国語施策・日本語教育

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これからの敬語

4 「お」「ご」の整理


(1)つけてよい場合


1) 相手の物事を表わす「お」「ご」で,それを訳せば「あなたの」という意味になるような場合。たとえば,
   お帽子は,どれでしょうか。
   ご意見は,いかがですか。
   
2) 真に尊敬の意を表わす場合。たとえば,
     先生のお話  先生のご出席
   
3) 慣用が固定している揚合。たとえば,
     おはよう  おかず  おたまじゃくし
     ごはん   ごらん  ごくろうさま
     おいでになる(すべて「お――になる」の型)
     ごらんになる(すべて「ご――になる」の型)
   
4) 自分の物事ではあるが,相手の人に対する物事である関係上,それをつけることに慣用が固定している場合。たとえば,
     お手紙(お返事・ご返事)をさしあげましたが
     お願い  お礼  ご遠慮
     ご報告いたします
   

(2)省けば省ける場合


 女性のことばとしては「お」がつくが,男子のことばとしては省いていえるもの。たとえば


     〔お〕米 〔お〕菓子 〔お〕茶わん 〔お〕ひる

(3)省くほうがよい場合


たとえば,

     (お)チョッキ  (お)くつした  (お)ビール
     (ご)芳名    (ご)令息    (ご)父兄
     (ご)調査された(これは「調査された」または「ご調査になった」が正しい。)
     (ご)卒業された(これは「卒業された」または「ご卒業になった」が正しい。)



5 対話の基調


 これからの対話の基調は「です・ます」体としたい。
付記
 これは社会人としての一般的対話の基調を定めたものであって,講演の「であります」や,あらたまった場合の「ございます」など,そのほか親愛体としての「だ」調の使用を制限するものではない。

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