国語施策・日本語教育

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文部大臣あいさつ要旨

(代理 大村次官)

 本日国語審議会第8回総会の開催せらるるに当りまして一言ごあいさつを申し上げます。
 本会に対しては,かねて国語の統制に関する件,漢字の調査に関する件,かなづかいの改定に関する件,文体の改善に関する件の4件について,諮問いたしておりましたところ,今日まですでに漢字字体整理案,標準漢字表,新字音かなづかい表,国語の横書きに関する件について答申を得ており,各位の御努力により相当の成績を収めておりますことは,喜びにたえぬところであります。今や新生日本再建の時に当りまして,国内のあらゆる方面に徹底的改革を必要とすることは多言を要しませぬ。しこうして国語問題の解決は,これらすべての改革の前提をなし,基礎をなすものであると信じます。およそ社会において,知識と知能とを高める最も広範かつ基礎的の手段は,言葉と文字であります。国語の純化,国語問題の解決なくしては,わが国民の科学知識の向上も日常生活の能率化も期待し難いのであります。平易にして正確,典雅にして明朗な国語の制定は,まことに今日の急務であります。
 ことにわが国においては,漢字が複雑かつ無統制に使用されているために,文化の進展に大なる妨げとなっているのでありまして,文字改革の必要は特に大きいのであります。本日の議題たる標準漢字表の再検討も,またこの要請に応ずるものであります。
 各位には,時局がら御多用中御出席を願いまして,まことにありがとうございます。なにとぞ問題の重要性にかんがみられ,じゅうぶん御審議くださるよう切にお願いいたします。

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