国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第11期国語審議会 > 第81回総会 > 次第

次第 文部大臣あいさつ

福島会長

 それでは,これから稲葉文部大臣のごあいさつがある。

稲葉文部大臣

 本日,国語審議会の総会を開催するにあたり,一言ごあいさつを申し上げます。選挙の応援のため声を痛めておりましてまことに申し訳ありません。お断り申し上げておきますけれども,時節がら,このごあいさつを申し上げまして退席をさせていただきますので,あらかじめ御勘弁をお願いいたします。
 このたび,国語審議会委員をお願いしましたところ,各界の枢要な立場においでになる各位におかれましては,きわめて御多忙にあらせられるにもかかわらず,快くお引き受けくださいました。まことにありがたく,ここに深く感謝申し上げるしだいでございます。
 国語審議会はその歴史も古く,わが国の国語問題の解決を図るために終始なみなみならぬ御努力をはらってこられ,今日まで幾多の貴重な答申や建議あるいは報告をいただいてきました。
 いうまでももなく国語は,われわれ日本人としての人間形成に欠くことのできないものであり,学校教育上,またわれわれの社会生活各般に深いかかわりあいをもつものであります。さらに歴史的,伝統的なものであるとともに,国民の思想,文化の発展および社会の向上進展の基盤をなすものであります。
 国語審議会は,このように,われわれ個人にとっても社会にとっても重大な関係を有する国語問題の解決を図るための施策の樹立をその使命としております。
 戦後,わが国の国語施策は,昭和21年以来,国語審議会の答申,建議を受けて,政府が公布した一連の内閣告示・訓令によって行われてきましたが,その実施の経過の中でさまざまな論議や批判を生んでまいりました。そこで昭和41年6月,これからの国語施策の方針を定めるため,国語審議会に対して「国語施策の改善の具体策について」という諮問を申し上げました。
 国語審議会は,この諮問にこたえるため,熱心かつ慎重な御審議を尽くされ,諮問の再検討すべき問題点として掲げたもののうち,当用漢字の音訓および送りがなのつけ方について,本年6月その改善策を御答申いただきました。この答申におきましては,従来の施策の統制的制限的色彩をを改め,現代の国語を書き表す場合の目安またはよりどころとするなどの根本的方針を示されたのであります。答申にいたるまでの御努力に対してここに深く敬意を表すものであります。
 国語問題の審議には,言い尽くせない困難さがあることをじゅうぶん承知しておりますが,すでに申し上げたとおり,国語は国民のものであり,わが国の文化を支えているものであります。その変遷,進歩に門を閉ざす必要は毛頭ありませんが,ことばの乱れは世の乱れとして,国民もまた国語審議会の審議に強い関心と期待を寄せていることと思います。
 どうか委員各位の高い識見と国語問題に対する御熱意によって,よりよい国語施策の樹立に御尽力くださるようお願いするしだいであります。
 どうか皆さん,なごやかに気楽に,しかし真剣に自由に御意見の御開陳をお願いしとう存じます。
 以上をもちましてごあいさつといたします。どうもありがとうございました。

トップページへ

ページトップへ