夢がないと言って、早い段階から海外移住を決めているという状況です。
そうした中、レコード演奏・伝達権の導入は、新たな負担が増えていく心配こそあるものの、日本の業界全体のために導入の必要性を強く感じています。アーティストたちが海外からも正当な対価を得られる環境を構築し、日本の音楽文化を持続的に発展させるためには不可欠な取組であると考えています。
これに対して、冒頭に1つだけ、その説明の仕方ということですが、これ僕も実際、様々なダンスミュージックの組合ですとか、あと、バー、飲食をやられている業界の方々に実はお話ししたことがあるんですね。そこの方々が、お話を聞くと、聞き方が、新しいJASRACがまた何かできるらしいじゃないか、こんな大変なときに何か新しい税金みたいのができるのかみたいな話がどうしても流布されている現状があります。
これ、新しくできる法律ではなくて、グローバルにはスタンダードなものとしてずっと存在する権利なんだ、日本は様々な歴史的な背景があって、これまでその権利を行使していなかったんですが、実演家もこれぐらい苦しい中に、海外からのやり取りも含めて、何とかそういう仲間入りをしようとしている、そのような説明のされ方をしていただけたら、よりスムーズなのではないかなというのが、現場の方々とお話しした僕の雑感でございます。
以上、私からのヒアリングレポートとなります。ありがとうございます。
【太田主査】ありがとうございました。
次に、全日本ダンス協会連合会の小室様、お願いいたします。
【全日本ダンス協会連合会(小室氏)】着座のまま失礼いたします。公益社団法人全日本ダンス協会連合会渉外担当理事の小室と申します。本日は代表の村松会長も来ております。
資料は12ページ、13ページになろうかと思います。私どもは社交ダンスの関係で、パーティーとか、あるいは試合ではなくてレッスン、教授ですね、そして教授所、教室ですとかスタジオ、これのメンバーを主体とする団体であります。この小委員会において、海外利益確保の観点から議論が始まり、個別の利用場面ごとのヒアリングということで機会をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。
私どもは今回の導入の方向性は理解いたしますので、引き続き、負担の水準、社会的な理解の醸成、円滑な徴収体制、これらの課題について、審議会・ワーキングの先生方、また、事務局であり、実施を進められる文化庁の方々、大変御苦労多いかと思いますが、円滑な実施に向けて十分な審議、検討をお願いいたします。
社交ダンスですが、基本的にはペアで踊るので、男女が接触することを前提としております。見方によっては接待というのが当てはまり、戦後、ダンスホールの管理等に発しまして、風営法の規制対象になっておりました。ただ、国際的に通ずるような一定の正規の教授や教授所については、この規制の対象外という仕組みになっておりました。風営法が改正されまして、現在ではアマチュアを含めた教授の自由が認められ、規制の枠外となっております。そうした中においても、我々連合会は引き続き、ダンス教授の認定制度を維持し、的確な教授と品位の保持に努めております。
申すまでもなく、ダンスは音楽を重要な要素としておりますので、3段落目の後ろにありますように、音楽の効能を最大限活用する文化の実践であり、適正な権利還元の重要性を強く認識しております。したがいまして、JASRACとの団体契約により、会員への周知、勧誘、一括納付に努めております。令和7年度においては317のダンス教授所から合計1,127万円余の著作権使用料を納付いたしております。残念ながら、教授所あるいは使用料、漸減傾向にございます。
近年の動向といたしまして、こうした教授所を介さない個別指導や、音源についても変化あるいは多様化が進んでおります。著作権料を実際に負担している教授所の経営が大変厳しくなっております。
また、現場においては、音楽著作権についてはまとめてJASRACに払っているという受け止めも多く、ここに新たな負担が加われば、二重負担じゃないかという意識も生じかねません。社会的理解の醸成、これは最重要課題だと認識しております。
いずれにしても、著作権料を担っている教授所の経営の安定に資するよう、著作権料の対象や免除、あるいは課する場合には既に徴収されている著作権料と合わせて、これまでの水準程度となるよう、減免措置を要望するところであります。
以下、制度設計について何点か申し上げます。
(1)にありますのは、単一窓口による包括的利用許諾を基本とすることなど、手続、徴収についてでございます。
(2)のほうは、小規模事業ですとか学校教育にも取り入れられている教育用途、この辺への配慮。
(3)では、割引を伴う団体契約による一括、円滑な徴収を基本とし、徴収分配コストを抑制していただきたいと思います。
(4)では、時代の変化を踏まえて、適用範囲を明確化する。
さらに、(5)で公平性の担保。
さらに、(6)では、実際の負担規模、内外含めて、どのくらいになるかというふうなつかみが分かれば、なるべく早く公開をお願いしたいと思います。また、既存の団体契約加入者には経過措置を講じたり、あるいは急激な負担を回避することなど、御配慮願えればと思います。
最後になりますが、社交ダンスは高齢社会における心身の健康維持、特にフレイルに高い効果を発揮しております。また、国際社会へ通ずる文化といった公益的価値を有しております。適正な権利保護と現場の持続可能性の両立を図る制度設計の下、私どもは今後も団体契約による適正かつ円滑な徴収に協力し、文化の発展に貢献してまいる所存でございます。
以上です。ありがとうございました。
【太田主査】ありがとうございました。
次に、日本舞台芸術ネットワーク、松田様、伊藤様、お願いいたします。
【日本舞台芸術ネットワーク(伊藤氏)】座ったままで失礼いたします。日本舞台芸術ネットワーク事務局長の伊藤と申します。本日はこのような場にお招きいただきまして、ありがとうございます。
まずは冒頭、私のほうから当団体の紹介を簡単にさせていただきまして、その後、松田より意見の発表をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
日本舞台芸術ネットワークというのは通称でして、実は正式名称は緊急事態舞台技術ネットワークと申します。2020年4月の緊急事態宣言下、コロナ禍にあえぐ舞台芸術業界が初めて横に大きく手をつなぎ、横断的なネットワークとして生まれました。それこそ日本を代表する大手の事業者、劇団、制作会社から小劇場の小さな劇団、ダンスカンパニー、それから民間劇場から公立劇場、スタッフ会社、プレイガイドなども含めて、今では日本全国260団体のネットワークとなっております。
このネットワーク内において、今年の3月よりレコード演奏・伝達権タスクフォースという有志の会を立ち上げて、協議を重ねてまいりました。先月には参加団体にアンケート調査を実施いたしまして、本日発表させていただく意見書として取りまとめてまいりました。
それでは、レコード演奏・伝達権タスクフォース長の松田より発表させていただきます。
【日本舞台芸術ネットワーク(松田氏)】松田と申します。私、別団体ですけど、JASRACさんとは25年ぐらい、規定の改定の協議を団体交渉の代表やっていまして、逆にJASRACさんの苦労もよく分かるという立場なんですよね。
それで、この話を最初に知ったときに思ったのは、JASRACでさえ、いろんなお店から小さいお店からものすごい苦労してお金を徴収してきているという現状があるのを知っている中で、これを聞くと、それをJASRACも何十年もかけて努力を積み重ねてきて、いまだに全部はできないと。そういう中で、この新しい制度をつくって、ちゃんとその徴収ができるというのがまず疑問だなと思ったところなんですよね。
そうしているうちに、話として、元栓処理、蛇口処理という言葉を初めて聞きまして、要するに、使っている団体の上のほうから売上げの何%みたいな形で取るのが元栓処理で、個々の利用者から取るのが蛇口処理だと。そういうことを伺って、その割合については、この間、この前の回のこの審議会の資料についていた調査を見ても、かなり当然蛇口から取らなきゃしようがないという現状ですよね。我々の業界のほうは蛇口のほうなんですよ。
