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音訓の整理に関する方針 (保科幹事長)

  1.  音訓の整理は当用漢字表1850字の各字につき,字音と字訓の整理を行うこと。
  2.  一つの和語に当てた2字以上の漢字,たとえば,
    流石 さすが 只管 ひたすら 土筆 つくし 黄昏 たそがれ 時雨 しぐれ 足袋 たび 今日 きょう 昨日 きのう 明後日 あさって 一昨日 おととい 寄生木 やどりぎ 武夫 もののふ 丈夫 ますらお 早生 わせ 晩生 おくて 東風 こち
    等の整理は後まわしとすること。
  3.  1字1字の音訓整理については,また字音においては,漢音・呉音・唐音および慣用音の現代の社会でひろく使用されているものを採用し,特殊なものや用法の少ないものは,切り捨てること。
     ただし,ひろく行われている読みくせのものは,特に考慮すること,
    たとえば
    法眼 ほうげん 入御 じゅぎょ 金剛山 こんごうせん 御前 ごぜん 権現 ごんげん
  4.  字音の中,字典音と異なるが,しかし現代の社会にひろく慣用されるものは,採用すること。
    耗 もう 喫 けき,きつ 種 しょう,しゅ
  5.  1字に2音並び行われるものは,その1を採ること。
    緒 しょ,ちょ 輸 しゅ,ゆ 殺 さつ,せつ,さい 体 たい,てい
     ただし,2音とも慣用されているものは並用すること。
    保 ほう,ほ 数 すう,す 由 ゆう,ゆ 茶 ちゃ,さ
  6.  2字連合の漢字に対する特殊の訓み方については後まわしにすること。
    天皇 てんのう 出納 すいとう 舌音 ぜっとん 三位 さんみ 因縁 いんねん
  7.  字訓については,現代の社会にひろく慣用されているものを採用し,左のごとき舌訓や特殊のものや読みにくいものは切り捨てること。
    谷 きわまる 鳩 あつめて 乱 よこぎりて 生 なる,うぶ 横 よこたわる 慌 あわただしい 荒 すさぶ 男 おのこ 女 おみな 臣 おみ 官 つかさ 朝 あした 兵 つわもの 帝 みかど 古 いにしえ
  8.  動詞には,自動他動の両訓を掲げること。
    動詞には,自動他動の両訓を掲げること
  9.  固有名詞に限られた字訓の整理は,後まわしにすること。

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