【アフレコ】ワンポイントレッスン~仙台方言編~
台本に見られる仙台方言の特徴には,次のような点が挙げられます。
① 語頭以外のカ行・タ行が,ガ行・ダ行の濁音に
○○カ,○○キ,○○ク,○○ケ,○○コ ⇒ ○○ガ,○○ギ,○○グ,○○ゲ,○○ゴ
○○タ,○○チ,○○ツ,○○テ,○○ト ⇒ ○○ダ,○○ヂ,○○ヅ,○○デ,○○ド
例
青森編
(台詞(せりふ) 番号4)仲(なか) ⇒ なが
岩手編
(台詞番号2)いただきまして ⇒ いだだぎますて
宮城編
(台詞番号1)よく ⇒ よぐ
(台詞番号7)さて ⇒ さで
② 語頭以外のガ行・ザ行・ダ行・バ行の前に軽く「ん」が入る
○ガ,○ギ,○グ,○ゲ,○ゴ ⇒ ○ンガ,○ンギ,○ング,○ンゲ,○ンゴ
○ザ,○ジ,○ズ,○ゼ,○ド ⇒ ○ンザ,○ンジ,○ンズ,○ンゼ,○ンゾ
○ダ,○ヂ,○ヅ,○デ,○ド ⇒ ○ンダ,○ンヂ,○ンヅ,○ンデ,○ンド
○バ,○ビ,○ブ,○ベ,○ボ ⇒ ○ンバ,○ンビ,○ンブ,○ンベ,○ンボ
例
青森編(台詞(せりふ)番号37)
まずまず ⇒ まんずまんず
岩手編(台詞番号21)
まずまず ⇒ まんずまんず
宮城編(台詞番号6)
まずまず ⇒ まんずまんず
③ 「シ」と「ス」,「ジ」と「ズ」の区別がなく,それぞれ「ス」「ズ」に近い音に
例
青森編(台詞(せりふ)番号4)
時間(じかん) ⇒ ずがん
岩手編(台詞番号5)
親(した)しき仲(なか) ⇒ すたすぎなが
宮城編(台詞番号2)
しばらく ⇒ すばらぐ
④ 「ニ」は「ヌ」に近い音に
例
青森編(台詞(せりふ)番号8)
おみょーにち ⇒ おみょーぬづ
岩手編(台詞番号1)
こんにちは ⇒ こんぬづは
宮城編(台詞番号29)
なーに ⇒ なーぬ
⑤ 「ア段の音」に「イ」や「エ」が続くと「エァ」という発音に
○アイ,○カイ,○サイ,○タイ,○ナイ ⇒ ○エァ,○ケァ,○セァ,○テァ,○ネァ
○アエ,○カエ,○サエ,○タエ,○ナエ ⇒ ○エァ,○ケァ,○セァ,○テァ,○ネァ
○ハイ,○マイ,○ヤイ,○ライ,○ワイ ⇒ ○へァ,○メァ,○エァ,○レァ,○エァ
○ハエ,○マエ,○ヤエ,○ラエ,○ワエ ⇒ ○へァ,○メァ,○エァ,○レァ,○エァ
○ガイ,○ザイ,○ダイ,○バイ,○パイ ⇒ ○ゲァ,○ゼァ,○デァ,○ベァ,○ぺァ
○ガエ,○ザエ,○ダエ,○バエ,○パエ ⇒ ○ゲァ,○ゼァ,○デァ,○ベァ,○ぺァ
例
青森編(台詞(せりふ)番号16)
いっぱい ⇒ いっぺぁ
岩手編(台詞番号4)
あいさつ ⇒ えぁさづ
宮城編(台詞番号22)
はんたい ⇒ はんてぁ
⑥ 名詞に「っこ」を付けることが多い
例
青森編(台詞(せりふ)番号15)
みせ ⇒ みせっこ
岩手編(台詞番号9)
ぬおい ⇒ ぬおいっこ
宮城編(台詞番号 ―)
該当する台詞なし
⑦ 文の終わりに「べ(ぺ)」や「ちゃ」を付けることが多い。
例
青森編
(台詞(せりふ)番号27)
なんだべ
岩手編
(台詞番号5)
ありだべ
(台詞番号44)
あるわげねっちゃ
宮城編
(台詞番号7)
どごでがすぺ
⑧ 助詞「に」の代わりに「さ」、助詞「を」の代わりに「ば」を使うことがある。
例
青森編
(台詞(せりふ)番号42)
みせに ⇒ みせっこさ
(台詞番号28)
みずあげりょうを ⇒ みずあげりょうば
岩手編
(台詞番号25)
そこに ⇒ そごさ
(台詞番号22)
うまいものを ⇒ んめぁものば
宮城編
(台詞番号34)
どごに ⇒ どごさ
(台詞番号7)
クイズを ⇒ クイズば
言葉によって、高く発音する部分と低く発音する部分が決まっていない「無アクセン ト」なので,音が高くなるところと低くなるところに特に注意しましょう。
<例>「アメ(雨)」と「アメ(飴)」,「ハシ(箸)」と「ハシ(橋)」はアクセントの区別がありません。
文全体を平らに発音することが多い(抑揚(よくよう)の少ないイントネーション)ので,音が 高くなるところと低くなるところに特に注意しましょう。