研究成果の概要
(1)研究主題
著作権教育(文化庁作成教材の活用と写真を利用した体験学習)
(2)研究のねらい
本校では、著作権教育を基礎教育として位置づけ、高校1学年で全員を対象に著作権に対する認識やルール、マナーを学ばせた。具体的には、教科「情報」の授業で1学年の生徒全員に対して2学期に各6時間をかけて実施した。
著作権教育の実施では、法律的な内容に終始するのではなく、①文化庁作成の学習ソフトを利用したり、②「写真」を利用した作品づくりの実習を取り入れることにより、効果的、体験的に楽しく学ばせることができた。
(3)研究の概要
- 文化庁作成の学習ソフトを用い、各自の興味のある内容を学習し、指定されたワークシートを完成させ保存する。
- デジタルカメラを用いて写真を撮り、その写真を用いて4画面のスライドを作成する。その際、自分の撮影した写真でクラスメイトに提供してもよいものをサーバーの共有フォルダに保存し、クラスメイトの写真を利用しながら作品作りを行う。このとき、その写真の著作者を意識させ、著作物の著作権について体験を通して理解させる。(本年度カメラが40台そろったので、一度に説明ができ効果的であった)
- 対象
1学年7クラス全員 - 実施科目
「情報A」の授業で実施 - 授業計画
2学期に6時間で実施。1・2時限目: 著作権ソフトを用いての学習(中間に講義15分) 3時限目: 素材の準備(デジタルカメラで撮影) 4・5時間目: デジタルカメラで撮影した写真を用いて、4画面のストーリーを作成。このとき、クラスメイトの撮影した写真で提供の許諾を得られたものを利用する。 6時間目: 作品の完成と著作権についてのレポート作成 - 担当者
情報の授業を受け持つ2人の教師
- 対象
(4)研究の成果
著作権については、基礎的な知識として高校1年生から理解しておく必要がある。しかし、法律的な内容は、難しく生徒の興味を持たせることはなかなか難しい。そこで、学習ソフトや写真を用いて作品を作らせる実習を通して、興味を持たせながら著作物や著作者、著作権について理解させた。
昨年より、デジタルカメラを用いて自分自身が作品の著作者となると同時にクラスメイトへの写真の提供を通して、体験的に著作物や著作者、著作権について理解させることができ、生徒も楽しみながら学習していた。
今回は、さらに、文化庁で作成した学習ソフトを効果的に取り入れ、著作権を考える上での動機付けに利用した。生徒は、自分の興味のある問題を自由に学習するという方法を採ったので、楽しんで取り組むことができたようである。学習ソフトの場合、画面上の捜査だけで終了させると、身につかないこたが多いので、このソフトに附属しているワークシートに記入させ、保存するように指導した。
この方法を採ることで、従来より、著作権についての興味・関心が高まり学習効果があがった。
今回の実習を通して、著作者としての意識が高まると同時にあらたな文化の創造に寄与することができることを生徒自身に理解させることができた。