国語施策・日本語教育

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石田国語課長

 2点ばかり報告させていただく。一つは,11期国語審議会審議経過報告についての各方面の意見の収集についてである。この審議経過報告中の大臣に対する報告文に,「この審議経過報告を適切な形で公表して,関係方面の意見を聞き,それを次期における審議に反映されるように望む」とあるのを受けて,この冊子を広く,新聞,放送,出版,印刷などの各分野,あるいは各省庁,各都道府県,大学,国語関係諸団体等に,3,500冊ばかりお送りした。そして,そのうちの29団体には,特に御意見があれば出していただくようにお願いをしている。現在までにごく簡単な意見を含めて,四つの意見が出されているが,まだこれからも意見が出てくるかと思うので,いずれそれらを整理して,御審議の参考に供したいと思っている。
 そのほか,文部省では,全国に600人ばかりの教育モニターを置いているが,その方々にもこの審議経過報告を送り,またごく一般的な質問も設けて,意見の徴している。これもまとまったら御報告したいと思う。
 第2に,中国における文字改革等の海外調査についてである。文化庁では,当用漢字,あるいは当用漢字の字体の検討の参考とするために,中国における文字改革の実情,動向について調査することとし,その調査団の派遣について中国側と交渉を進めていたところ,ごく最近返事があった。これはまだ正式に公表する運びにはなっていないが,調査団として国語審議会からは国立国語研究所日本語教育部長の林大委員,東京大学の松村明委員の二人,そのほか東京外国語大学助教授の輿水優氏,文化庁国語課の安永専門職員の合わせて4人に行ってもらうこととし,期間は2月26日から3月7日までの10日間の予定である。そういうことで中国側との話もついたので,御報告させていただく。

福島会長

 中国の文字改革とこの国語審議会の取り扱っていることは,どれほど関係があるか分からないが,やはり中国での実情を調べていただくことは結構なことだろうと思うので,期待している。ほかに何か御意見があれば,お聞かせいただきたい。

遠藤委員

 文部省や学校関係の先生方に質問したい。平仮名や片仮名の字体は現在どうなっているのか。

加藤教科調査官(文部省)

 今資料が手元にないが,中学校教育課の教科調査官としての立場から答える。仮名の場合は,明治33年に一応文部省で字体が制定されて以後,公式には,その改善とか,表記上の問題点の検討とかいうことは全然行われていない。しかし,学校教育の実際面で平仮名について単体で指導しているものは,明治33年ごろに奨励されたものとは大分変わっている。
 例を申し上げると,「い」という字については,当初1画目から2画目までは虚線でなく実線で書かれていたようだが,今日のは1画目から2画目までの間,虚線があって,1画,2画がはっきりしている。こういうのは,その後の活字とか,漢字字体との調和の上でなされている。したがって,学校教育でもそれに準じて,小学校,中学校の書写の教科書,また,高等学校の芸術科の書道の教科書においても,そういう仮名指導をしている。片仮名についても同じような事情である。

福島会長

 字体については私も今後勉強させていただくことにする。本日の総会はこれをもって閉会とする。

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