元栓は実行不可能だというところで、そうすると、数としては、とにかく小規模が多い。演劇って小規模の団体が多いんですよね。それは今この要望書のところに書いてあるとおりなんですけども、2番のところですけれども、そうすると、小規模を、ここもJASRACの立場で考えちゃうんですけど、コストと手間をかけて取りに行って見合うのかという、そもそものところが皆さん大丈夫なのかなと思っているところで、2番のところは、だから手続として、まず簡素であることが大事ですというのが1番だし、要望の2番のほうは、小規模のところは免除していくという方向が、取りに行くほうにとってもメリットじゃないかということをちょっと申し上げたいんですよね。
しかも、つくる側にはものすごい負担になるというのが、予算規模からして、今、先におっしゃっていた2団体もおっしゃっているとおりなんですよね。JASRACで払って上にこれがプラスになるということが、いかにその疎外になっていくかと。
そういう意味で、要望の3番飛ばして4番に行くんですけども、ただ、飲食店なんかと違うところは、我々物をつくる立場なので、要するに使わなきゃいいという選択肢があるんですよね。使わない方向になりやすいのは、これはまた昔の話になりますけども、昔は音楽作るのは大変だったんですよね。だけど、今はコンピューターなりAIを使うなり、簡単にいろんなことができちゃうんですよね。フルオケでさえも簡単にできちゃって、しかも10通り出してって言えば映画作ってくれちゃうみたいなことがあり、つまり、音楽を自主音源ですぐに作れちゃうという世の中に一方ではなりつつあります。
大事なことは、これは飲食店と違うところは、一応我々文化芸術活動やっているので、その創作環境にこれが悪影響を及ぼすんじゃないかという懸念があるわけです。つまり、演出家の人なり、制作者の側が、この曲使いたかったけど、このCD使いたかったけど、こういうのを別に作ればいいやというふうに、手間の面と費用の面から両方から使わないという選択肢になっちゃうんじゃないかと。
逆に、演劇の歴史を皆さん御存じかどうか分からないですが、数々の演劇史の中には、既存音源を使って、それの新解釈とか、その使い方によって世界演劇界の歴史に残るような衝撃を与える使い方をして、芸術として貢献してきたというところがあるんですよね。それが今後は生まれる可能性を減らしていくんじゃないかと。
日本のコンテンツとしては、世界にこれから売っていく中で、独特の日本ならではの音楽、音源を使って優れた作品を作りたいという気持ちに水かけることにならないのかなという心配があるというのが、今の我々のこの4番で書いたところなんですけども。
1個戻って、3番のところは、これも昔の話になりますけども、大昔ならば、音源、CDをそのままかけて使うということができたわけですけども、今はいろんなきっかけが、複雑な演出が多いので、当然、機械、音響の装置の中にデータを移してやらなきゃいけない。そこには複製権が働くということを御指摘されておりまして、CDを使うことが有料化するんであれば、複製権のところは当然クリアにしてくれますよねというところが、4番で書いているところですね。
そして最後に、ほかの方もおっしゃっているとおりというか、JASRACもまさにそうなんですけども、既定の料金を上げるときにはJASRACの方も、いつも団体協議で滑らかなカーブになるように、急に右肩がぼんと上がるような階段、崖から上がったり下りたりするぐらいの急なことにはならないように、緩やかなカーブになるように制度設計をしていくので、時間的にも段階を踏んでいくということが求められています。
同じように、もし導入する場合は、そこは十分に考慮してくださいというのが我々の発表の要望になります。以上です。ありがとうございました。
【太田主査】ありがとうございました。
次に、書面で意見提出をいただいた関係団体について、事務局より御紹介をお願いします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。同じ資料2の16ページ以降を御覧いただければと思います。書面で御意見をいただいた団体について御紹介させていただきます。
まず、17ページでございます。公益社団法人日本バス協会様からの御意見です。バス協会の実態や運用上の課題を十分に考慮してほしいとのことで御意見をいただいております。日本バス協会様は、路線バス、貸切バス、高速バスの事業所を会員としてございまして、レコード演奏・伝達権については、主に貸切バス事業が対象になると想定されているとのことです。
貸切バスの比較的多くの車両には、オーディオ機器等、カラオケ機器等が搭載されており、音楽再生は主目的ではなく、実際に音楽CD等の音源を再生する頻度は極めて限定的であるというのが現状だそうでございます。
ただ、現行の音楽著作物の使用料の支払、これはカラオケの使用料が中心のようです、協会で包括契約を行い、カラオケの機器を搭載しているかどうかという基準で、会員分の徴収支払いを一括して行っていらっしゃるというところ、レコード演奏・伝達権については、そういった利用頻度はあまりないのではないかというふうなことを考慮すると、同様の対応は困難であろうということ。そこで、こうした実態を踏まえ、柔軟かつ合理的な制度運用をお願いしたいということ。そういった機器の搭載有無ではなく、実際の音楽再生の有無など実態に沿った形の対象範囲となるように配慮してほしいということ。
それから、協会に未加盟の事業者も多数存在するということから、徴収方法など公平で透明性の高いものをお願いしたいということ。こうした多様な実態を踏まえて、負担の過重化や不公平が生じないよう配慮してほしい。協会としても必要な協力をするという御意見をいただいております。
次に、18ページでございます。一般社団法人カラオケ使用者連盟様からの御意見でございます。御意見を御紹介します。
まず、レコード演奏・伝達権の必要性として、商業施設等のBGMに実演家やレコード製作者に対して使用料が支払われていないということが指摘されているけれども、有線放送等のBGMにはBGMサービス提供者において、レコード製作者に対して二次使用料を支払い済みというふうに認識をされているということ。レコード演奏・伝達権が導入されても、BGMサービス提供者において元栓処理がなされるのであれば影響はなく、意見を述べる立場にないということ。
元栓処理の結果、使用料相当額が会員に転嫁されるというふうなことになると、BGM利用を控える会員も出てくるものと思われ、かえってレコード使用の妨げになるおそれがあるということ。
また、二次使用料請求権ではなく、許諾権となる場合には影響が大きく、妥当ではないと考えるということ。
さらに、BGMがネット配信の形で提供されるものについても、送信可能化権の許諾の際にBGMサービス提供者に支払っている使用料が事実上演奏を考慮したものなのではないか。法的には区別されるとしても、送信可能化権の許諾料と同程度の料金が上乗せされるとなると、BGM利用への萎縮効果が極めて大きいものとなる点に留意をいただきたいということ。
それから、商業用レコードが複製されているあらゆる端末機器の再生に権利が及ぶということが射程に入るのであれば、慎重を期すべきというふうな御意見をいただいてございます。
次に19ページでございます。一般社団法人日本カラオケボックス協会連合会様からの御意見でございます。こちらの御意見については、先ほどのカラオケ使用者連盟様からの御意見とほぼ同じ内容となってございますので、詳細な御紹介のほうは割愛をさせていただきます。
続いて、20ページに参ります。公益社団法人日本劇団協議会様からの御意見でございます。実演家の権利を守る立場から導入に賛成であるということ。
ただし、JASRACの申請だけでも煩雑な部分があるため、申請書を1つ作成すればJASRACにもレコード演奏・伝達権にも使えるなど、利用者が申請しやすいシステムにしていただくことを希望するといただいております。
事務局からは以上になります。
【太田主査】ありがとうございました。
ただいまの御発表につきまして、御意見、御質問等がございましたら挙手をお願いいたします。オンラインの委員の方々は挙手ボタンによりましてお知らせください。
仁平委員、どうぞ。
【仁平委員】日本ネットクリエイター協会の仁平と申します。
JDDA様のほうにちょっと確認をさせていただきたい、教えていただきたいんですけども、我々のところで実はたくさんの音楽クリエーターさんいらっしゃいまして、いろいろな、特にボカロPと言われている方たちがかなりの人数所属していただいているんですけども、DJの中でボカロの楽曲を使われているイベントというのは実は結構多いんですね。
