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次第・議事要録 第2委員会

 次に,第2委員会の方から御説明いただきたいと思う。第2委員会の樺島主査,よろしくお願いする。

樺島(第2委員会)主査

 それでは,第2委員会から報告申し上げる。
 ピンクのファイルに入っているように,第2委員会には団体から23,意見なしを除くと17,個人から18,期限外が3ということで,38件ほど御意見をいただいた。
 資料2-3の全体の概要にあるように,今回寄せられた意見は,表外漢字の字体の標準を示すことに反対する意見はほとんどなくて,むしろ賛成する,あるいは敬意を表すると述べられたものもあった。意見の多くは,字体表あるいは前文についての改善案を述べるものである。
 資料2-3の意見の概要に挙げたように,印刷標準字体・簡易慣用字体の認定にかかわること,2の前文の全体及び用語にかかわること,3の字体表の性格にかかわること,4の例示字形の在り方にかかわること,5の音訓の付け方,例示字形の配列,備考欄の注記にかかわること,それから,取り上げた漢字の選定にかかわること,デザイン差にかかわること,字体表の扱いにかかわること,こういうふうに広く御意見をいただいている。
 これらの意見に対して,第2委員会では,字体小委員会を11月8日の朝10時から夕方6時近くまで,13日の第2委員会終了後3時間,14日の朝10時から5時過ぎまで,ほぼ延べ18時間ほど充てて検討した。その結果,今回,審議会が字体表を示す趣旨とそもそも相いれない意見,これまで委員会で十分に検討して出した結果であって,改める必要のない意見は原案のとおりとすることにした。
 例えば1の@であるが,ここに「澗,讃,絣」の3字を印刷標準字体とせず簡易慣用字体の欄に移し,印刷標準字体の欄を空欄にすべきだという意見があるが,印刷標準字体の欄を空欄にするというのは,印刷標準字体を示そうという趣旨に合わないので,これは認められない。この3字を印刷標準字体とするか,簡易慣用字体とするかは,非常に時間を掛けて論議したものであるが,パブリックコメントで寄せられた意見を受けてもう一度検討し直して,原案のとおりにすることにしたものである。
 それから,6のCであるが,「「阪」や「堺」など常用漢字の異体字はすべて削除すべきである。そうでないと,この表にない常用漢字異体字の使用をすべて禁止したことになる。」という意見。これも,その論理が分かりにくいので,検討したけれども,結果として採らないということである。ただし,この意見を踏まえて文言を少し補うことにした。
 資料2-2を御覧いただくと,前文と前文の「付」というのが付いており,それから,「参考」というのがあるが,全体に,前文を丁寧に読まずに出した意見とか誤解に基づく意見が非常に多く見られた。例えば,ここで1022の表外漢字を出しているが,それに表外漢字の使用を限るというような考え方である。そこで,誤解されないように,分かりやすくなるように,また,もともと多少説明不足だったかなというところもあったので,そこらについて,表現を改めたり新しく加えたりしたところがあるが,これは非常に多いので,一々取り上げて説明は申し上げない。
 ただ,資料2-3の概要の2の(4),字体を調べるための新聞調査が読売新聞だけというのは疑問であるという意見は,説明がちょっと足りなかったかなと思ったので,資料2-2の3ぺージの真ん中に線を引いてあるが,このように,字体ではなくて字種を調べるためであるという説明を新たに加えた。

樺島(第2委員会)主査

 それから,記述の在り方,改善を求める意見,字形についての細かい改善案があった。資料2-2の14ぺージを御覧いただくと,ここに字体表が出ている。字体表には順番が書いてあって,音訓,印刷標準字体,簡易慣用字体,そして備考のところに表外漢字に限って認めるデザイン差などに*の印を付けてある。同音の語が,例えば「アイ」というところは4,5を5,4と順序を変えてある。これも非常に細かいことで,同音の場合の並べ方は,康熙字典の順序とか,そういうものに従うべきだという意見があって,最初は見ればすぐ分かることだから,どちらでもいいだろうというふうに考えたのであるが,せっかくの意見なので,変えることにして,例えば22ぺージ辺りを見ると,非常にややこしく順番が書いてある。また,細かい文字の形についての御意見もあったので,それらについても一々検討して,改善すべきものは改善するというふうにした。
 最後に,資料2-3の「今後の扱いについて」というところに,字体表の扱いについて慎重にしてほしいという意見が出ているが,ほとんどは(2)に示したように,関係機関との連携を前提に,従来の表記に関する決まりのように実効性のある形での実施(内閣告示・訓令)を求めている。また,このように明らかに言わないでも,資料の団体の一番最初に出ているが,内閣告示・訓令にするためには,表現をこのように改めた方がいいという案まで出しているものがあった。
 先日開かれた第2委員会でも,委員から,この問題についていろいろと質問とか御意見が出た。それで13日の委員会で,第2委員会の意見として,希望として,内閣告示・訓令の形にしていただきたいということにまとまったわけである。この件については,ここに御出席の委員の方々の御意見も伺いたいと思う。

清水会長

 この件については,原案について修正したところだけ朗読することにするか。答申案原案の説明,前文だけでも……。

氏原国語調査官

 前文の朗読ということでよろしいか。
 それでは,資料2-1に基づいて,表外漢字字体表の答申案原案をこれからお読みする。時間の関係もあるので,前文の1から始めて,途中省略しながら,前文は9ぺージまであるので,そこまでお読みする。

〔「資料2-2」朗読〕

清水会長

 読んでいただいた部分には今までの経緯も詳しく書かれていたが,何か御質問,御意見があるか。
 大分専門的なところがあって,この委員会は,そういった意味で1字1字チェックしていただくという形で検討を深められて,このような答申案原案が出たということである。
 先ほど主査からちょっとお話があった内閣告示云々(うんぬん)ということについては,いかが取り扱うかという問題があるので,ちょっと課長の方から。

小池国語課長

 会長からのお申し付けであるので,私の方からお答えするが,本日の合同委員会,さらには最終答申を踏まえて,どのような方法を採ればこの趣旨が生かされるのか,いろんな形で検討していきたいというふうに考えている。したがって,現時点で確定的なことを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思う。

清水会長

 ということで,御理解いただきたいと思う。
 何か御意見があろうか。
 一応答申案原案として,このようにまとめさせていただいたということで御了承いただければ有り難いと思うが,よろしいか。

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