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当用漢字字体表
答 申
昭和23年6月1日
文部大臣 森戸 辰男 殿
国語審議会会長 安倍 能成
さきに本会に御諮問になりました事項のうち,漢字の字体整理を現下の急務と認め,慎重審議の結果,別冊「当用漢字字体表」を議決いたしました。
右,答申いたします。
〔別冊〕
当用漢字字体表
まえがき
1 | この表は,当用漢字表の漢字について,字体の標準を示したものである。 |
1 | この表の字体は,漢字の読み書きを平易にし正確にすることをめやすとして選定したものである。 |
1 | この表の字体の選定については,異体の統合,略体の採用,点画の整理などをはかるとともに,筆写の習慣,学習の難易をも考慮した。なお,印刷字体と筆写字体とをできるだけ一致させることをたてまえとした。 |
〔備考〕
- この表は,当用漢字表の配列に従い,字体は,活字字体のもとになる形で示した。
- この表の字体には,(1)活字に従来用いられた形をそのまま用いたもの,(2)活字として従来二種以上の形のあった中から一を採ったもの,(3)従来活字としては普通に用いられていなかったものがある。この表では,(3)のうち著しく異なったものには,従来の普通の形を下に注した。
(2)の例
(3)の例
@ 点画の方向の変った例
A 画の長さの変った例
B 同じ系統の字で,又は類似の形で,小異の統一された例
C 一点一画が増減し,又は画が併合したり分離したりした例
D 全体として書きやすくなった例
E 組立の変った例
F 部分的に省略された例
G 部分的に別の形に変った例
〔使用上の注意事項〕
- この表の字体は,活字字体のもとになる形であるから,これを,みんちょう体,ゴシック体その他に適用するものとする。
- この表の字体は,これを筆写(かい書)の標準とする際には,点画の長短・方向・曲直・つけるかはなすか・とめるかはね又ははらうか等について,必ずしも拘束しないものがある。そのおもな例は,次の通りである。
@ 長短に関する例
A 方向に関する例
B 曲直に関す例
C つけるかはなすかに関する例
D とめるかはらうか,とめるかはねるか,に関する例
E その他
一部〜刀部 | 手部〜歹部 | 行部〜部 |
刀部〜士部 | 歹部〜田部 | 部〜食部 |
士部〜广部 | 田部〜糸部 | 食部〜歯部 |
广部〜手部 | 糸部〜行部 |