その中で、JDDAさんのほうから、今回こういう取組に関しては御賛同いただいている、その理由というのが、海外からの正当な原盤の対価を頂くと。まさに我々が今抱えている問題と全く同じなので、とてもすばらしいなというふうに伺ったんですけども、その中で、私がいつも毎回、我々もイベントを打って、DJの方にボカロの楽曲をやってもらうときあるんですが、何の原盤が何秒使われているかって、かなり頭痛くなるぐらい毎回実は我々も大変なんですね。
というのは、事前に聞くことはもちろんするんですが、DJの方というのは会場の雰囲気で、ちょっとここで、それこそ『千本桜』1回バーンと入れてみようとか思われて、それを我々のほうでやらないでくれというのは違うと思っているんです。なので、それはすばらしいDJプレーをぜひやってくださいというようなところで、我々は後から何を使いましたかという形で聞きに行くんですが、なかなか難しいです。
実際のところ、海外でのDJの方というのは、何の原盤をどういうふうに使ったかみたいなものってちゃんと報告されているんでしょうか。それとも、何かそういう仕組みがあるんでしょうか。また、JDDAさんとしてはどういうふうにお考えなのか。そのあたり、ちょっと教えていただければと思います。
【太田主査】よろしくお願いします。
【JDDA(角田氏)】非常に難しい問題なんですよね。おっしゃられたとおり、DJというのは何の商売かというと、一番はTPOを見るといいますか、あっ、今日はこういうお客さんが来ているから、こうやってかけていこう。渋谷なんかのお店でも今、インバウンドの方がたくさん多いですが、その方が、顔だけ見るとヨーロッパの方か、アメリカの方か、オーストラリアの方かも分からない。じゃ、ちょっとこんな曲でくすぐってみようか、あっ、これ違った、こっちだった、意外とオーストラリアの方々なんだといったら、そちらが逆に受ける曲に変えていく。さらに盛り上がったら、もっともっと盛り上がるように、そうでない場合は皆さん退屈しないような曲にというように、逆に、事前にあらかじめ用意はしていったものの、最終的に全く違うものがかかります。
私ども、実はコロナ禍でレコード協会さん、JASRACさんの協力の下で半年間だけ、完全合法のDJの配信ということをやらせていただいたことあるんです。何が大変だったか、終わってからの全曲開示という作業が一番困難で、その中でもJASRACさんといろいろお話をしていて、いろんな今フィンガープリントを瞬時に聴き分けるような装置も実は出ているんです。
あたかも、Shazamというようなソフトウェアがありますけれど、iPhoneに入るような、それを、公衆で流れている曲も何の曲かというフィンガープリントで合致したものを全部出してくれるんです。それを実はあるお店の電源部分につけると、全曲をフィンガープリントして送ってくれるという装置まで実は出ていて、こちら、3か月ですけれど、都内のクラブやらでDJバーの店舗、4店舗ほど協力していただいて、やったのが4年前にやりましたが、これ難しいもので、御承知のようにDJというのはミックスをする。Aという曲とBという曲をちょっと混ぜて使ったりすると、フィンガープリント的にはどちらの曲だかよく分からないというような難しい問題があって、実は4年前までの正解率というのは4割なかったです。
ただし、そういった施策というものは、これどちらが、鶏が早いか、卵が早いかじゃないですけど、Shazamというものの精度がここまで上がっている今、実はこういったことの権利をしっかりと個人が、実演家というのは基本的に個人ですから、対価を得るというようなことにしっかりフォーカスしていけば、今の民放連さんからの全曲開示と同じように、それぞれのお店も何らかそういった簡易なシステムであっても、精度を上げたものの導入というものは、僕はそう遠い未来の話ではないなと実は思っていますし、そういった、この夜には一晩どの曲が何分間使われたというものが、フィンガープリントを持って明確に世界各地から集まるような日、そのための演奏・伝達権も後押しの1つになるんじゃないかなという期待は持っております。
【仁平委員】ありがとうございます。私も同じ意見で、完全に100%報告できないから、それは駄目だということではなく、科学技術の進歩というものによって精度がどんどん上がっていくというところを期待しながらも、まずは導入するという流れが正しいと思っています。
その中で、今、私が思ったのは、そういったShazam等に音源データを登録するという作業が一番大事で、我々の楽曲というのは、言ってみたらメジャーレーベル楽曲ではないわけで、そういったところに登録するチャンスというのが結構限られています。
ただ、私が見ているようなDJライブだからかもしれないですけど、ボカロ楽曲とか東方楽曲が使われているDJって物すごく多いなと私は肌で感じているんです。ただ、ほとんどそういった楽曲は恐らくShazam等にデータとして入っていない可能性が高いと思っています。もちろん、それを頑張って入れるのが我々の仕事ではあるんですが、なので、今回、文化庁様いらっしゃる中でのお話なので、そういった我々のようなインディーズ系の楽曲も、よりたくさんそういった仕組みに取り入れられるような間口をつくっていただくというところの意味みたいなものをちょっと御理解いただいて、そういったものも進歩していく。そして、分析の科学技術も進歩していく。そうすれば、将来的には可能な限り高いところでマッチング率が上がるんじゃないかなと思っていますので、最後にちょっと私の意見も言わせていただきました。ありがとうございました。
【太田主査】ありがとうございます。ほかに御質問ございますでしょうか。オンラインの方いかがでしょうか。よろしいでしょうか。唐津委員、福井委員の順番でお願いします。
【唐津委員】本日はオンラインで参加しています唐津です。本日はありがとうございました。本日も皆さんのお話非常に勉強になりました。ありがとうございます。
伺っている中で、皆さんの意見、総意ではないんだと思うんですけれども、皆さん実演家の保護に資するのであれば演奏権は理解はするとおっしゃりつつ、お金はこれ以上出したくないというようなところと、率直に言えばそういう意見の方が多いのかなという気持ちで聞いておりました。そこは私自身も非常に理解はできるところではあります。
ただ、正しい理解を広めていくというのもコメントの中にあったように重要かと思うんですけれども、例えば、ダンス協会様の御発言の中で、音楽に関して二重負担という感想というか、意見が出てくるのではないかというような御発言があったんですけれども、通常の二重負担というのは、例えば、ある団体を通して音楽著作権について使用料を払ったにもかかわらず、各教室、社交ダンス教室がもう一度音楽著作権について使用料を払うというときには、まさに二重負担かと思うんですが、もちろん今話している話は、著作権とは別に、著作権者の権利とは別にレコード製作者の権利に対して使用料を払うというお話ではあるかと思うんですけれども、ただ、それを二重負担という意味、用語は、そこは違う権利なんだけど、音楽について2回、2つの権利について払うという意味で二重負担っておっしゃったんでしょうか。それとも、もう少し別の意味でおっしゃったのか、ちょっとそこを伺いたいなと思ったんですが。
【全日本ダンス協会連合会(小室氏)】御質問ありがとうございます。なかなか厳密な議論というのは難しいところなんですが、これ世情で、著作権、それに加えて隣接権とか、丁寧に分割して、片方は成立しているけど、まだ片方はこれからだというようなところまで理解は進んでいないんですね。
したがって、著作権関連というんで全部既に対応しているのに、何で今さら新しいのというのは、これはある意味で誤解ですよね。誤解ですけど、そこの理解はしてもらうため、それは負担をしてもらうためということにもつながるわけですけれど、それはいろいろと解説し、理解してもらう努力が要るのかなというので、そういう趣旨でございます。
【唐津委員】ありがとうございます。例えば、理解していただくというときに、協会の事務局で活動されている方とかは恐らく理解が進んでいらっしゃる方で、ダンス協会様であれば、個々の教室を開いていらっしゃる方、さらに個人で活動している方などの理解はまだまだということだと思うんですけれども、でも、協会として何かそういった方たちに、この音楽著作権に限らずですけど、研修の機会とかそういったものを設けたりすることはあるんでしょうか。著作権に限らず、何らかの形でメンバーの方を集めて研修を受けてもらう。
【全日本ダンス協会連合会(小室氏)】著作権料を実際に支払っているのは、教授所、教室とか、そこの単位で納めてもらっていますので、一人一人というわけではなく、それで私どもは社団法人ということで、地域の講師の団体、教師協会、これを社員としております。
