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次第 庶務報告/前回の議事要旨の確認/前回総会以後の経過報告

福島会長

 第88回国語審議会総会を開会する。
 初めに事務当局から庶務報告がある。

石田国語課長

 昭和49年度の予算のうち,国語施策に関する海外調査の予算――具体的には中国の文字改革を調査するという予算を103万3千円,新しく確保した。
 この調査については,昨年の7月2日に開かれた運営委員会において,話題として出た。すなわち,中国では,御存じのように,文字改革ということで,簡化字あるいは簡体字といわれているものを作って普及することが進められている。その様子を漢字表あるいは字体表の検討の参考とするために調査してくる必要があるのではないか,ということである。これを受け,昭和49年度の予算に,その予算を要求した結果,103万3千円,新規計上された。積算の内訳は,調査人員2名,15日間である。
 具体的に,どのような事項について,どのように調査をしてくるか,あるいは実際に実行上どれくらいの人数の者が行くかというようなことについては,適当な時期に運営委員会等に御相談申し上げたいと思っている。

福島会長

 中国行きの旅費が確保されたという話であるが,新年度予算であるから,4月から先ということになる。また,調査といっても,いろいろ具体的な検討も必要であろう。いずれ御相談申し上げることになると思う。
 次は,前回の議事要旨の確認であるが,前もってお届けしてあり,御覧いただいたことと思う。また,お手もとの黒表紙の本の終わりの方に白い付せんを付けてとじてある。御自身の発言につき,修正を要するところがあったら,お知らせ願いたい。特に異議はないか。(発言なし。)では,前回の議事要旨を確認したこととする。
 次の議題は,前回総会以後の経過報告である。
 前回の総会(11月26日)の議では,漢字表委員会を設置すること,そして漢字表委員会への参加希望を照会した上で運営委員会に諮ることであった。そこで,第3回運営委員会を12月12日に開催して漢字表委員会の構成を検討し,12月18日付けの「国語審議会漢字表委員会の所属委員について」という文書でお知らせした。本日も資料として,漢字表委員会の委員名簿はお手もとに差し上げてある。
 このほか漢字表委員会の運営方式について協議した。運営の原則,骨子については,前回の総会で御検討いだたき,これに基づいて運営委員会で協議するということであったので,運営委員会では「漢字表委員会の運営について」という案をまとめた。
 漢字表委員会の所属委員が決まり,第1回漢字表委員会を1月18日に開催した。その席で漢字表委員会の主査には岩淵委員が,副主査には志田委員が選ばれた。その第1回漢字表委員会の会議のもようを,岩淵主査からお話し願いたい。

岩淵主査

 第1回漢字表委員会で出た意見等,主なものを報告したい。
 「漢字表委員会の運営について」で問題になったのは,第4項と第5項である。第4項は,「委員会の議事は出席した委員の過半数で決し,可否同数のときは,主査の決するところによる。」とあったが,運営としてはできるだけ各委員の合意の上で決定したい,ということ,それからもう一つ,どうしても合意が得られない場合にはその少数意見も総会に報告して,総会で判断していただくということで,「……過半数をもって決することを原則とする。」と修正した。
 第5項は,「……委員以外の委員が出席することができる。ただし,表決には加わらないものとする。」とあったが,これは当然のことなので省いてよかろうということで,「……出席して意見を述べることができる。」と修正した。
 それから,漢字表委員会の具体的な運営の問題に関し,木内委員から文書による意見の提出があったので,これを朗読した。
 また,主な意見としては,次ようなものが出た。

 審議の手順としては総会から委託のあった基本方針を確認した上で,漢字表の具体的検討に入るべきである。
 新聞,雑誌等の漢字は現在目安として使用されているので,新しい漢字表の作成に当たっては,こうしたものを調査して,その使用のありさまを参考にすべきであろう。
 漢字表は,目安であるならば,現在の当用漢字表でも良くはないか。もし,これを改善するのであれば,現在の当用漢字表はどういう点で不適当かを明らかにする必要があるのではないか。
 委員会は具体的にどういうことをするのか,ということを確かめる必要がある。その際遠回りではあっても,日本語における漢字の役割というふうなものについて論じた方が良くはないか。これに関連して鈴木・森岡両委員から,こういう問題に関する資料を用意していただくということになった。

 それから,基本資料として,次のようなものが参考になるであろうという指摘があった。(1)国立国語研究所の「現代雑誌九十種の用語用字」,「電子計算機による新聞の語彙(い)調査」等,(2)新聞各社の漢字使用状況(漢字テレタイプ),(3)「国語国字教育史料総覧」中の「総合漢字表」等である。
 そのほか,今後の漢字表委員会の会議は,月2回,第2・第4金曜日の午後2時から開くこととする。以上である。

福島会長

 ただ今の御報告等について,意見があったら,発言願いたい。(発言なし。)

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