HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 国語審議会(終戦〜改組) > 国語審議会の組織運営等の刷新に関する委員会 > 国語審議会改組について
国語審議会の組織運営等の刷新に関する委員会
〔国語審議会改組について〕
(3月18日の委員会に提出した第1号議案)
- 改組の目標
@ 国語改良の施策案が,社会各層の支持を得,国民全部の協力を得ることを目標とし,それを立案審議する機関として,現在よりもいっそう強力な委員会にする。
A 官庁臭を脱却した民主的な委員会としての実質をそなえた委員会にする。
B 右の目標を具体化するために- イ 単なる諮問機関であるという以上に,自発的な機能ももつようにする。そのためには官制を改める。
- ロ 委員の構成を改め,学界及び政治・経済・産業・教育・文化等各界の代表者並びに地方の有識者を合理的基準により新たに選出する。
- 改組の手順
@ 国語審議会自身の発議により,その廃止を議決し,新委員会の設立準備委員を定め,文部当局と連絡の上,新委員会の設立大綱を自主的に定める。
A 実施の時期については,文部省設置法が公布されてから後とする。 - 改組の理由
@ 今日すでに国立国語研究所の発足をみ,根本的に国語の調査が行われることになったので,国語改良の諸施策もまた,それら基礎的な調査研究の進行に伴い,十分かつ慎重に立案され審議されなければならない。
現在の国語審議会は,昭和9年設置以来,国語改良のため,各種の大きな業績を残してはいるが,さらにいっそう十分な支持と強力とを学界からも一般社会からも得なければならないことが感ぜられている。
A 国字国語の整理統一,国語教育の振興等,国民の言語生活の向上のために必要な事項については,国民の健全な良識を代表する民主的な機関が調査審議すべきである。現在の国語審議会は,単に文部大臣の諮問機関であるに止まっている。
国語審議会の事業
国民の言語生活の向上に関する方策の審議立案
- 言語上の標準の制定に関すること
@ 語彙(漢語,外国語,外来語,学術用語,官庁用語,新語などを含む。)
A 発音
B 語法
C 文体(敬語法を含む。)
D 文字(国字の決定に関する基本方針を含む。)
イ 漢字(字種,字体及び音訓)
当用漢字表等の検討に関すること
漢字の検索法に関すること
ロ かな(字体)
E 表記法
イ かなづかい
現代かなづかいの検討に関すること
外国語(固有名詞を含む。)のかな書きに関すること
ロ 送りがな
ハ 句読
ニ 分ち書き
ホ 縦書き,横書き,その他文書様式
ヘ 固有名詞 - 国語教育の振興方策に関すること
学校における言語訓練に関すること(国語教科書・古典教育・標準敬語・文字教育等の問題を含む。)
社会における言語訓練に関すること(言語に関する知識教養,標準語化,放送新聞及び文芸における用語の影響力等の問題)
官庁及び各種事業場における言語訓練(能率的用語の教育) - 審議資料の調査
審議会自体として行うほかに国立研究所その他の研究機関に委託する。