ですから、それを通じて、もちろん個々の先生方にも行くわけですが、全国の全日本の協会としては毎年いろんな形で研修会開いておりますので、特に著作権に限らず、いろんなダンスそのものの講習やっておりますから、そういう機会等を通じていきたいと思いますが、ただ、世間一般のレベルでそれがもう少し基礎的に広まっていると、私らの講習研修も受け入れられやすい、また、負担についても理解を求められるかなと、こういう趣旨でございます。
【唐津委員】ありがとうございました。
【太田主査】では、福井委員、お願いします。
【福井委員】ありがとうございます。それでは、私から質問を2団体分についてさせていただきます。
まず、JDDAさんです。大変分かりやすい御意見をありがとうございました。これは仁平委員の御指摘にもつながるんですけれども、DJから権利処理の苦労について伺うことも多いため、お伺いしたいと思います。
JDDAさんでは、所属DJにおいて、DJプレーのために既存音源を利用すると思うのですけれども、その際に、何らかの媒体への音源の、たとえ1回でもコピーは伴うでしょうか。
伴うとした場合、それについて使用料をレーベルなどから請求されたことはおありですか。外国曲を含めて、そうした媒体コピー全てについて許可を取って、対価を払っていらっしゃるでしょうか。これは今回、幾つかの箇所で議論になっているものですから、お伺いするものです。
また、やや傍論にはなるんですが、触れられた問題ですので、お尋ねしますと、DJプレーの配信も行われると思います。その際には個別のレーベルの許可が現行法でも必要だと思いますが、それは取っておられますか。JASRACなどは報告で済むと思いますが、原盤については許諾が必要ですね。無数の使用音源について個別レーベルから許諾を取るのは極めて難しいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
そして、もう一団体は、これは書面回答なので、事務局においてお分かりであれば教えていただければと思うんですが、カラオケ使用者連盟さんなど2団体についてです。配信される音源の利用についての御意見が並んだ後で、1ページ目の最後の辺りで、今回はBGM利用について演奏・伝達権を及ぼすという趣旨と理解しましたが、これを超えて商業用レコードが複製されているあらゆる端末機器の再生についても演奏・伝達権を及ぼすということも射程に入っているのであれば、その点については慎重を期すべきである、と書いてありますね。
この趣旨がすぐには掴みかねたんですけれども、これは、書面のそこまでの記述が配信される音源の話だったので、ここは配信されない音源をまさに媒体コピーをするなどして再生するケースについては、演奏権を及ぼすことは慎重を期すべきだという御意見なのでしょうか。
つまり、対象が全国で150万以上の施設に及ぶという数字もある中で、元栓処理ができない蛇口処理になるなら慎重を期すべきだという御意見なんでしょうか。もし、事務局としての御理解等があれば、お伺いできればと思ってお尋ねします。以上です。
【太田主査】ありがとうございます。では、JDDAさん、お願いいたします。
【JDDA(角田氏)】たくさん質問ありました。ありがとうございます。なるべく端的に。
現在、DJがプレーしている曲個別に、海外のことも含めて許諾を取っているかというもの、非常にケース・バイ・ケースです。大きなイベントフェスになればなるほど、事後になりますが、事前の許諾を何しろ取れないというのが先ほどお話御説明しましたDJのスタイルなんですが、大きなフェスになるとなかなかそうはいかず、実は巨大なDJのフェスですと、あらかじめ選曲というのが決まって、事前申請してやっている場合というのがあります。この場合は一応そういった手続を取っています。
一番問題なのは、実はこれまでこの場で言うべきではないかと思っていましたけれど、配信の、最後の御質問ありましたケース、こちら先ほど御質問にあったときに御紹介しました、コロナ禍のJDDAがやりました合法配信というものが唯一の完全合法配信です。JASRACだけではなくて、レコード協会さんとお話を1年かけてしまして、一定の協力金という下で、許諾ではなく、どの曲を使っていい。ただし、レコード協会所属の邦楽曲のみということになっています。
現在、どことは言いませんけど、幾つかのインターネットでも洋楽も含めてDJプレーというものを配信しているところがありますが、そこは、なかなか言いづらいですが、グレーもしくは黒という状況になっています。
ここに実は私、非常に憤りを覚えていまして、アーカイブ、原盤を定着させるということならいざ知らず、今、世界的にリアルタイムの配信というものはもはや許諾ではなくて報酬請求、放送だということに韓国ですらなっています。日本はまだまだ音楽の権利において許諾権の範囲が多過ぎます。このままではたくさんの日本の財産である曲が非常に眠っている状態ではないかと思っています。
僕はこのレコード演奏・伝達権を基に、音楽の権利の中の許諾権の部分というのを、乱暴な言い方ですけど、可能な限りグローバルスタンダードに近づける、つまり、請求権によって処理できるようなこと、特にインターネットに関しては移行していく、そのためのきっかけという法改正になればという思いもあります。
以上です。
【太田主査】よろしいでしょうか。
【福井委員】ありがとうございました。権利処理の課題感について大変共感するところがありました。
1点だけ。大きなフェスの場合、選曲して事前に申請している場合ありということでしたが、これは念のためですが、原盤についてもということですよね。そうすると、私が想像するに、外国曲などでは到底間に合わず、許諾など取れないケースが多いんじゃないかと思うんですけれども、そういう場合は選曲を諦めるということでしょうか。
【JDDA(角田氏)】はい。例えば、ウルトラというような大きなフェスになりますと、DJはほぼ自分の曲をかけています。なぜなら、時間も1時間と限られますので、権利処理で何かあったとき対応ができません。ですので、1時間全て自分の権利を持っている自作をかけてプレーするという、これDJとしてはどうなんだろうという部分もありますけれど、そうやって逃げているというわけではないんですが、DJがある種ライブのような状態になっているところも、そういった要因があるということは否めない現実であります。
【福井委員】その課題がやはりありますね。十分理解できました。ありがとうございます。
【太田主査】ありがとうございます。
続きまして、事務局のほうからカラオケに関するところをお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。こちらのほうでお伺いしております範囲ということになりますけれども、18ページのところで記載されております一番下のあらゆる端末機器の再生ということで念頭に置かれていらっしゃったのは、カラオケ機器ということかと理解をしてございます。以上でございます。
【太田主査】よろしいでしょうか。
【福井委員】カラオケ機器において、配信に基づかない、そんなものが今どきどれだけあるかですけれども、例えばCDを流すとか、CDからコピーしたものを流すとか、そういうことであれば慎重を期すべきだという御意見だったという意味でしょうか。
【依田著作権課課長補佐】カラオケ使用者連盟様、あるいはカラオケボックス協会連合様、いずれもカラオケの機器を通常利用されている方々ということで、その前にちょっと配信の話が記載されておるので、やや読み取りにくいところはあるのかもしれませんけれども、加えてということで、配信の話とはまた別の話ということで、まずお書きいただいているのかなというふうに理解をしております。
その上で、特にカラオケの機器を利用される方々だというふうなことで、カラオケ機器自体の再生といいましょうか、そういったことに関しても及ぶのであれば、慎重を期すべきというふうな御意見なのかなというふうに理解しております。
【太田主査】よろしいでしょうか。
【福井委員】はい。分かったように思います。ありがとうございます。
【太田主査】ありがとうございます。では、お待たせしました。では、早稲田委員。
【早稲田主査代理】御発表ありがとうございました。
対面参加でお越しいただいている3団体にそれぞれお聞きしたいのですけれども、これから徴収ということが現実になるということになりますと、日本ダンス協会連合会様がやっていらっしゃるような包括契約であれば、それはそれでやりやすいとは思うんですけれども、個別いろんな音楽を利用する方々が、簡単に簡素に徴収、使ったよということの報告をするには、例えばどういうことが考えられるか、各団体で御意見があればお聞きしたいと思います。以上です。
