HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第1期国語審議会 > これからの敬語(建議) > 動作のことば/形容詞と「です」/あいさつ語/学校用語
これからの敬語
6 動作のことば
動詞の敬語法には,およそ三つの型がある。すなわち,

第1の「れる」「られる」の型は,受け身の言い方とまぎらわしい欠点はあるが,すべての動詞に規則的につき,かつ簡単でもあるので,むしろ将来性があると認められる。
第2の「お――になる」の型を「お――になられる」という必要はない。
第3の型は,いわゆるあそばせことばであって,これからの平明・簡素な敬語としては,おいおいにすたれる形であろう。
7 形容詞と「です」
これまで久しく問題となっていた形容詞の結び方――たとえば,「大きいです」「小さいです」などは,平明・簡素な形として認めてよい。
8 あいさつ語
あいさつ語は,慣用語句として,きまった形のままでよい。たとえば,

9 学校用語
1) | 幼稚園から小・中・高校に至るまで,一般に女の先生のことばに「お」を使いすぎる傾向があるから,その点,注意すべきであろう。たとえば, |
(お)教室 (お)チョーク (お)つくえ | |
(お)こしかけ (お)家事 | |
2) | 先生と生徒との対話にも,相互に「です・ます」体を原則とすることが望ましい。 |
付記 | |
このことは,親愛体としての「だ」調の使用をさまたげるものではない。 | |
3) | 戦前,父母・先生に対する敬語がすべて「おっしゃった」「お――になった」の式であったのは少し行きすぎの感があった。戦後,反動的にすべて「言った」「何々した」の式で通すのもまた少し行きすぎであろう。その中庸を得たいものである。たとえば「きた」でなく「こられた」「みえた」など。 |