「誰でもできる著作権契約マニュアル」 第2章 2. (1)

(1)対象

 ここでは、演奏会やコンサートの催し物(以下「イベント」といいます。)で、音楽、演劇舞踊、オペラ、バレエ等の演奏や上演等(以下「実演」といいます。)に関して、主催者と出演者が交わす契約書式について説明します。
 演奏や上演には、次のようなものが含まれます。

  • 音楽(クラシック、ポピュラー、邦楽、洋楽などすべてのジャンルを含みます。)
  • オペラ、ミュージカル、バレエ
  • 演劇(古典芸能を含みます。)
  • 舞踊(ダンス、日本舞踊など)、パントマイム
  • マジック、大道芸など

 なお、個人で行う実演、オーケストラや劇団など集団で行う実演、何人かが集まって行う実演などいずれも対象になります。

 なお、前提条件として下記を想定しています。

<1> 対象となる演奏会・上演会等は、原則として営利を目的としないものです。

 商業ベースのもの、エージェントが仲介するもの、大規模・継続的なイベント等には馴染みません。実際には、主に非営利の団体が、アマチュアの演奏家、劇団等に音楽や演劇の演奏や上演を依頼するケースが対象になると思われます。非営利の団体であっても、コンサートや演劇の上演を行うことを主な目的とした団体が行うコンサート等は対象としていません。また、演奏や上演を行う人・団体がプロの場合も対象としていません。これらの場合は、報酬や利用の条件等についてより細かい規定が必要となる場合が多いと思われますので、実際の契約にあたっては当事者間で十分な協議をした方がよいでしょう。

<2> 出演者がその場で「生」で演奏や上演を行うものです。

 映画の上映や過去の演奏や上演の様子をビデオに収録したものを上映する場合は対象外です。