【太田主査】どなたから。では、JDDAの角田様からお願いします。
【JDDA(角田氏)】現実を申しますと、なかなか全曲開示というところまで求めるのは難しいのが個々の現場の現状と思っています。
ですが、先ほどお話ししたように、もっと簡易な未来志向的なやり方で流れていた曲を自動的に感知して、フィンガープリントでもって上げていくようなことというのは遠い未来じゃないのかなと思っています。そういったパワーを使っての全曲開示、これは決して夢ではないと思っていますが、今年2025年ではまだ現実的ではないというのも一方事実だと感じております。
【太田主査】ありがとうございます。では、次に日本ダンス協会連合会様、お願いいたします。
【全日本ダンス協会連合会(小室氏)】ありがとうございます。私どもはJASRACの使用料規程の第1節、演奏等の5ににダンス教授所における演奏等ということで、はっきり表になって規定があるので、これ、高い安いはともかく割合あれなんですけど、その教授所という箱を外れて、全く試合とかパーティーとか、あるいは個別にやるとか、その辺のフォローはかなり困難だとは思います。
ただ、できれば教授所としてそこへ集結してもらえば、我々その労を取りますけど、その辺はいろいろそれぞれ事情があるので、これからできる仕組みの中でまたいろいろとアドバイスいただければと思います。
【太田主査】ありがとうございます。では、続きまして、日本舞台芸術ネットワーク様、お願いいたします。
【日本舞台芸術ネットワーク(松田氏)】要望書の1番に書いてあるんですけども、それを補足すると、まず、JASRAC管理曲がほとんどですね。それから、JASRAC非管理というのはクラシックなんかのあれですけれども、それはかなり原盤は古いものを使えばいいので、今回はその対象になりにくいということを踏まえて、そうすると、JASRACには毎支部にコンサート的なこと、あるいは演劇公演に使った曲は全て書いて報告をするわけですよね。その中に一部が原盤を使っている、原盤を使って音を出しているという事態なので、一番いいのは、ここに要望書にも書いたんですけども、少なくとも書式としてはJASRACと統一化していただいて、その右の横の欄に、原盤使用した場合は丸してください、備考のところにどの原盤を使ったか書いてくださいと。
原盤を使う多くの場合は数が少ないので、1個2個足すだけであれば、非常に簡便に済むなと。創作的な意図で物すごい原盤を使う公演もあるんですけども、それもJASRACには使った曲を全部リストとして出すので、同じ書式で出せばいいと。欄外に、JASRAC非管理だけども、原盤を使った場合は書いてくださいというのを足してもらえれば大体カバーできるんじゃないかというふうに思っているので、ぜひJASRACとの、少なくとも申請書類の共通化というのはぜひ目指していただきたいなと思っているところです。以上です。
【太田主査】よろしいでしょうか。
【早稲田主査代理】ありがとうございます。
【太田主査】ほかに御質問、御意見がございましたらお願いいたします。楠本委員、どうぞ。
【楠本委員】ヒアリングの皆様、今日はありがとうございました。
一応この権利創設を求めている側からもしかしたら皆さんの参考になるかなと思うところをコメントさせていただきます。
まず、全体を通して複製の話が出ておるかと思います。こちらで福井先生と少しお話ししたこともあるかと思いますが、複製の件については、これまで権利処理をしていただけている、いただけていないにかかわらず、こういった新しい権利の創設のタイミングではございますので、ぜひその辺の権利クリアランスといったところについては、お話合いに応じていただけると非常に我々としてはうれしいなと思っております。
どっちが先か後かという話ではなくて、せっかくこういった、今、著作権制度について先ほど来、皆さんから、いや、著作権は知っているけど、隣接権なんか知らないよというお声も出ておりますので、そういったところを払拭する意味でも、ぜひ、創作物、クリエーターの団体の皆さんにはぜひ率先してこのあたりの権利クリアランスに応じていただけるというところに我々は目指していきたいなというふうに考えております。
ちょっと細かいところを触れてまいりたいと思うのですが、まず、舞台芸術ネットワークさんのプレゼンテーションの中で元栓のお話が出ていたかと思います。皆様、元栓といいますと、BGM事業者さんを想定されていらっしゃるのかなと思いますけども、私どもは当然BGM事業者さんとのお話合いで元栓というのが1つですが、まさに舞台芸術ネットワークさんですとかバス協会さんですとか、それから本日お話合いに出ておりましたカラオケの団体さんですとか、そういった団体さんの取りまとめというのも元栓だというふうに捉えております。
実際、バス協会さんのメモの中にも、自分たちはJASRACさんとは団体を通じて権利処理をしているんだというお話もあったかと思います。このあたりも元栓ということですので、先ほどの権利クリアランスの話に戻っちゃいますが、ぜひテーブルに着いていただければ、私たちとしてはうれしい限りでございます。
それから、実際に今日御臨席じゃないものですから、あまりコメントしづらいんですけども、カラオケの2団体さんからペーパー出ておりますので、少しだけ触れたいわけなんですが、1つ目のブロックの中段に「BGMサービス提供者において、レコード製作者に対して認証料を支払い済みである」という記述がございます。これは具体的には、商業用レコードを放送として御利用されているBGM事業者さんが、我々レコード協会やCPRAさんとの間で二次使用料の契約を結んでいるということを指しているのかなと思います。これはそのとおりでございます。
ただ、この後ろになかなかつながっていくところが苦しくて、現在まだ演奏権を我々獲得していない段階で、二次使用料を取っているんだから、そこに入れちゃえばとか、支払い済みだよとか、そこで賄えるだろうというのには、そうだな、そうしようかなという話にはなかなかなりづらいのかなというふうに思っております。
さらには、御利用されているのが、BGM事業者さんはBGMサービスを提供するとしてレコードを利用されている。逆に、今回カラオケ事業者さんのコメントですので、あえてカラオケボックスさんですとか、カラオケで御商売をされている方だと思いますが、が客入り、音楽をレコードを利用されている、そこに対する演奏権が効いてくるというお話ですので、こちらは我々に権利が与えられた暁には、ぜひ分けて考えていただけるところになるんじゃないかなというふうに捉えております。
それから、ブロックが変わりまして、カラオケ使用者連盟さんのペーパー、18ページを使わせていただきますが、「さらに」というところ以降です。送信可能化の話が出ておりまして、「BGMサービス提供者に支払っている使用料は、事実上その後の演奏を考慮したものになっているはずであり」と、ここも先ほど私がコメントしたとおりでございまして、演奏を考慮したはずかどうかはともかく、ここで権利が現状ない段階で、送信可能化のディール、いわゆる契約の中に演奏権が入っているか、入っていないかと、1と0で聞かれれば、入っていないというふうに整理せざるを得ないのかなというふうに考えております。
それから、一番最後の「加えて」以降は、先ほど依田補佐が補足してくださいましたので、特に私のほうからはなかったわけですが、こちらもどういう意味の複製を指していらっしゃるのかなと福井先生と私も同じ疑問を持っていたものですが、依田補佐のほうから補足いただきましたので、こちらは理解をいたしました。
以上でございます。
【太田主査】ありがとうございます。ここで事務局のほうがいいのかどうか分かりませんが、どういたしましょうか。何かあれば。分かりました。楠本委員から貴重な御意見を賜りました。ありがとうございます。
ほかに御質問、御意見等ございましたら…。ありがとうございます。
角田様、小室様、松田様、伊藤様におかれましては、ここで御退席いただいて差し支えございません。今日はありがとうございました。
レコード演奏・伝達権につきましては、引き続きヒアリング等を行うこととし、さらに検討を深めることといたします。どうもありがとうございました。
それでは次に、議事2、その他に移ります。事務局より報告事項がございますということですので、御説明をいただきます。それでは、よろしくお願いします。
