(1ページ目) 文部科学省・厚生労働省 文化芸術による共生社会の実現を目指して 「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画(第2期)」のご紹介 障害者による文化芸術活動の推進に関する法律 平成30(2018)年、文化芸術活動を通じて、障害のある人の個性と能力の発揮や社会参加の促進を図ることを目指した、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」(障害者文化芸術推進法)が成立しました。 法律 どんな内容なの? この法律では、障害のある人による文化芸術活動の推進に関する基本理念や、実現するための基本的施策の方向性について定めています。 計画 【計画期間】令和5(2023)年度〜令和9(2027)年度までの5年間 障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画 文部科学省・厚生労働省は、令和5 (2023)年3月、障害者文化芸術推進法に基づき、関係する施策を総合的・計画的に進めるため、第2期の「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画」(基本計画)を定めました。 ポイント この計画は、文化芸術基本計画や障害者基本計画の基本理念や方針を踏まえて作成しています。 ※1 基本計画の実現に向けた取組を進めることは、合理的配慮の提供を義務づける改正障害者差別解消法や障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の趣旨にも合うものです。 この資料では、 第2期基本計画の主なポイントについてご紹介します。 (2ページ目) 障害のある人もない人も共に楽しめるように 障害者による文化芸術活動の推進に関する意義と課題 本来、文化芸術活動では、障害の有無にかかわりなく、誰もが対等に享受・創造する権利をもっています。しかし、現状では障壁(バリア)や制限、それによる負担も生じているため、これらを解消し、障害のある人とない人が共に参加し、楽しめるようにするための具体的な対応が必要となっています。 障害のある人による文化芸術活動の推進は、現在生じている文化芸術活動への参加や創造での物理的・心理的障壁を取り除き、誰もが多様な選択肢を持ち得る社会を構築するためのものです。 さらには、文化芸術活動全体の推進や向上に貢献し、我が国に新しい価値の提案をもたらすと同時に、共生社会の実現に寄与するものです。 3つの基本方針 基本計画では、障害者文化芸術推進法に定める3つの基本理念を基本方針として具体化しています。 1 障害のある人による文化芸術活動 幅広い促進 芸術家を目指す人から日常の楽しみとして行う人まで、障害のある人が誰でも、地域の様々な場で幼少期から生涯にわたり、多様な文化芸術活動に全国どこでも参加できることが重要です。 2 障害のある人による芸術上価値が高い作品等の創造に対する支援の強化 新たな価値観や文化の創造に寄与する作品・活動も多く生まれています。文化芸術がもつ多様な価値を幅広く考え、その評価のあり方を固定せずに議論を続けていくことが必要です。 3 地域での、障害のある人の作品等の発表、交流の促進による、心豊かに暮らすことのできる住みよい地域社会の実現 地域の様々な領域で、多様な方々が円滑に活動できる環境や関係者が連携する体制を整えることが重要です。地域に新たな活力を生み出し、障害への理解を深め、障害の有無にかかわらず誰もがお互いの価値を認め、尊重し合う地域共生社会を築いていくことが必要です。 (3ページ目) 第2期の基本計画期間で目指す姿 ・第1期の計画期間(令和元(2019)年度から4(2022)年度)では、障害のある人による文化芸術活動は、東京オリンピック・パラリンピックの開催や、多様な方々の積極的な参画により、各地域で様々な形で広がりを見せました。 ・一方、計画期間の後半では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、文化芸術を鑑賞した障害のある人の割合が減少するなど、大きな影響を受けました。 ・第2期の計画期間(令和5(2023)年度から9(2027)年度)では、東京オリンピック・パラリンピックのレガシーを受け継ぎ、2025年の大阪・関西万博やその後のさらなる発展も見通して取組を推進します。 ・第2期の基本計画では、基本的な方針を踏まえ、合理的配慮の提供※2とそのための情報保障や環境整備に留意しつつ、活動の裾野を広げ、地域での基盤づくりを進める観点から、3つの「目指す姿」を設定しました。 ※2 合理的配慮の提供とは? 事業者や行政機関等に、障害のある人から、社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために何らかの対応が求められたときに、負担が重すぎない範囲で対応を行うことです。 目指す姿 1 障害のある人による幅広い文化芸術活動のさらなる促進や展開 障害のある人による文化芸術活動の裾野をさらに広げるとともに、障害のある人が活動しやすい環境づくりを進めることにより、活動状況のさらなる向上を目指します。 目指す姿 2 文化施設・福祉施設等をはじめとした関係団体・機関等の連携等による、障害のある人が文化芸術に親しみ、参加する機会等の充実 障害者文化芸術推進法や基本計画の周知に取り組みます。また、人材 確保やノウハウの共有等に課題を抱える施設等の、関係団体・機関等との連携による取組を推進します。 目指す姿3 地域での障害のある人による 文化芸術活動の推進体制の構築 地域での推進体制づくりを目指し、地方公共団体での、障害のある人による文化芸術活動の推進に関する計画等の策定や、障害者文化芸術活動支援センターのさらなる設置の促進等を図ります。 (4ページ目) 11の基本的施策 障害者文化芸術推進法に定められた鑑賞・創造・発表等の11の基本的施策について、施策間の連携を取りながら、総合的・複合的に施策を推進します。 1 鑑賞の機会の拡大 2 創造の機会の拡大 3 作品等の発表の機会の確保 4 芸術上価値が高い作品等の評価等 5 権利保護の推進 6 芸術上価値が高い作品等の販売等の支援 7 文化芸術活動を通じた交流の促進 8 相談体制の整備等 9 人材の育成等 10 情報の収集等 11 関係者の連携協力 今後に向けて ●文化芸術へのアクセシビリティの向上やバリアフリー化が進むことで、文化と福祉等の枠組みを越えて、障害の有無にかかわらず、多様な考え方や価値観、背景を持った人々の交流が活発になります。また、社会や文化芸術活動全体に新たな視点や活力がもたらされます。 ●このように、障害のある人による文化芸術活動の推進はまさに未来への投資といえます。 ●すべての国民が相互に尊重し合いながら共生する、誰一人孤立させない豊かな社会の実現につながるものであることを意識しながら、基本計画に定める目的の達成に向けて、関係省庁が連携して取り組んでいきます。 手話・音声・字幕付き計画概要版の動画はこちら→(QRコード) 計画概要版のテキストデータはこちら→(QRコード)