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挨拶


 
   
主催者挨拶
   
         
    戸渡 速志 (文化庁長官官房審議官)

 第6回のコンテンツ流通促進シンポジウムの開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。皆さまご承知のとおり、わが国は、知的財産立国というものを政策の一つの柱として、優れた知的財産の創造、保護、活用に関しまして、官民が一体となり、さまざまな施策を展開しております。この施策の中で、必ず取り上げられるのが、インターネットを用いたコンテンツの二次利用の促進ということでございます。この課題の背景には、情報通信技術の飛躍的発展によって、インターネットでの映像配信が普及したといったことなどにより、映像コンテンツの需要が増大している、ということがあるわけでございます。

  しかし、多くの人気番組を有する放送コンテンツにつきましては、再利用を望む関係者の期待とは裏腹に、再利用はなかなか進んでおりません。これは、インターネット上の映像コンテンツ配信に関しまして、収益性のあるビジネスモデルというものが、いまだ成立していないといったことが、最大の理由だといわれておりますが、著作権契約に関しましても、放送のみの許諾しか得ていないということや、権利者が多数に及ぶということなどが、課題として指摘をされております。しかし、最近では映像コンテンツ製作者の方々の意識にも、変化が生じてきております。放送局自身も、放送番組等の多様な利用方法に、目を向け始めております。特に、昨年12月のNHKオンデマンドの開始を契機として、放送番組製作時や、過去の放送番組の再利用に関する契約システムの整備というものには、大きな進展が見られるところでございます。



 文化庁では、こうした状況を踏まえまして、海外の契約実態について、調査を行ったところでございます。今回のシンポジウムは、この実態調査の成果を基にいたしまして、わが国の現状との比較分析、あるいは、最新の動向等の紹介といったことを行いますと共に、今後の展望についても議論を行うということを、予定をいたしております。今回のシンポジウムを通じまして、これらの課題について、関係者の皆さんの理解が深まり、映像コンテンツの多様な利用に関するルール作り、ということについての取組みが、一層進展をすることを、期待しているところでございます。

 文化庁としては、コンテンツビジネスの振興を、重要な政策課題であると考えておりまして、今後も、一つ一つ問題を解決するために、努力を積み重ねてまいりたいと考えております。会場の皆さま方におかれましては、よろしくご協力をたまわりますよう、お願いを申し上げまして、簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。