2014年8月4日
京都国立博物館 平成知新館オープン記念展
「京へのいざない」
京都国立博物館 学芸部 副部長 山本英男
皆さま方に愛された平常展示館が休館となってから,はや6年近くになりました。その間,新しい平常展示館はいつ完成するのか,開館時にはどんな展覧会を行うのかというお問合せを数多く頂いたことは言うまでもありません。

平成知新館(撮影:北嶋俊治)
お待たせいたしました。
来る9月13日,「平成知新館」と名付けられた新展示館がついにオープンする運びとなりました。また,それを記念する展覧会「京へのいざない」を同展示館で開催し,京博の新たな第一歩にしたいと思います。ここでは,その概要を御説明しましょう。

国宝 伝源頼朝像 神護寺蔵
(第1期展示)
御承知のように,平安遷都以降の約千年間,我が国の首都であり続けた京都は,同時に文化の一大発信地でもありました。天皇や公家衆らによる雅な雰囲気を湛えた王朝文化を始め,北山・東山文化に代表される力強くも幽玄な武家文化,天下人・豊臣秀吉の強烈な個性を反映した豪壮華麗な桃山文化,庶民の生き生きした暮らしぶりを伝える町衆文化など,時代を彩る様々な文化がここ京都の地で花開いたのです。しかも,それらは各々独立したものではなく,前時代の伝統を大なり小なり受け継ぎながら発展していきました。その点からすれば,それらを「京文化」という一株の巨大な樹木になぞらえることもできるかもしれません。

重要文化財 舞踊図屏風 部分
京都市蔵(第1期展示)
展覧会「京へのいざない」は,そんな京文化の粋を御堪能いただこうとするものです。展観は第1期と第2期に分かれており,それぞれのテーマに従って全13室に作品が陳列される予定です。展示総数は国宝50余点,重要文化財110余点を含む400点余り(いずれも2期分の合計)。絵画・書跡・彫刻・工芸・考古の各分野から選りすぐられた,まさに名品・名作のオン・パレードです。おそらく京博の長い歴史の中でも全く前例のない,極めて贅沢かつゴージャスな展観となることでしょう。

重要文化財 菊に棕櫚文様帷子
京都国立博物館蔵(10月19日まで展示)

重要文化財 四季花鳥図屏風 雪舟筆
京都国立博物館蔵(第2期展示)
新装なった美しい会場内で,それらはいったいどんな光彩を放ち,どんな表情で我々を迎えてくれるのか。この機会に是非京都に,そして京博にお越しいただき,御自身の目でお確かめください。きっと新しい発見や感動に出会えることをここにお約束いたします。
京都国立博物館
〒605-0931 京都市東山区茶屋町527
- 問合せ
- 075-525-2473(テレホンサービス)
- 交通
- ○JR・近鉄:京都駅下車,駅前市バスD2のりばから206・208号,D1のり場から100号系統にて博物館・三十三間堂前下車,徒歩すぐ
○京阪電車:七条駅下車,東へ徒歩7分
○阪急電車:河原町駅下車,京阪電車祇園四条駅から大阪方面行にて七条駅下車,東へ徒歩7分。または,河原町駅下車,四条河原町から207号系統にて東山七条下車,徒歩3分
○市バス:博物館・三十三間堂前下車,徒歩すぐ。または東山七条下車,徒歩3分
○プリンセスラインバス:京都駅八条口のりばから京都女子大学前行にて東山七条下車,徒歩1分 - 開館時間
- 午前9時30分~午後5時まで
(特別展覧会開催期間中は午後6時まで,金曜日は午後8時まで)
(入館は各閉館の30分前まで) - 休館日
- 毎週月曜日(ただし,月曜日が祝日・休日となる場合は開館し,翌火曜日を休館とします)
- 観覧料
- 一般520円(410円),大学生260円(210円)()内は20名以上の団体料金
※高校生以下及び満18歳未満,満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものを御提示ください)。
※障害者の方とその介護者各1名の方は無料となります(障害者手帳等を御提示ください)。 - ホームページ
- http://www.kyohaku.go.jp/