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議事録 第4回〜第12回
〔第4回〕
7月3日 午前9時半〜12時 教科書局長室で
(提出資料)
第8号,昭和21年4月10日の総選挙に際して発行された全国の選挙広報のなかの候補者の氏名のフリガナのかなづかい。
(議 事)
第1号議案「国語の表記に関する通則」及び「新字音仮名遣表」について審議。
「い,ゐ,え,ゑ,お,を」の項につきだいたい原案承認,細部については改めて詳細審議の予定。
字音の「くわ,か,ぐわ,が」の項も原案承認,「じ,ぢ,ず,づ」については次回に検討することとなる。
〔第5回〕
7月11日 午前9時半〜午後4時 教科書局長室で
(提出資料)
第9号,かなづかひ改定諸案における「じぢ」「ずづ」の取扱。
第10号,ジヂ,ヅズに関する調査。
第11号,かなづかひ改定諸案における「くわ」「ぐわ」の取扱。
第12号,かなづかひ改定諸案における助詞「は」「へ」「を」の取扱。
(議 事)
提出資料について吉田幹事説明ののち,前週にひきつづいて第1号議案および「新字音仮名遣表」を審議,「ぢづ」の項から「オ列長音」の項に至る。だいたい原案承認,ただし,助詞,活用語尾などの細かい点については改めて審議し,地名のかきあらわしかたについても別に考え,かつ用例については,さらに幹事において検討を加えることとなる。
〔第6回〕
7月17日 午前10時〜12時 文部大臣応接室で
(提出資料)
第17号,原則案の一部(オ列長音ウ列拗音に関する規則)
(議 事)
第17号議案にもとづき,かなづかい改訂条文案を吉田幹事の説明ののち,各項目について審議決定。
さらに第1号議案の拗音の項その他につき審議した。
〔第7回〕
7月24日 午前10時〜午後3時半 教科書局長室で
(提出資料)
第13号,国語かなづかひ改訂案に基く口語法
第14号, 〃 〃 文語法
第15号,かなづかひ改定案による文法の変化
第16号,ハ行四段活用動詞の調査
第18号,長音のかなづかひに関する調査
(議 事)
第1号議案とともに第13号〜第18号を基礎としながら,長音表記の方法その他につき細かく考えて行き討議の末,次のようにきめる。
- ボーびきは符号とみて,かなづかいの中にはいれて考えない。
- ウとしるすべき長音のかなづかいの本則にオを許容する項をつけ加える。
- 助詞 ハ,ヘ,ヲはもとのまま本則とするが,ハ,ヘ についてはワ,エ を許容する。
- 拗音,促音は ヤ,ヨ,ツ などの文字を右横下に小さく書く。
〔第8回〕
8月7日 午前10時〜午後4時 教科書局長室で
(提出資料)
第19号,新かなづかい表(案)
第20号,新旧仮名遣対照表
号外,松坂委員の意見(半紙)
(議 事)
この日は,今までの審議の結果得た成案を全体的に議題とするので,特に新聞社,通信社の代表委員の参加を願った。
まず,委員長から審議経過説明。
ついで吉田幹事から提出議案の説明ののち,第19号につき標題,条文の字句,内容,用例などにつき一々審議検討する,次回にもう一度新聞通信側の参加を得て,いよいよ最後案の決定にはいることとする。
〔第9回〕
8月14日 午前10時〜12時半 教科書局長室で
(提出資料)
第21号,拗長音の書きかたについての一つの公論調査
第22号,新かなづかい表の「注意事項(案)」
第23号,外来語のうつしかた
(議 事)
第22号について吉田幹事の説明があったのち,この議案の字句を修正,また題名を「現代かなづかい」とすることに決定。最後に委員長のあいさつをもって,一般かなづかいの審議は一応これを終ったこととする。
〔第10回〕
8月28日 午前9時半〜12時半 教科書局長室で
議 事(略)
〔第11回〕
9月4日 午前9時半〜12時半 教科書局長室で
(議 事)
「現代かなづかい」案の「まえがき」「通則」につき,内容と表現の双方にわたって審議,検討を加えた。なお,最後的な文案は,委員長の手もとで,さらに練ることに決定。
〔第12回〕
9月11日 午前10時〜午後1時 教科書局長室で
(議 事)
「現代かなづかい」の中の,オホ,コホ,トホ,ホホ,ヨホ をそれぞれオウ,コウ,トウ,ホウ,ヨウと書くか,オオ,コオ,トオ,ホオ,ヨオ と書くかにつき討議の末,後者を採用することに決定。また,助詞「ヘ・ハ」の書きかたについても,もとのままとするか,「エ・ワ」にするかについて活発な討議の末,「エ・ワ」と書いてもまちがいとはしないが「ヘ・ハ」を本則とすることに決定した。
なお,「表記に関する通則」のうち「長音の表記に長符「ー」を使ってもさしつかえない」の条文を削ることに決定した。
以上,審議終了語,総会の開催について打ちあわせを終って散会。