【アフレコ】ワンポイントレッスン~八戸方言編~
台本に見られる八戸方言の特徴には,次のような点が挙げられます。
① 語頭以外のカ行・タ行が,ガ行・ダ行の濁音に
○○カ,○○キ,○○ク,○○ケ,○○コ ⇒ ○○ガ,○○ギ,○○グ,○○ゲ,○○ゴ
○○タ,○○チ,○○ツ,○○テ,○○ト ⇒ ○○ダ,○○ヂ,○○ヅ,○○デ,○○ド
例
青森編
(台詞(せりふ)番号3)
あくび ⇒ あぐび
(台詞番号13)
朝市(あさいち) ⇒ 朝市(あさいぢ)
岩手編
(台詞番号2)
お招きいただき ⇒ お招ぎいただぎ
(台詞番号2)
こんにちは ⇒ こんにぢは
宮城編
(台詞番号2)
しばらくぶり ⇒ しばらぐぶり
(台詞番号4)
連れてって ⇒ 連れでっで
② 語頭以外のガ行・ザ行・ダ行・バ行の前に軽く「ん」が入る
○ガ,○ギ,○グ,○ゲ,○ゴ ⇒ ○ンガ,○ンギ,○ング,○ンゲ,○ンゴ
○ザ,○ジ,○ズ,○ゼ,○ド ⇒ ○ンザ,○ンジ,○ンズ,○ンゼ,○ンゾ
○ダ,○ヂ,○ヅ,○デ,○ド ⇒ ○ンダ,○ンヂ,○ンヅ,○ンデ,○ンド
○バ,○ビ,○ブ,○ベ,○ボ ⇒ ○ンバ,○ンビ,○ンブ,○ンベ,○ンボ
例
青森編
(台詞(せりふ)番号13)
まだ ⇒ まんだ
(台詞番号35)
エビ ⇒ エンビ
岩手編
(台詞番号 ―)
該当する台詞なし
宮城編
(台詞番号30)
まだ ⇒ まんだ
③ 「シ」と「ス」,「ジ」と「ズ」の区別がなく,それぞれの中間的な音に
例
青森編
(台詞(せりふ)番号6)
やっぱし
(台詞番号45)
仕方(しかだ)
岩手編
(台詞番号5)
親しぎ仲(したしぎなが)
(台詞番号36)
調べてみる(しらべてみる)
宮城編
(台詞番号35)
やっぱし
(台詞番号53)
したらば
④ 動詞の語末「う」が「る」となることがある
○○う ⇒ ○○る
例
青森編
(台詞(せりふ)番号26)
ちがう ⇒ ちがる
岩手編
(台詞番号34)
違う ⇒ 違る
宮城編
(台詞番号 ―)
該当する台詞なし
⑤ 名詞に「っこ」を付けることが多い
例
青森編
(台詞(せりふ)番号19)
かまり ⇒ かまりっこ
岩手編
(台詞番号12)
かまり ⇒ かまりっこ
宮城編
(台詞番号 ―)
該当する台詞なし
⑥ 促音(ッ),撥(はつ)音(ン),長音が短めに発音される
例
青森編
(台詞(せりふ)番号19)
うまそった
(台詞番号25)
そんだよね
岩手編
(台詞番号49)
そったら
(台詞番号3)
なんも
宮城編
(台詞番号39)
とっておぎ
(台詞番号1)
おんであんせ
アクセントやイントネーションは,独特のものがあるので,音が高くなるところと低くなるところに特に注意しましょう。