国語施策・日本語教育

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次第 庶務報告/前回の議事要録の確認

有光会長

 それでは,ただいまから第6回総会を開会する。
 最初に,文化部長から新しい政務次官の御紹介がある。

十文字文化部長

 それでは,私から工藤政務次官の御紹介を申し上げる。
 工藤政務次官は,岩手県教育長,盛岡市長を歴任された後,衆議院議員として長く文教関係で御活躍されたが,昨年暮れ,12月28日に文部政務次官に就任された。御紹介申し上げる。

工藤政務次官

 ただいま御紹介をいただきました工藤巌でございます。
 昨年暮れの人事で文部政務次官を拝命いたした次第でざいます。海部文部大臣を補佐しながら,教育,文化,芸術等の振興のために,誠心誠意努力してまいりたいと存じておりますので,諸先生方の御指導をよろしくお願い申し上げたいと存じます。
 諸先生方には,長年にわたりましての御審議,本当に御苦労さまでございます。今日は,御答申をいただける日でございますから,海部文部大臣が御出席を申し上げておればいいのでありますが,今日は衆議院の予算委員会がありまして,大臣に対する質問が行われております。したがって,この総会には,大変残念ながら出席をすることができません。それで,私が代わりましてこの会議に出席をさせていただきましたので,どうぞよろしく御了承いただきますようにお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

有光会長

 それでは,次に事務局から庶務報告をお願いする。

森国語課長

 それでは,御報告申し上げる。
 まず,去る2月13日に開いた第3回の全員協議会の後,外部から寄せられた意見についてである。お手元の青いファイルをお開きいただきたい。一番上のもののその次で3枚目になるが,「「改定現代仮名遣い(案)にたいする意見と要望」1986年2月11日財団法人カナモジカイ」というものがある。これは,受理した後,2月17日付けで先生方にお送りしてあるので,既に御覧いただいているかと思う。
 内容については,1枚お開きいただくと,ワープロで横打ちのものがあるが,書き出しには,現行の「「現代かなづかい」が「大体,現代語音にもとづいて,現代語をかなで書きあらわす場合の準則」として制定され,その後40年をへて,各方面に広く用いられ,「国民のだれもが自然にかつ容易に文章を書き表せるようになった」ことは,まことによろこばしいことであります。」というようにあり,また下から6行目あたり,現行の「「現代かなづかい」では,このような特例に該当する場合は,そのかなづかいを「本則とする」とし,音韻に従ったかなづかいも許容しております。ところが「改定現代仮名遣い(案)」では,ただ特例のかなづかいだけを認め,音韻に従ったかなづかいは認めておりません。これでは音韻に従って現在自由に使われているかなづかいを否定し,」うんぬんとある。これでは困るという趣旨のお申入れ,要望である。これが一つである。
 もう一つは,同じファイルの一番上にとじ込んであるワープロ縦打ちの2枚紙である。これは先生方に初めて今日御覧に入れるわけだが,このタイトルにあるように,「「改定現代仮名遣い(案)」についての申入書」ということで,左の方を御覧いただくと,日付が今年の3月5日,つまり昨日であるが,「国語問題を考へる国会議員懇談会会長稲葉修」ということで,文部大臣及び文化庁長官に申入れがあった。
 この1枚目の紙をちょっと御覧いただくと,書き出しには次のようにある。

 国語審議会仮名遣ひ委員会は昨年二月答申試案を発表,以来一ケ年に亙る検討を踏まへて近く正式答申を出す予定とされてゐるが,その内容は,おほむね別紙の如き問題を残してをり,必ずしも完璧とは言ひがたい。
 もしこれが,このまま答申され,従つてこのまま決定されるならば,国語の混乱は半永久的に継続され,取返しのつかない誤りを犯すこととならう。
 よつて審議会はこの答申を当分の間延期し更に深く広く検討研究して,よりよい答申を得られるやう希望するとともに,文部省においてもこの趣旨によつて対処されたい。
 右申し入れる。

ということである。
 2枚目を御覧いただくと,これは「別紙」であるが,先ほどの「申入書」にあった「問題点」ということで,四五点並べてある。

  一,  「使用状況が定着し安定してゐる」という見方を唯一の根拠として「現代仮名遣い」を追認した点。
  二,  仮名遣ひ観を改悪して仮名遣ひ問題を不当に拡大した点。「同音の仮名を語によつて使ひ分けること」から「仮名によつて語を表記するときのきまり」への仮名遣ひ観の変更により,「さくら」「やま」の如き表記まで仮名遣ひの問題とされるようになつた。

 以下,省略するが,このような申入れがあった。
 これについて,昨日,海部文部大臣,三浦文化庁長官がこの議員懇談会の方たちと会った。見えたのは,この議員懇談会の事務局長の船田元先生ほか数名の方であった。これに対して,大臣,文化庁長官としては,4年間,十分御審議いただいたことでもあり,申入れの点についても当然それらを含めて御審議いただいた結果,非常に内容の良いものをいただいたということなので,本日はおそらく予定どおり御答申をいただくことになるであろうということ,しかしこの「申入書」は審議会にも報告するということをお伝えした。
 以上が,お手元のファイルのものである。
 次に,本日は御答申をいただく予定であるが,このことについて,去る2月26日,文部記者会に「記者レク」をした。林主査においでいただき,丁寧に御説明いただいた。それから,翌27日に,各新聞社等の論説委員にお集まりいただき,いわゆる「論懇」を開いて,そこで三浦文化庁長官,加戸文化庁次長等から,十分説明をした。
 なお,本日の配布資料であるが,御覧のとおり,二つある。一つは「改定現代仮名遣い(案)」の冊子,これが答申の本体である。もう一つは,1枚紙だが,文部大臣あての有光会長名の答申の送り状である。以上の2点である。
 なお,本日は答申をいただく際に報道のカメラが入って,やや混乱するかと思うが,あらかじめ御了承いただきたいと思う。
 最後に,本日は閉会後,この部屋の隣で,ささやかではあるが,大臣招待のレセプションを開かせていただきたいと思っているので,よろしくお願いしたい。

有光会長

 次に,昨年10月3日の第5回総会の議事録についてであるが,これは既にお送りしてあるので,お読みいただいたことと思う。お手元のとじ込みの中にも入っている。これについて御自身の御発言で修正の箇所があったら,どうぞおっしゃっていただきたい。後ほど事務局へ御連絡いただいても結構である。それを前提として,前回の議事要録は御承認をいただいたこととする。

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