【小林国際著作権室長】資料3を御覧いただければと思います。国際著作権室の小林と申します。よろしくお願いします。
資料3でインターネット上の海賊版対策に関します国際著作権会合・セミナーを先日実施しましたので、そちらの報告をさせていただければと思います。
まず1番、コンソーシアムの趣旨でございますけれども、昨今、インターネット上の海賊版被害、これが国外で完結するケース、国外で行われるケースが非常に増えている。また、その侵害行為が行われる国が非常に多様化をしているということでありますので、様々な国の方と連携が必要だという状況にございます。
これまで文化庁では、中国や韓国といった2国間で協議などを通じたネットワークを構築してきたところなのですが、これをさらにASEAN諸国に拡大した形で、さらに著作権と、あと実際に警察であったりとか、そうしたいろんな団体、執行に携わる団体のところも含めたコンソーシアムというものをつくっていくということを今年度から始めております。
イメージはこの資料の中の図でございますけれども、文化庁に加えまして、まさに政府関係者、中国、韓国と同じような政府関係者として、警察だったり、外交の方が入っている。また、権利者団体の方も入っていただくことがポイントでございます。将来的には、実際に海賊版はこの地域だけで起きているわけではありませんので、地域を拡大するなどのことも考えられると考えております。
2番のところ、本年度の実施についてというところでございます。実際に今年の11月の11から13日の間に実施をしまして、出席者として7か国、インドネシア、韓国、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシアの著作権部局、公安局の担当官や有識者に来ていただきました。
また、次のページを御覧いただければと思いますけれども、国際機関としてWIPOであったり、インターポールからも御参加いただきましたし、国内外の権利者と民間業者の方にも多く御参加をいただいたところです。
(3)の会議の概要というところで、実際に参加国の方からは、現状の海賊版に関する取組や課題、権利者の方からは被害の実態であったり、海賊版対策の期待、そして国際機関側には現状の取組や事例紹介、ベストプラクティスなどの御紹介をいただきまして、それぞれ発表に対しての質疑交換を行ったところです。
参加国から最後の日にコメントをいろいろいただきましたので、ちょっと抜粋をさせていただきました。
まず1つ目ですけれども、どの国も著作権を守る、そして、また海賊版に困っているという気持ちは同じであると。こうした同じ意思を持った人たちが集まる枠組は非常に重要で、これからも緊密に連携したいということで、こうしたところは各国から御賛同をいただいたと思っております。
2つ目のポツですが、国境を越えたものが増えてきて、多国間の連携が必要だということ。
3つ目ですが、現在、文化庁でAIを使った海賊版サイトの検知システムを現在開発中なのですけれども、こちらに関して非常に強い関心を持っていただきました。
4つ目のポツですが、侵害者、海賊版を行っている人たちが高い技術を持って行っているということなので、それに対応していくようなことが我々も必要だ、これは参加国の皆さんからいただきました。
また、5つ目ですが、対象国をある程度東アジア、東南アジアに絞っていますが、少し広げて考えていくことも考えられるんじゃないかということもいただきました。
最後に、コンソーシアムの中では、実際に海外のこういう著作権部局の方等と民間事業者の方がお話をいただく機会も設けまして、そうした意見交換をできる機会もあり、国際協力の必要性をより実感したという言葉もいただいております。
3番のコンソーシアムに係る今後の予定及び2国間協議でありますけれども、参加国からは、先ほど御紹介しましたAIを活用した海賊版検知の取組に非常に高い関心をいただきました。また、国際連携の重要性も共通理解が図られたものと考えております。
この事業自体は今年度から3年度間の予定でありまして、まず、来年度に関しましては、共通に取り組めるものということで、啓発や検知の話など、どのようなことを取り組んでいくかというのをまず関係国の方と議論を深めていきたいと思っております。
また、海賊版対策に係る2国間協議、これは従来やっているものですが、中国、韓国、ベトナムと行っております。この中では、著作権に関する各国の制度改正や課題のほか、海賊版対策に関する取組や権利行使に関する最新の動向について、現状の取組と意見交換を実施したところでございます。
報告は以上でございます。
【太田主査】ありがとうございました。
ただいまの御説明を踏まえ、御質問等がございましたら挙手をお願いいたします。オンラインの参加者の方々は挙手ボタンを押しまして、お知らせくださるようお願いいたします。福井委員、お願いいたします。
【福井委員】実はそろそろ失礼しなければいけないものですから、先に述べさせていただきます。こちら、漫画出版5社の対策会議の立場で参加をさせていただきました。
おっしゃるとおり、多くの政府の関係者との協議が行われ、また、バイ協議の機会等もつくることができ、著作権課の御努力には感謝をいたしております。
現在、漫画の海賊版だけに限っても、世界で日本の漫画の海賊版サイトに対する視聴時間は年間7億時間を超えると推計されています。これは伊東委員のほうがお詳しいことですけれども、あらゆる対策を駆使して、この数字です。これでも相当に抑え込んでいるほうです。
何で大規模アクセスが可能になるかといえば、身元を隠して、海外の、身元情報を公安に提供しても、4年にわたって刑事摘発が全く行われないといった法手続の非常に難しい国から発信が行われているからです。これは多くのサイバー犯罪にも共通する重要な課題と言えようかと思います。
さて、こうした発信サーバーはしばしば貧弱なのですが、なぜそのサーバーから月間で数千万などというアクセスを集めながら、通信費で赤字になってしまわないのか、ダウンしてしまわないのかといえば、それはCDN、コンテンツ・デリバリー・ネットワークという事業を利用して、強力に相手国において中継配信を行うからですね。CDN自体は極めて有益なサービスですけれども、実は現在、海賊版の利用はある1つのCDN事業者に集中しています。
約73%はクラウドフレアという特定の会社を利用しています。なぜならば、クラウドフレアは身元確認をほぼ行わず、かつ、これは海賊版ですという合理的な通知を行っても大規模配信をやめてくれないからです。
これについて、先週大きな判決がありまして、長谷課長からよろしければ御紹介いただければと言われたので、簡単に御紹介させていただくと、日本の出版4社がこのクラウドフレアに対して、合理的な通知の後も大規模配信を続けたことに対して賠償請求の裁判を起こし、東京地裁においてこれが認められました。
理由中で、クラウドフレアにおける強い匿名性、そして、通知すら無視すること、この点が重く見られて、2つの海賊版サイト、4つの漫画のみで36億円の損害が認定されました。一部請求でしたので、賠償は5億円強が命じられましたが、もちろん金銭は目的ではありません。
控訴審においても仮にこの判断が維持されれば、こうした身元を隠した世界的な海賊版に対する1つの、合理的な通知を行ったら配信をやめていただくという歯止めになることも期待されようかと思い、そういう協力の場としても、このコンソーシアムは、意見交換と協力の場として期待をいたしたいと感ずる次第です。
長くなりましたが、以上です。
【太田主査】ありがとうございました。これは御意見、情報提供でございます。ありがとうございます。
福井委員に1つお聞きしたいのですけど、36億円と聞いて請求額が非常に小さいと思ったら、さらに一部請求にして5億円の請求というのはどういう理由なんでしょうか。
【福井委員】ありがとうございます。ネット上でも5億円では少ない、500億円は請求すべきだというような御意見も多々いただいたところですが、これは今申し上げたとおり、2つの海賊版サイトで4つの漫画だけを選んで、なおかつ36億円なのです。今現在、世界には認識されているだけでも930以上の海賊版サイトがあり、日本を対象にしているものも非常に多い状況です。よって今後も通知後も大規模配信が続けられるようであれば、500億円でもわずかだと思えるほどの賠償責任にもつながりかねない。
もっとも、金銭は目的ではありませんので、こうした重い結果も踏まえて、媒介事業者が少なくとも合理的にこれは海賊版だということを知った後は協力をしないという、そういうプラクティス、恐らく多くの他のCDNが現に行っているプラクティスを行っていただければと思っております。お答えになりましたでしょうか。
