「誰でもできる著作権契約マニュアル」 第2章 4. (3)

(3)契約書例

 以下では、写真の著作物を印刷物に使用することを許諾するケースを想定しています。

著作物利用許諾契約書

 写真家○○○○(以下、「甲」という。)と、××株式会社(以下、「乙」という。)とは、別紙添付の写真の著作物(以下、「本著作物」という。)の利用許諾に関し、以下のとおり契約を締結する。
第1条(利用許諾)
 甲は、甲は、乙に対し、本著作物を、下記の態様で利用することを許諾する。
[印刷物への複製、頒布による利用]
<1>印刷物の名称:広報○○(以下、「本件印刷物」という。)
<2>最大発行部数:1,000部
<3>販売地域:日本国内
第2条(独占的許諾
 前条の許諾は、独占的なものとし、甲は、乙以外の第三者に対し、印刷物における複製、頒布の形態で本著作物を利用することを許諾してはならない。
第3条(著作者人格権)
甲は、乙が本著作物を利用するにあたり、その利用態様に応じて本著作物のサイズ、色調を変更したり、一部を切除することに予め承諾する。但し、乙は、これら改変であっても、本著作物の本質的部分を損なうことが明らかな改変をすることはできない。
乙は、前項以外の改変を行う場合は、事前に甲の承諾を得なければならない。
乙は、本著作物を利用するにあたって、以下のとおり著作者の表示をしなければならない。
   ○○○○
第4条(保証)
甲は、乙に対し、本著作物が第三者の著作権、プライバシー権、名誉権、パブリシティ権その他いかなる権利を侵害しないことを保証する。
万一、本著作物に関して、第三者から権利の主張、異議、苦情、対価の請求、損害賠償等がなされた場合、甲は、甲の責任と負担の下でこれに対処、解決するものとし、乙に対して一切の迷惑をかけないものとする。
第5条(納入)
甲は乙に対し、平成○年○月末日までに、本著作物を収録したCD-R(データは1,051×1,406ピクセル以上のJPEGデータとする。)を乙宛に送付するものとする。
前項により納入されたCD-Rの所有権は納入時に乙に移転するものとし、返却を要しない。
第6条(対価)
 乙は、甲に対し、本著作物の利用許諾の対価として、金△万円(消費税込み)を、平成○年○月末日までに、別途甲が指定する銀行口座に振り込む方法で支払う。振込手数料は乙の負担とする。
第7条(期間)
 本契約の有効期間は、平成○年○月○日から平成○年○月○日までの○年間とする。
第8条(解除)
 甲乙は、相手方が本契約に違反した場合、2週間の期間をおいて違反の是正を催告し、当該期間内に違反が是正されなかったときは、本契約を解除することができる。
第9条(契約終了後の措置)
 本契約が終了した場合、乙は、本件印刷物を 全て廃棄するものとする。
第10条(秘密保持)
 甲乙は、本契約に関連して知り得た相手方の秘密情報を、本契約の有効期間中および本契約の終了後、相手方の事前の書面による承諾なく、本契約の履行以外の目的に使用してはならず、第三者に開示または漏洩してはならない。
第11条(権利義務譲渡等禁止)
 甲乙は、本契約上の地位並びに本契約から生じる権利および義務を、相手方の事前の書面による承諾なく第三者に譲渡してはならず、または担保に供してはならない。
第12条(契約内容の変更)
 本契約の修正・変更は、甲乙間の文書による合意がない限り、効力を生じないものとする。
第13条(管轄)
 本契約により生じた紛争については、○○地方裁判所をもって第一審の専属管轄裁判所とする。

本契約締結の証として、本契約書2通を作成し、双方署名または記名捺印の上、各自1通を保有する。

平成    年    月    日

甲  住所            
   氏名           印
乙  住所            
   氏名           印

※上記の契約書例は、「著作権契約書作成支援システム」により作成される契約書の案(ひな形)よりも詳細に規定した場合の例です。