障害者文化芸術活動推進会議(第1回)議事要旨 P1 日時:平成30年8月8日(水)14:00〜14:30 場所:文部科学省5階 5F5会議室 出席者: 山谷外務省大臣官房文化交流・海外広報課長 塩見文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官 藤原文化庁文化部長 橋本厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 三牧経済産業省商務・サービスグループクールジャパン政策課長 小林国土交通省住宅局審議官 オブザーバー: 内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アクション&レ ガシー課 議題: (1)障害者文化芸術活動推進会議の設置について (2)「障害者文化芸術活動推進法」の概要について (3)障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画の策定に向けた検討に ついて (4)その他 概要: ○冒頭,藤原文化部長及び橋本障害保健福祉部長より以下のとおり挨拶を行った。 【藤原文化部長】 皆様御承知のとおり,先の国会で「障害者による文化芸術活動の 推進に関する法律」が成立した。この法律は,文化芸術基本法及び障害者基本法の基 本的な理念にのっとり,障害者による文化芸術活動の推進に関し,基本計画の策定な どにより,多岐にわたる関連施策を総合的かつ計画的に推進していこうとするもので ある。本法律に基づき,基本計画を策定することが求められている中で,障害者文化 芸術活動推進会議を開催させていただき,関係省庁の皆様方には,この趣旨を踏まえ, 会議への御協力をよろしくお願いしたい。 P2 また,これまで文化庁においては,障害者の優れた文化芸術活動の国内外での公 演・展示の実施や,映画作品のバリアフリー字幕や音声ガイド制作への支援等,障害 者の文化芸術活動の充実に向けた支援に取り組んできたところであるが,本法律の制 定を踏まえて,更に一層取組を充実していく必要があると考えている。関係省庁の皆 様においても,来年度の概算要求の取りまとめ,今後の取組の推進などお力添えをい ただき,計画の策定についても御協力をお願いしたい。 【橋本障害保健福祉部長】 法律の制定を受け,これから基本計画の策定が始まるわ けだが,是非とも皆様と協力していきたいと思っている。これまで厚生労働省では障 害者の自立支援と社会参加を促進するという観点から障害者芸術を支援してきた。こ れまでおこなってきた事業の関係者から話を伺うと,文化芸術活動を通じて障害のあ る方の自己表現の幅が広がる,周囲の方々とのコミュニケーションが進む,自己肯定 感が向上する,ご家族の考え方が前向きに変わる,地域における障害への理解が深ま る等様々な効果があるという声がある。また,地域における障害のある方々の文化芸 術活動について,福祉と芸術の分野のみならず,教育,産業,まちづくり,国際交流 など様々な分野での連携が重要だと考えている。したがって,本日集まった関係省庁 の皆様方においては,障害のある方々の文化芸術活動における様々な取り組みが行わ れていると思うので,この推進会議を通じて,更なる連携,協力を図り,一層こうい った活動が推進されるように取り組んでいければと思う。 ○続いて,各出席者より以下のとおり自己紹介があった。 【山谷文化交流・海外広報課長】 外務省の障害者芸術の取り組みとしては,海外で 行われる障害者芸術の展示などについて在外公館などと連携している。昨年はフラン スのナントでアールブリュットの展示,公演などを行い,大使館などとも連携した。 また,本年9月,アメリカのミシガン州にてアールブリュット展の際には総領事館と レセプションを一緒に行うなどの連携をしている。また,本年7月からフランスにお いてジャポニスム2018という大規模な日本を発信する事業を行っている。このジャポ ニスムの特別企画として障害者の文化芸術国際交流事業である2018ジャポン・フラン スプロジェクトを文化庁とも連携し,障害者の優れた芸術をパリから世界に発信して いる。また,国際交流基金では,来年2月にパリ公演の実施に向けて動いている。 【塩見生涯学習総括官】 文科省においても,障害のある方々が自立した社会参画を 果たしていく,あるいは,生涯を豊かで充実したものにするという観点から,生涯を P3 通じた生涯学習を推進していくことが一層重要であると考えている。今回のこの会議 で取り扱う障害者の文化芸術の推進という観点も,生涯学習の取り組みと非常に重な るところが多いと考えており,有益な知見をいただき,政策に活かしていきたいと考 えている。 【三牧クールジャパン政策課長】 経済産業省としても障害者の方々の文化芸術活動 の推進に関して,環境整備を企業に促したり,販路開拓支援といった観点で支援させ ていただければと思っている。 【小林審議官】 国土交通省では,文化芸術活動に特化しているわけではないが,障 害者の方が日々お使いになるような建築物や交通施設のバリアフリー化を進めてきた。 平成6年にハートビル法を制定し,平成12年には交通バリアフリー法を制定した。平 成18年には,それらを一体化して,バリアフリー法を制定し,省全体としてバリアフ リーに努めてきた。今回の法律を機に更にどのような協力ができるか,引き続き皆様 と一緒に施策を進めていきたいと思っている。 【内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局】 オリンピック・パ ラリンピックまであと2年を切り,大会に向けて準備を進めているが,中でも文化の 発信というのは,オリンピック・パラリンピックの重要なテーマであり,力を入れて いる。幅広く全国の方々に文化の取り組みを進めていただきたく,beyond2020プログ ラムの認証を進め,現在約6,500件の案件を認証している。日本の持つ幅広い文化の発 信に加え,バリアフリー対応など,共生社会の実現に向けた取組を進めている事業に ついて認証するものである。そういう観点から文化と共生社会,バリアフリー,障害 者対応などを進めていく上で貢献できればと思っている。障害者芸術についても, beyond2020プログラムにおける多様な文化の一つとして,80件を超える案件を認証し ており,こういった観点からもお役に立てればと思っている。 【公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アクション& レガシー課】 オリンピックは文化の祭典とも言われているとおり,大会組織委員会 においても文化プログラムを推進している。組織委員会においては文化オリンピアー ドという障害者の文化芸術活動を含めた文化プログラムの認証,実施に取り組んでお ります。東京2020ニッポンフェスティバルという文化フェスティバルを計画しており, その中で組織委員会の文化プログラムをいくつか準備している。その中の一つとして, オリンピックとパラリンピックの移行期間において,障害者の芸術に関連したプログ P4 ラムを計画しております。本日お集まりいただいている構成員の皆様と連携しながら この計画を進めていきたいと考えている。 ○議題1から議題3について資料1から資料4を基に,文化庁から説明を行った。 ○次回以降の開催日程については,有識者会議における議論結果を受けて,12月から1 月あたりを予定している旨,また,8月中に,平成31年度概算要求状況のフォローアッ プのための調査を行うとともに,9月に開催予定の「障害者文化芸術活動推進有識者会議」 において,関係省庁における取組状況について発表を行っていただきたいと考えている旨 を文化庁から説明した。 ○以上の説明に対し構成員からの異議はなく,資料1は同日付の関係省庁申合せとするこ とについて了承された。また,資料3,資料4についても了承され,議事は終了した。