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手揉み製茶 編

手揉み製茶 編

 食文化を支える無形の“わざ”。私たちが体験する“美味しい”感動は、歴史の中で磨かれ、 受け継がれていく“わざ”によって生み出されます。  12月12日、京都府宇治市にて「手揉み製茶」についての食文化“わざ”継承プログラムが開催されました。

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     この日、手揉み製茶を教えていただいたのは、「宇治茶製法技術保存協会」の𠮷田修平さん。5月に摘んで蒸したのち、冷凍保存してあった新茶の茶葉を、焙炉(ほいろ)と呼ばれる台に広げ、まずは上下に動かしながら、蒸し工程後に付着した水滴を取る「露取り」を行っていきます。この焙炉は、下から温める際に現在はガスを使用していますが、もともとは木炭が使われていたそうです。

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     その後は「横まくり」という工程に移り、茶葉を転がしていきます。これは、細胞壁を壊してお茶の成分が浸出しやすい状態にするための最初の工程です。現在ではほとんどが機械で行われていますが、「手揉みだと香りが違います」と𠮷田さん。会場にはお茶の良い香りが広がり、参加者からは感動の声が漏れます。
     手揉み製茶には約10の工程があり、その多くは水分量を減らすためのものです。𠮷田さんのお手本を見ると、どの工程も一見簡単そうに思えますが、実際に体験してみると、その難しさに驚かされます。力加減や手の動き、わずかな感覚の違いが仕上がりを左右し、長年の経験に裏打ちされた“わざ”の奥深さを実感します。

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     京都の伝統的な手揉み製茶の特徴の一つといえるのが、「板ずり」です。これは、味を重視する京都ならではの工程なのだとか。茶葉を板に付け、両手で葉を揃えながら、上下に摩擦していきます。前半までに十分な揉み込みを行い、水分量を適切に調整することで、「板ずり」はうまくできるとのこと。一つ一つの工程に意味があることを教えられます。

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     約6時間にわたり立ったままで続く手揉み製茶を通して、一杯のお茶が完成するまでの一つ一つの工程の大変さと、“わざ”の価値を実感する体験となった本日の継承プログラム。最初はふわふわとしていた生葉が、工程を重ねるごとに少しずつ「お茶」の姿へと変わっていく――その変化を楽しみながら、参加者たちは一つ一つの工程に真剣な表情で向き合っていました。𠮷田さんも「皆さん、初めてとは思えないほど手際が良く、こちらが驚かされました」と笑顔で語ります。受け継がれてきた“わざ”に触れ、その難しさと奥深さを体感したからこそ生まれた、確かな手応えが感じられる一日となりました。