【太田主査】ありがとうございます。ほかに御意見、御質問等ございますか。仁平委員、どうぞ。
【仁平委員】日本ネットクリエイター協会、仁平です。私は音楽に関してちょっと質問といいますか、ちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、実はボカロPの楽曲とか、かなりいろいろなところで勝手に有料配信されているという事例は多いです。
ややこしいのが、日本では例えばハッピーシンセサイザーというふうに片仮名で表記されている楽曲が、中国では、中国の漢字で何か楽しい機械の音楽みたいな漢字になって配信されていたりします。『千本桜』もアルファベットでSenbonzakuraという場合もあれば、ちょっと違う漢字になっていたり、チェリーブロッサム何ちゃらかんちゃらになったのは見たことないんですけど、何かそういうふうに国の言葉によっていろいろな表記というのが出てくるのかなというふうに思っています。特にアジアの場合はいろいろとアルファベットではない言葉もいっぱいあるので、このあたりって、海外の方が、これは日本の例えばハッピーシンセサイザーのことだなというふうに思って、それを日本のJASRACに伝えて、確かにJASRACさんで管理しているハッピーシンセサイザーだなというふうに理解できるような共通言語みたいなのってあるんですかね。ちょっとそこが心配です。日本語の楽曲が本当に海外で何て呼ばれているのかが分からない。
当然、ISRCがあるだろうというお話もあるんですけど、実はボカロ楽曲の場合、前もお話ししましたが、複数のISRCが意図的に振られている事件とかがいろいろあるんで、どうするんだろうなというところで、こういう問題が一応あるので、すぐに解決策はないかもしれないですけど、どうしましょうかねぐらいの感じなんですけど。
【太田主査】事務局からよろしくお願いします。
【小林国際著作権室長】ありがとうございます。海賊版のいろいろコンテンツで今発生をしている、よく話題に上るのは漫画だったりとかアニメだったりします。今いただいたようなところ、直ちに分からないので、ちょっと確認させてください。また、いろいろなものの海賊版ということに関しては、また皆様のご意見等を聞いて、対策を考えていきたいと思っております。
【仁平委員】ありがとうございます。なので、多分言葉でのマッチングって相当難しいのかなと思っているので、先ほどもお話ししましたが、デジタルマッチング、フィンガープリント等のマッチングというのがやっぱり必須になってくるんだろうなと思っています。
ただ、その中で、我々のような楽曲はフィンガープリントが作られている可能性が、もちろんさっきも言いましたが、我々努力して、いろいろな有名な楽曲はどんどんフィンガープリントを作っていますが、必ずしもその入り口が充実しているわけではないんです。
結構、日本の楽曲って海外で有名です。というのは、クリプトンさんが初音ミクワールドツアーをやって、北米だとかヨーロッパだとかやっているんですけど、中国もそうですが、みんな満員になるんです。写真とか見ると、いかつい方が初音ミクのコスプレをして、男の方ですよ、筋肉隆々の方、アメリカ北米大陸でそういうのを見たりとか、ヨーロッパはヨーロッパでまたいらっしゃったりとか、ワールドワイドにはやっているということは分かっているので、そういうところの楽曲は、100%といかないですけど、ほぼレコード協会様の楽曲ではない、メジャーの楽曲ではないです。
なので、なかなかフィンガープリントができていないとかという問題があったりするので、デジタルでのフィンガープリントを作りやすくするための施策みたいなものも併せて御検討いただけると、有名な楽曲は全部フィンガープリントできているよ、安心だよ、海賊版で仮に使われたとしても、これは日本の何々だってすぐ分かるよというふうになる世の中を早くつくりたいなと思っています。
以上です。
【太田主査】ありがとうございます。御意見を承ったということにいたしたいと思います。
続きまして、伊東委員、お願いいたします。
【伊東委員】先ほどのコンソーシアムの件、本当に著作権課の皆様の努力に感謝しております。非常に有意義な3日間でした。また、3年計画であり、次も開催されるということで、1点、特に有効というか、大きな進展をもたしそうな可能性に感じたのが、捜査当局、公安のメンバーも来てくれて、そこで割と芯を食った話とかができたような気がいたします。次回もぜひ公安や捜査当局あるいはインターポールの方をぜひ呼んでいただければと。
あと、今回マルチということだったんですけれども、マルチで来ていただいた中で、バイの会議もセッティングもできましたので、非常にそれも有効だったので、マルチとともにバイで、特に問題がある国のセッティングをしていただければと。
さらに、インドネシア、ベトナムなど海賊版が非常にひどい国がありますが、今後それがさらにインド、あるいはミャンマーやカンボジアなどに広がっていく可能性もあります。今すぐというわけではありませんが、参加国の拡大を柔軟に対応いただければというふうに感じた次第です。引き続きよろしくお願いします。
【太田主査】ありがとうございます。もし室長の方からリアクションがございましたらお願いいたします。
【小林国際著作権室長】委員おっしゃったとおりでございまして、公安当局の方が入っていただくことで、非常に具体的な議論であったり質疑になっていたかと思っておりますので、この傾向はしっかり続けていきたいと思います。
また、機動的な運営ができるようなやり方であったりとか、あと対象国の話、どんなふうにお呼びするかというのもございますけれども、やはり海賊版対策に資するという観点で、どういうところにするかよく考えて、また皆様と御議論していきたいと思っております。
【太田主査】ありがとうございます。
その前に坂井委員から御連絡を受けておりまして、坂井委員、お願いします。
【坂井委員】坂井です。先ほどの演奏・伝達権の話になってしまうんですけれども、ちょっと意見を言いたいと思って御連絡しました。
まず、私の認識として、この問題については、まず前提として、今、演奏が使われているのってCDとかCDコピーしたものとか、あるいは有線みたいなものとか、あるいはこれは契約的にいいのかどうか分からないですけど、Spotifyのようなサブスクサービスというものが多くあるというふうに認識をしています。
その上で、基本的には、特に有線であったり、あるいはCDみたいなものについては、今、実演家の方にも印税が支払われているという認識です。恐らくSpotifyみたいなものも、Spotifyからレコード会社に対して原盤権に基づいた使用料というものが支払われていて、その一部が多分、実演家の方に印税というか、ロイヤリティーという形で分配されているんだというふうに認識をしています。
この問題、もちろん権利として実演家の権利というものがあるとは思っていますし、その権利が守られて、それに対する対価というものが払われるのは前提なんですけれども、話を聞いていると、昔はCDとかレコードとかいうものが売れていました。ところが最近、Spotifyみたいなものが出てきて、結果的にそこからレコード会社ももらっているお金も少ないです。レコード会社から実演家の方に渡せる印税みたいなものも少なくなってしまうんですと。なので、じゃ、新たに権利を法律的に担保して、その上で実演家の方の報酬というものを守っていこうというふうに何か聞こえてしまっています。
本来的には、Spotify個別の会社というわけじゃなくて、ストリーミング会社といいますか、そういった事業者からいわゆる市販の原盤に対する使用料というものが、例えば支払われるのが安いとか、そういったようなところが本質的な問題なのであって、権利を明文化することはいいんですけれども、それに対してユーザーに直その権利の対価を求めるというのは、議論としては一足飛んでいるのかな。
本来であれば、例えばSpotify、そういったようなストリーミングサービスが本当は流しちゃいけないような、例えば店舗で流しているんであれば、本当はそこの改善を求めていくべきだし、それに対して、レコード原盤権を持っている会社に対する対価が少ないのであれば、そこをちゃんと見直していくべき、透明化を上げていくべきというような議論な気がしています。
