国語施策・日本語教育

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次第 審議会の傍聴等について/諮問事項の説明

有光会長

 それでは引き続き会議を進行していきたい。
 議事次第の6「審議会の傍聴等について」に移る。国語審議会の総会は,総会決定により,これまで報道機関に公開してきているが,この点に関し事務局から説明をしていただきたい。

中村国語課長

 資料4の「審議会の傍聴等について」は,昭和39年の4月,第7期審議会で決定されたものである。その後毎期,審議会で確認されてきたものであるが,改めてこれを朗読させていただく。
(国語課長朗読)



審議会の傍聴等について

39.4.22第7期審議会決定
41.6.13第8期審議会確認
43.7.11第9期審議会確認
45.7.31第10期審議会確認
47.11.24第11期審議会確認
50.1.31第12期審議会確認
52.4.11第13期審議会確認
54.6.5第14期審議会確認

1  会長は,特殊な場合を除き総会に限り,報道の任務に当たる者に会議の傍聴を許可することができる。
2  報道の任務に当たる者の範囲は,文部記者会に加盟している報道機関に所属する者とする。
3  撮影,録画,録音等による取材は,議事の始まる直前まで許可することができる。
4  会議の資料を傍聴者に配布するかどうかについては,会長がその都度決める。
5  総会の議事要録は,その都度各委員に送付し,内容について申出があればその都度訂正する。
 同議事要録の公表については,従来のように,委員の任期の終了後速やかに,審議経過とともにまとめて公表することとする。

有光会長

 今期についても従来と同様にこれを確認してはいかがか。(拍手)

有光会長

 それでは御確認いただいたものとする。
 次に,文化部長から,諮問事項について説明をお願いする。

北橋文化部長

 諮問事項について御説明を申し上げる。既に御案内のとおり,戦後,昭和21年以来,国語審議会の答申・建議に基づいて「当用漢字表」「現代かなづかい」「当用漢字音訓表」「当用漢字字体表」「送りがなのつけ方」等,国語の書き表し方に関する一連の国語施策が,内閣告示・内閣訓令によって実施に移された。その後,これらの国語施策をめぐっていろいろな議論や批判もあり,また,実施の経験等にかんがみ,種々再検討を加えてその改善を図る必要が生じてきたので,昭和41年6月に,時の中村文部大臣の「国語施策の改善の具体策について」という諮問となり,以来今日まで,この諮問に基づく御審議をお願いしてまいったものである。
 この諮問で具体的に検討をお願いする問題点として掲げてある事項のうち,当用漢字の音訓と送りがなのつけ方については,第8期の審議会から第10期まで,3期6年にわたり,御審議いただき,昭和47年6月に御答申を頂いた。引き続き,当用漢字の字種と字体の問題について,第11期から第14期まで,4期8年にわたり御審議いただき,昨年,昭和56年3月「常用漢字表」として御答申を頂いた。
 これらの御答申では,これまでの国語施策の制限的な色彩を改め,法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等,一般の社会生活において現代の国語を書き表す場合の目安又はよりどころとすることを基本的な考え方としてお示しいただいている。また,御答申に先立って中間試案を広く国民に公表し,各界各方面の意見を十分参考にするなど,慎重な御審議の上,答申をおまとめいただいた。
 政府では,この国語審議会の御答申を尊重いたし,それぞれ内閣告示・内閣訓令として実施に移している。
 今期の審議会におかれては,資料2にある諮問のうち,なお検討すべき事項として残されている「現代かなづかい」の問題をお取り上げいただき,御審議をお願いしたい。「現代かなづかい」は,既に三十数年の間,社会生活の中で用いられているところであるが,問題点として幾つかの事柄が指摘されている。例えば,「現代かなづかい」では,一般に「ジ」「ズ」と発音される場合,さ行の「し」「す」に濁点を付けて書き表し,「鼻血」「三日月」のように二語の連合によって生じた「ジ」「ズ」は,た行の「ち」「つ」に濁点を付けて書き表すこととされているが,言葉によっては,二語の連合とみなすかどうかの判断に個人差を生ずるため,これらの書き分けの難しいものがあることが指摘されている。また,オ列の仮名に「う」を付けて書き表す,いわゆるオ列長音の仮名遣いと,「大きい」「氷」「通る」などの,オ列の仮名に「お」を付けて書き表す仮名遣いとの区別に関しても,従来から指摘がある。このほかにも幾つかの問題点があるので本審議会での慎重な御審議をお願いいたしたい。

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