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U 現代社会の言葉遣いをめぐる課題
6 マスコミュニケーションにおける言葉遣い
テレビやラジオの放送,新聞や雑誌などの印刷媒体等,マスコミュニケーションは不特定多数を対象とするため,個別的な相手や場面にきめ細かく応じた言葉遣いを選ぶというより,想定される大多数の対象に合わせた言葉遣いを選択せざるを得ない。したがって,内容や目的にふさわしく,また,受け手や話題に上る人等にできる限り配慮した適切な言葉遣いをすることが敬意表現の重要な一側面である。
なお,テレビやラジオの番組や広告,また,漫画やテレビゲーム等に現れる言葉遣いの幼児や青少年に与える影響が話題にされることが多い。特に,品位に欠ける言葉や人を傷つける表現が子供たちの言葉遣いや人間関係に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
したがって,放送や新聞等のマスコミ関係者や出版関係者は,その影響力の大きさを自覚し,言葉遣いについて更に慎重に配慮しつつ,人々の言葉に対する意識が高められるよう努めることが期待される (注)。
(注) | 世論調査(文化庁 平成7年4月)によれば,「新聞や放送などは,そこでの言葉遣いが子供などに与える影響を自覚することが必要だ」という意見に賛成する回答が全体の88.4%を占めている。 |