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次第・議事要録 第1委員会における論議の概要について

清水会長

 それでは,本日の議事の第1,第2委員会の審議の概要について承って,いろいろ御意見を伺うということであるので,初めに第1委員会の論議の内容について,先ほど課長からお話があったが,今日は主査が御欠席であるので,事務局からお願いする。

大島国語課長

 第1委員会の北原主査が,本日,やむを得ない事情で御欠席なので,まず,お預かりしたメモを読ませていただきたいと思う。
 第1委員会における論議の概要について,主査の説明というメモである。

 国語審議会会長,副会長及び委員の皆様,私,北原こと,本日の第3回総会を欠席いたしますことを最初におわび申し上げます。
 実は,1年前からの約束で,12月8日から13日の間,日本の国際交流基金と中国の国家教育委員会との合作による北京日本学研究センター(北京外国語大学内)において,修士論文の最終口述試験であります答弁委員会に出席する予定になっておりましたので,お許しいただきたいと存じます。
 先般開かれた第1委員会の第1回の席上で,図らずも主査に選出されましたので,そこで議論されたことを集約し,第1委員会が今期何をどのように検討していくこととなったのかについて御報告申し上げます。
 第1委員会の検討課題については,さきの総会――出席なさった方は御記憶でしょうが――で様々な意見が出たところであります。当初,運営委員会で御相談になった案では,「言葉遣いの問題について国際化.情報化の観点から検討する」となっていました。すなわち,今期の第2委員会は漢字の字体の問題に検討対象を絞り込むことになっており,今期の第1委員会は,前期第1委員会で行われた議論を継続しつつ,幅広く,前期の第2委員会で議論された国際化・情報化の問題の受け皿も兼ねる形でやってほしいということでした。
 これに対して,

@  国際化・情報化の問題は従来第1委員会では全然議論していないことであり,ここで対象を更に広げたのでは,ますますまとまらないのではないか。第1委員会は,言葉遣い,敬語の議論を継続すべきではないか。

という趣旨の御意見と,


A  第20期の第2委員会で行った,国際化,情報化にかかわる広い議論を今期も継続する必要がある。今や日本語は日本人だけのものではなく,日本語を言語政策の観点から継続的に議論しなければ前期の努力の意味がないので,第3の委員会を作ってはどうか。

という趣旨の意見とが出されました。  結局,総会としては,第21期が第20期報告を前提とし,これを踏まえて議論するのは当然のことであり,第1委員会を取りあえず発足させ,そこでの議論の流れで,言葉遣い,あるいは敬語に絞るのか,更に第3の委員会を作るのかを検討してほしいということになったわけです。ただし,第3の委員会を作ることには,審議会運営上,また従来の流れ等の事情から慎重にならざるを得ないとの説明もありました。  このような総会での議論を踏まえ,先般11月11日に行われた第1回の会議では,第1委員会当事者として,具体的に何を取り上げ,どのような報告にまとめることを今期の目標にするのか,活発に意見交換をしました。その意見を分類,要約したものが資料2の「第1委員会における論議の概要−1」であります。そして資料1として提出されている「第1委員会,第2委員会について(案)」の2番目の項目も. 国際化等の観点を含めることを前提としつつ,「第1委員会は, 敬語を中心とする言葉遣いに関する問題を扱」 うこととしましたので,御報告いたします。  なお,次回以降の第1委員会では,まず検討の進め方について話し合い,その後,世論調査の結果等も参考にしつつ,実質的な議論を深めてまいる予定であります。

 北原主査から託されたメモは以上である。
 併せて,資料2「第1委員会における論議の概要ー1」についても,簡単に御説明をさせていただければと思うので,資料2を御覧いただきたい。
 四つの項目でまとめられているが,主として問題になったのは,1の「検討範囲」であった。最初の○は,敬語について絞ってはどうか。二番目の○は,審議している間に別の問題が進行してしまうから絞らない方がよいのではないか。結論的には,先ほどメモを読み上げたように,言葉遣いの問題について敬語を中心に検討するということで,まず進めていこうという結論であったかと思う。
 そして,その際の審議の観点としては,情報化や国際化というふうな時代の変化による国語への影響というものを十分に見据えつつ,幅広い観点から審議を進めるというような御意見が多く出されたと思う。
 次に,「敬語の標準」という項目が書いてあるけれども,現在の実態を十分にとらえるということ,標準としての実効性というか,そういうものも十分に認識することが必要である。そういう意識を持ちつつ検討を進めていく必要があるというような御意見が出されたと思う。
 そして「学校教育とのかかわり」では,しっかりした敬語の基準が必要であるなどの御意見も出されている。
 まだ御意見を並列的に並べているだけであるけれども,第1委員会の論議の概要を簡単にまとめたものである。

清水会長

 ただ今御説明があったように,第1委員会としては,資料2にあるような形で検討範囲を考え,その観点,敬語の標準,学校教育とのかかわりといったようなことについて御意見が出されたようである。資料2を御覧いただいて,何か御質問,御意見があれば,後ほど伺わせていただきたいと思う。
 第1委員会,第2委員会の両方を伺わせていただいてから,討議に入りたいと思うので,よろしくお願いする。

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