国語施策・日本語教育

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次第 木内提案について

古賀副会長

 この問題については,委員の中には,大臣の諮問事項外のことではないかという見解のかたもあろうと思うが,木内委員としては,やはりなんらかの形で諮問事項と関連があるという考えのもとに提案されていることでもあり,また,国語審議会としても,諮問外のことも建議してさしつかえないことでもあるから,その取り扱いについてはあまり窮屈に考えないでいただきたいと思う。なお,前回の総会の申し合わせんに従って,先日,木内委員から意見を聞くための漢字,かな両部会の合同会議を開いたが,この問題を合同会議において取り扱うのは必ずしも適当でないとの意見が強く,またそのとき,木内委員のいおうとする事がらに明確さを欠く点があり,それにこういう点が問題ではなかろうかというような疑問の形式で意見が述べられているが,むしろこうあるべきだという木内委員自身の考えをはっきり述べてもらいたいという意見が出た。そこで,あらためて,本日の総会で木内委員からご意見を承ろうというしだいである。

木内委員

 いま副会長のいわれたとおり,前回の総会の了承を得て,先日漢字・かな両部会の合同会議において,わたしの提案事項について審議を願った。そのとき,もっと明確な提案理由と,提案事項に対する提案者自身の考えをはっきり述べてはどうかということであったので,本日その点を印刷物にして,みなさんにお目にかけるしだいである。これについては,この席上で短時間で議論をしても意味がないので,できればこの夏休み中に各委員が,この提案事項に対するお考えを書面にまとめて,9月になってからでもご提出いただければ幸いである。わたしは,これらの回答が得られれば,第8期国語審議会がどういう答申を出すべきかということが,おのずから出てくると考えている。(木内委員提案1「戦後の国語施策の根本理念を再吟味するための提案」,2「提案理由」,3「私の意見」を国語課長が朗読。)

細川委員

 木内提案を拝見して,わたしはこれに対する自分の意見を文書にするまでのことはないと感じた。たとえば,提案事項の一つに漢字かなまじり文うんぬんといわれているが,現在,国語審議会では漢字かなまじり文を前提に審議していることでもあり,それがいけないという人はいないのであるから,漢字かなまじり文の本質論は,あまり議論にならないと思われる。それに,漢字かなまじり文の世界的な評価となると,われわれの審議の手におえない問題であり,賛成しかねる。ただ木内委員は,戦後の国語施策はすべてまちがっていたというのではなく,旧来の固ろうを打ち破ったという功績も認めておられるので,以上の2,3の点を除いては,わたしも木内委員の考え方には基本的に賛成するものである。

古賀副会長

 ただいまの木内提案については,木内委員としては,みなさんがたのご意見を9月中ごろまでに書面でいただきたいということである。わたしからぜひにとお願いするわけにもいかないが,せっかくの木内委員のご希望に添うようにご協力を,わたくしからもお願いしたい。次の協議にはいるまえに蒲生前文化局長の退任あいさつがある。

蒲生文化局長

 わたしは,7月21日付けをもって文化省を退職し,国立教育会館に勤務することになった。在任中は公私ともにお世話になり,厚くお礼申しあげる。国語審議会の今後のご活躍を期待します。

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