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W 敬意表現についての留意点
[具体的な留意点]
5 仲間内の言葉と敬意表現の開係
年齢や性,職業や地域などを同じくする様々な社会集団の内部では,それぞれの集団の内部でしか通用しない仲間内の言葉がある。集団の内部でこれを用いることは,その構成員同士のコミュニケーションを円滑にする上では有効なことであるが,他方,集団の外部の人とのコミュニケーションにおいては障害となる場合の多いことに留意すべきである。
例えば,医療,福祉,科学技術など特定の分野の専門用語(外国語・外来語及びその略語なども含む)を一般の聞き手に向かって用いることは避け,分かりやすく言い換えたり説明を加えたりする配慮が必要である。これらは,高齢化,情報化の進む現代社会において,専門分野になじみの薄い一般の人々への敬意表現として特に留意すべき事柄である。
また,いわゆる若者言葉(「超〜」「〜じゃないですか」,文の途中の音調を上げる「半疑問」の抑揚など)は,親しい若者同士であっても場面や話題によっては避けたり,親しくない相手や改まった場面においては避けるなどして,他の適切な表現を選ぶ配慮が多様な社会生活を営む上で必要となる。