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次第 学術審議会学術用語分科会からの連絡について

福島会長

 引き続き4番の「学術審議会学術用語分科会からの連絡について」という議題に移りたい。 
 まず当局の説明をお願いする。

石田国語課長

 文部省の学術審議会の学術用語分科会長からの国語審議会会長あてに,「歯学の用語の審査案が完成したので近く答申したい。ついてはその答申に先立って,国語審議会に御連絡する。」という文書がきている。
 この学術審議会及び学術用語分科会の目的・所掌事務については,お手もとの資料にあるとおりであるが,学術用語分科会は「学術用語の制定,普及に関する事項」を担当し,学術用語の標準化について審議をされている。この学術用語分科会の運営規則の第11条に「分科会長は,審査案が提出されたときは,そのつど国語審議会に連絡する。」という規定がある。
 審査案というのは,最終的な答申の原案に相当するものであるが,この規定に基づいて歯学用語に関する連絡がきたわけである。今回の歯学関係の用語は,全体が60ページぐらいの冊子になっている分厚いものであり,全体で531の歯学関係の用語についての案が出ているが,配布資料としては,その初めの15ページあたりまで抜粋してある。
 この案は,歯学用語の独自の立場から長年にわたって専門委員会を設けて検討したものである。内容については御覧いただきたいが,最後のところに示されているように,当用漢字表1,850字の中に入っていない字も必要に応じて64字使っているものである。なお,内容について御質問があれば,大学学術局及び学術審議会の関係者が出席しているので説明を申し上げることができる。

福島会長

 この関係のことについては,文部省大学学術局の担当官及び学術審議会の担当の方々の御出席をいただいているので,御質問に応じて更に詳細な御説明をいただくことも可能かと思う。なお,本日は学術用語を含む「専用用語について」という議題で後ほど御審議をいただくことになるので,このことをお含みおきいただきたい。ただ今説明のあった歯学関係の用語について何か御質問はないか。なお本日の会議には学術審議会の松井幹事がおいでになっているので,事務当局の説明を補足していただければ幸いである。

松井幹事

 この歯学用語については十数年かけて検討してきたものである。歯学といっても現在講座が多数あり,各大学の基礎,臨床それぞれの教授がいろいろな意見を出してくるので,これまで審議に十数年を要したものであり,この際,一応取りまとめて次の段階に進まなければならない状態になった。このようなわけで,一応のまとまりを見たものである。

福島会長

 国語審議会としては,別に学術審議会が十数年御苦労になってここまできたということに異議を申し上げる結果にはなるまいと思うが,国語審議会としてこれを了承して我々の方の審議を今後進めていくに当たって,更に特に御説明をいただいておく点がないか。

松井幹事

 歯学用語の中に「口腔衛生」とか「口腔外科」という用語があるが,この「腔」という字は普通「コウ」と読むが,「クウ」という読み方はないとおっしゃると思う。しかし,そく聞するところによると,医学の方面ではやはり「腔」は「クウ」と読んでいる。したがって,できるならこういう字などは,横車かもしれないが,お認めいただけないだろうかと思う。
 それから「歯牙(が)」の「牙」という字であるが,この「牙」もそう難しい字ではないので,これもお認めいただけないかと思う。
 このように,例えば「歯牙」のような熟語などについては特にお願いしたい。

福島会長

 後ほど,「専門用語について」その取扱いをどうするか審議していただくことになるが,その際,ただ今の学術用語分科会からの御連絡の取扱いについて適当な御返事を申しあげるように相談したいと思う。

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