【アフレコ】ワンポイントレッスン～大洗方言編～
台本に見られる大洗方言の特徴には，次のような点が挙げられます。
① 語頭以外のカ行・タ行が，ガ行・ダ行の濁音に
○○カ，○○キ，○○ク，○○ケ，○○コ ⇒ ○○ガ，○○ギ，○○グ，○○ゲ，○○ゴ
○○タ，○○チ，○○ツ，○○テ，○○ト ⇒ ○○ダ，○○ヂ，○○ヅ，○○デ，○○ド
例
| （台詞
番号４） |
いじがやけるなー |
⇒ いじがやげんなー |
| （台詞番号７） |
起きられなかった |
⇒ 起ぎられながった |
| （台詞番号３７） |
気（を）つけて |
⇒ 気ーづげで |
②母音「アイ」が，一続きのエ段音の母音に変わることが多い
例
| （
台詞
番号６） |
見たい |
⇒ 見てー |
| （台詞番号２３） |
メニューにない |
⇒ メニューにねー |
| （台詞番号２７） |
いがい |
⇒ いげー |
③「ヒ」が「シ」に近い音に
例
| （
台詞
番号６） |
日の出（ひので） |
⇒ しので |
| 〔台詞以外の例〕 |
低い（ひくい） |
⇒ しくい |
④動物や虫などの生き物の名前のあとに「メ」を付ける
例
| （
台詞
番号19） |
イカ |
⇒ イガメ |
| 〔台詞以外の例〕 |
猫（ねこ） |
⇒ ねこメ |
| 蚊（か） |
⇒ かんメ |
⑤意志や推量などの助動詞「ぺ・ぺー」または「べ・ベー」を使用（動詞によっては「ぺ（ー）」も「べ（ー）」も下接する場合がある。また，「ぺ（ー）」が下接する場合、語の活用語尾が促音になったり促音が挿入されたりする）
例
| （
台詞
番号１４） |
⇒ 港さ行ぐべー |
| （台詞番号１７） |
⇒ 何にしんべが |
| （台詞番号１９） |
⇒ 焼いてくれんだっぺ。おれ、
きーめたイガメにしっぺ |
| （台詞番号２６） |
⇒ いがっぺよー |
| （台詞番号３２） |
⇒ がんばっぺー |
⑥文の終わりに「よー」を付けることが多い。特に、「ぺ（ー）・べ（ー）」の後には付けることが多い
例
| （
台詞
番号１１） |
⇒ でもよー |
| （台詞番号３５） |
⇒ だいじょーぶがよー |
| （台詞番号６） |
⇒ 言ってだっぺよー |
| （台詞番号１５） |
⇒ 行ぐべよー |
⑦疑問の「けー（げー）」を使用
例
| （
台詞
番号１１） |
⇒ 元気けー |
| （台詞番号１６） |
⇒ 飯げー |
| （台詞番号２８） |
⇒ おもしかったげー |
⑧ていねいな命令に「（くん）にゃ」を使うことがある。
例
| （
台詞
番号２０） |
⇒ 好きにしてくんにゃ |
| （台詞番号３７） |
⇒ 気ーづげで帰ーんにゃー |
⑨助詞「に」の代わりに「さ」を使うことがある。
例
（
台詞
番号１４） |
港に（行こう） |
⇒ 港さ（行ぐべー） |
| 〔台詞以外の例〕 |
沖に（出る） |
⇒ 沖さ（出る） |
言葉によって、高く発音する部分と低く発音する部分が決まっていない「無アクセン ト」なので，音が高くなるところと低くなるところに特に注意しましょう。
＜例＞「アメ（雨）」と「アメ（飴）」，「ハシ（箸）」と「ハシ（橋）」はアクセントの区別がありません。
文末を尻上がりに、文末以外は平らに発音することが多い（抑揚の少ない尻上がりイ
ントネーション）ので，音が高くなるところと低くなるところに特に注意しましょう。
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