国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 国語審議会(終戦〜改組) > 中国地名・人名の書き方の表

中国地名・人名の書き方の表

 建   議

昭和24年7月30日


文部大臣 高瀬 荘太郎 殿

国語審議会会長 安藤 正次 


建  議

 中国の地名・人名の書き方に関して,別冊「中国地名・人名の書き方の表」の通りに議決いたしました。ついては,この書き方の普及に関して最善の努力をされ,できる限りすみやかに実施されることを希望いたします。


〔別冊〕

中国地名・人名の書き方の表

中国の地名・人名の書き方に関する方針

  1. 中国の地名・人名は,かな書きにする。
  2. 中国の地名・人名のかな書きは,原則として現代の中国標準音による。

まえがき

  1. この表は,中国の地名・人名をかな書きにする場合に用いる中国標準音の書き方を示したものである。
  2. 四声の区別・語頭における有気・無気の区別,語尾におけるnとngとの区別などは書き分けない。ただし,必要な場合には,清音・濁音のかなをもって有気・無気の区別を書き分けてさしつかえない。
  3. 次の地名は,とくに国際的慣用の呼び方による。
    アモイ (厦門) スワトウ (汕頭)
    カオルン (九龍) ナンキン (南京)
    カントン (広東)〔市〕 ホンコン (香港)
    シェンシー (陝西)〔省〕 マカオ (澳門)
  4. この表は,主として民国以後のものに適用する。
  5. この表の実施にあたっては,当分の間,漢字をあわせ示してもさしつかえない。
  6. 満州・もうこ(蒙古),その他,辺境地域の原語名に漢字をあてたものについては,別に定める。
〔使用上の注意事項〕
  1. 行政単位名の省・県は,漢字で書く。
    〔例〕
    チャンスー省(江蘇省) イー県(義県)
    ただし,ー音節の県名で,県城を意味する場合には,県までも含めて原音であらわす。
    〔例〕
    イーシェン(義県)
  2. 鉄道名は,起点=終点をもってあらわす。
    〔例〕
    ペイピン=ハンコウ鉄道(平漢線)
    テンチン=プーコウ鉄道(津浦線)
    ただし,朧海線は,ロンハイ鉄道とする。
  3. 山・山脈・湖・湾・半島などの接尾辞は,漢字で書く。
    江・水・河は,川に統一する。また,山脈名で嶺の字のつくものは,それを原音で読みこんで,その下に山をつける。
    〔例〕
    ウータイ山  (五台山)
    クンルン山脈  (崑崙山脈)
    シンアンリン山脈  (興安嶺)
    ヤンツー川  (揚子江)
    ホワン川  (黄河)
    ウェイ川  (渭水)
    トンティン湖  (洞庭湖)
    ハンチョウ湾  (杭州湾)
    シャントン半島  (山東半島)
     ただし,黄河・揚子江に限って,ホワンホー・ヤンツーチヤンと書いてもさしつかえない。
1(アー)〜47(チュー) 192(メイ)〜227(ノン)
48(チュー)〜83(ハオ) 228(オウ)〜263(サイ)
84(ヘイ)〜119(リー) 264(サン)〜299(タイ)
120(ルオ)〜155(コイ) 300(タン)〜335(ツォー)
156(クン)〜191(マオ) 336(ツェイ)〜388(ヨン)

トップページへ

ページトップへ