国語施策・日本語教育

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資料目録 14.選定方針について

〔14〕

選定方針について

  1.  よみの上では,常に,その年度における現行の当用漢字表の全体を教育の対象とする。したがって,当用漢字の範囲内では,いちおうどの字を出してもさしつかえないこととなる(フリガナつきで)。しかし,その提出の方法については,各科目ごとに編修者の教育的考慮を要する。
  2.  そのうち,とくに「かきとり」の材料とする字を狭義の教育用漢字として,大体次のような字をえらんだ。
    (1)大体,前キ(6年)用と,後キ(3年)用との二つに分けて考えた。
     前キに出てくる見とおしの文字であっても,その「かきとり」の対象としては,後キにゆずるがよいと認められる文字は,これを後キ用にまわした。
    (6年,3年を一括して発表することの得失について,不完全でも大体において二つに分けて発表してはいかんということも考えられる。)
    (2)次の語は,すべてかな書きとする。
    動物名,植物名,鉱物名
    (3)身体各部の名称もかながきとする。
    (4)農業用語は,かながきとする。
    (5)科学用語は,かながきとする。
    (まず割り漢字から出発して,ゆくゆく耳のことばに全部いいかえるようにし,ローマ字文でも書けるような科学用語を創造するように進んでゆくこと。)
    (6)助数詞は,かながきとする。
    (7)とくに尺貫法の単位は,かきとり用からはぶく。
    (8)社会制度の変化に従って変る見こみのあるものは,すべてけずる。
    (9)漢字の永久的なものを本としてえらぶこと。
    (10)生産的な漢字を主としてとること。
    (妥協は当用漢字表においてしているから,かきとり用の文字では,妥協を排して筋を一貫するように努めること。
    (11)漢字の体系的学習法を考えて,読本提出のみに依存する方法をあらためたい。
    (12)部分的わかちがきの採用についての見とおしをもってすること。
    (13)印刷技術の工夫を考えること。
     本表の漢字を選定するに当り,明治33年8月発布の小学校令における1号表の漢字や,昭和17年6月国語審議会発表の標準漢字をはじめ,その他カナモジ会発表の500字案や個人の研究発表等をも参照して万遺漏のないように心掛けた。

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