“わざ”継承者による特別講義
和食・京料理 編
食文化を支える料理人等が持つ無形の“わざ” 。私たちが体験する“美味しい”感動は、
歴史の中で磨かれ、受け継がれていく“わざ”によって生み出されます。
11月24日、学校法人 大和学園 京都調理師専門学校にて、“わざ”継承者による特別講義
「京の匠に学ぶ伝統料理講座〜鯖姿寿司と二十四節気の味わい〜」が開催されました。
「京料理 鳥米 」6代目当主・田中良典さんと、「いづう」8代目当主・佐々木勝悟さんを講師として招き、
京都の味を受け継ぐ“わざ”と心を学ぶ、 貴重な機会となった特別講義。
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「料理は五感の総合芸術」とし、「味覚は育てることができる。 “美味しい記憶”は生涯の宝物」と語る、京料理 鳥米 ・田中良典さん。日本料理の郷土料理の一つである京料理に必要なスキルは、「食材(どの様な特徴を持っているのか)・歴史・調理・目利き」の4つとし、「“わざ”というと包丁技術などのテクニックのイメージが強いと思いますが、“わざ”とは手段であり、目的意識がお客様を感動させる」と強調しました。
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講義ではこれらのポイントを解説しながら「鶏料理屋の鴨ロース」を実技で披露。お客様にしっかりと口に含んで旨みを感じてもらうために、分厚く切っても食べやすいよう柔らかい仕上がりに。 前菜として、旬の栗を添え、「食べ進んでいくうちに『あれも食べたい、これも食べたい』と感じてもらえるように、食感や味わいの違いを意識しています」と話します 。
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いづう・佐々木勝悟さんは、創業当時(1781年)から愛され 歴史のある 「鯖姿寿司」の“わざ”のポイントを実演しながらレクチャー。福井県から京都まで安全に運ぶため、鯖の内臓を取り除き塩を詰める先人の知恵から、京都に着いた際に良い塩加減になるという“塩梅(あんばい)”の由来ついても紹介。お祭りなどの行事でお母さんたちが近所に配るという文化も、京都に鯖寿司を根付かせたそう。
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「京都の鯖寿司は、魚の旨みを引き出す調理法です」と、脂の乗った秋鯖の効果的な酢締めの手法や、さらし一枚で寿司を握る見事な“わざ”を披露しながら 、「氷の水分で魚が保湿されるため、いづうでは今も氷の冷蔵庫を使っています」と昔ながらの やり方が根付いていると語る佐々木さん。江戸初期の古伊万里に載せ、「鯖寿司に色が無いので、器で華やかに」と、見た目の大切さも伝えます。
技術的な“わざ”のみならず、お客様を楽しませるという姿勢も大切であることを学ぶことができた この日の講義。熱心にメモをとり、実技をスマートフォンで撮影しながら、しっかりとお話を聞いていた受講者たちの姿が印象的でした。
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