ちょっと私もよく分かっていないんですけれども、そういう印税でのカバレッジというんですか、全体の中でどのくらい印税でカバレッジされているのかというところも全然見えていないですし、そういったところも、実演家の報酬改善という目的というところは評価するんですけれども、それに至るまでの前提というか、そういうところを議論しなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。
今日、発表の中でも、送信可能化権、あの中には当然、レコード演奏・伝達権について入っていないよというようなことありましたけれども、じゃ何でその印税が実演家の方に行っているのかというところも少し疑問に思うところもありますし、その発表の中でも権利を分けてもらうというようなこと、私これ聞き間違いかもしれないんですけれども、そういうことをおっしゃられていたように思います。
権利を分けてもらうというのは、要は、まずは業界内の契約慣行みたいな、そういうところの適正で解決をまずは図ってみて、それで難しいのであれば、その次にユーザーに対して負担をお願いするというのが流れなんじゃないかなというふうに思いました。
ちょっと前提条件とかで間違っていたところもあるかもしれないですけれども、以上です。すいません。ありがとうございます。
【太田主査】ありがとうございます。もしリアクションあれば…。御意見を承ったということにいたしたいと思います。
お待たせしました。楠本委員、お願いします。
【楠本委員】違法対策のほうにコメントしようかなと思って手を挙げていたんですけど、少し坂井委員のほうが戻りましたので、少しだけそちらに対してもコメントさせていただければと思います。
まず、印税のお話出ていますけども、皆さんすぐ印税、印税とおっしゃいますが、音楽を買っていただいて、買っていただいた方が楽しむことについては、利用する方、いわゆる楽しむ方の権利が保障されています。私的利用ということで、その範囲というのもある程度、どちらも、こっちが広い狭いって議論がありながらも保障されている前提があろうかと思います。
我々が今回、演奏権で使用料を求める、あるいは演奏権の創設を求めているのは、1つに、まず、国際的に法律がないのがいよいよ日本だけになったと言っても言い過ぎではない状態ですよというのがまず1つです。
それから2つ目は、音楽を使って心地よい店舗を提供していたりですとか、音楽を業務で、先ほど演劇でというお話もあったかと思います。利用されているのに、それは印税がどうのこうのとかという話とは全く関係ないのかなというふうに我々は思いますし、印税ってそういう話ではないのかなと。レコーディングをして、音楽を作り上げる、原盤を作り上げるときに、演奏した方、歌を歌唱された方、作詞をされた方、作曲をされた方、そういった方々の権利を契約で作り上げて、どういったときにどのような分配がされていくのかというのが印税のお話でありますので、二次利用ですとか三次利用、四次利用、どんどんいろんな音楽の利用のされ方が進んでまいります。そこが印税と結びつくのがなかなか難しいところかなというふうに思います。
それで、ちょっとここで先ほどの違法対策のほうもせっかく国際室長の小林さんからお話ありましたので、我々のほうもまずお礼を申し上げます。特にアジア諸国の皆さんとお話ができる機会を本当に久しぶりに設けていただけたんじゃないかなと思っています。
研修生の方が毎年いらっしゃる機会は重々承知しているんですが、なかなか、いわゆる国内でいえば課長クラスの方、海外でいえば局長クラスの方との交流というのは非常に有意義であったかなと思います。
インターネットが出来上がった頃、私なんかは中国のインターネットサイト全部回って、違法対策やっていた時代からすると、こんなに行政の皆さんがお金と場所を提供してくださるようになったんだなと思うのは、非常に年取ったんだなというふうに思っています。自分でインドネシアに行ったり、マレーシアに行ったりして、先方のDGIPさんですとか知財当局さんとお話ししていた時代が懐かしいです。前回、久しぶりにそちらの方々とお話しする機会もありましたので、非常にここは感謝申し上げます。
なぜこんな話をしたかといいますと、前もちょっと触れましたが、現在、国境を越えた犯罪者をどこまで追えるのかというのでトライアルをしている国々がこの中にも幾つか入っております。実際、そちらの当局の皆さんとお話が直接できるというのは非常に貴重なタイミングでございましたので、ぜひ、1回、2回と言わず、何回でもこれは続けていっていただきたいなと思いますし、そういった、今トライアルと私申し上げましたが、1つの業界がやるには非常に苦しい取組です。
先ほど漫画の皆さんとかアニメの皆さんも、福井先生がおっしゃっていたと思いますが、500億の訴訟を国内でやったらそれだけのお金がかかりますというようなことでしたが、国外はもっとですので、ぜひそういったところにもこうやって目を向けていただける機会が出てきたということに関して、まずは感謝申し上げますし、引き続きよろしくお願いしたいと思います。以上です。
【太田主査】よろしくお願いいたします。榧野委員、どうぞ。
【榧野委員】実演家の権利について御発言がありましたので、一応御説明をさせていただきますと、御案内のとおり、レコードの原盤を作るときに、契約でいわゆるフィーチャードアーティストというメインになるようなアーティストの方は、レコード会社と契約をして、権利を移転する代わりに、一定の割合のいわゆる印税といったものを頂けるような契約をされている。ノンフィーチャードアーティストの方は大抵は買い切りということになっているというような商慣行があります。これまでのようにレコードがそのまま売れてとか、そのままアーティストに印税が支払われる使われてというのではなくて、今はSpotifyのような配信事業者からレコード会社に使用料等が支払われて、そこからアーティストに印税が支払われるというところで、以前よりも少ない金額になってきてしまっているというのは事実だとは思います。
ただ、そのことと今回のレコード演奏・伝達権というのは全く別の話でして、本来条約に基づき守られるべきだったところに権利を創設していただくという話で、ここでお金が取れないから、ここでもらうという、そういう話ではないということを御理解いただければと思います。以上です。
【太田主査】ありがとうございます。御意見承りました。正親町委員、どうぞ。
【正親町委員】経団連の正親町です。話戻ってしまって恐縮ですけれども、資料3の海賊版対策についてです。今回、政府の取組状況について詳細御報告いただきましてありがとうございました。福井先生や伊東先生、楠本先生の話を聞いて、当事者の方も非常に有意義だったという感想を述べられていて、知ることができてよかったなと思います。
経団連でも10月に「コンテンツ産業支援施策の拡充に向けた緊急メッセージ」を公表したんですけれども、その中でも必要な施策として、第1番目に海賊版対策を挙げております。各国政府との連携を深めていただくことは、先ほど複数の委員から御発言ありましたとおり非常に重要だと考えておりますし、今回御報告いただいたコンソーシアムですとか2国間協議の取組を経団連としても歓迎しております。
コンソーシアムについては、3年度間の実施予定とお話いただきましたけれども、内容を充実させながら継続いただくことで、実効性をぜひ高めていただければと思います。またこのような報告の機会いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
【太田主査】よろしくお願いいたします。確かに3年間はあっという間ですから、これは永遠に続く必要があるかもしれない。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。ありがとうございました。
ないようですので、それでは、本日の議事は以上で全て終了いたしました。ほかに特段何かございませんようでしたら、本日はここまでとしたいと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。本日はありがとうございました。
次回以降の政策小委員会は改めて事務局で調整の上、日程をお知らせいたします。今後もどうぞよろしくお願いいたします。以上です。
【太田主査】ありがとうございます。
それでは、以上をもちまして、文化審議会著作権分科会政策小委員会第3回を終了といたします。本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――
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