2016年10月5日
京都国立博物館
特別展覧会「没後150年 坂本龍馬」
京都国立博物館 学芸部上席研究員 兼 列品管理室長 宮川禎一
坂本龍馬は天保6年(1835)に高知で生まれ,慶応3年(1867)に京都で亡くなりました。激動する幕末史の渦中にあって,浪士の立場ながら薩長同盟を仲介したり,大政奉還を推進したりと近代国家日本の創設に力を尽くしました。その一方で,龍馬が家族や知人へあてた手紙はユーモアに溢れていて魅力的です。現代の日本において龍馬は屈指の歴史上の人物とされています。彼の手紙を読み解くことが龍馬を知る方法のひとつなのです。

龍馬書簡 文久三年三月二十日 姉乙女宛
文久2年(1862)3月,龍馬は土佐藩を出て浪人として活動をはじめました。この手紙はその1年後に故郷のお姉さんに宛てたもので「幕府旗本の勝海舟先生の弟子になり,海軍の修行に励んでいます」と書いています。尊敬する先生にめぐりあい,人生の目標を見いだした喜びがユーモラスに表現されています。ただし前年の家出については何も触れていません。龍馬が自分の家出を反省するのはずっと先のことになります。手紙には書いてあること以上に書いていないことが重要なのです。

刀 銘吉行 坂本龍馬佩用
龍馬の遺品のひとつである刀銘吉行です。昭和6年(1931)に坂本家から博物館に寄贈されたものです。龍馬が京都の近江屋で斬られた際にこの刀で鞘を抜く間もなく敵の刀を受け止めようとして頭部を斬られて亡くなりました。近年の科学的調査と坂本家伝来の書類の検討から本物であることが分かりました。

坂本龍馬筆「霧島山登山図」
慶応二年十二月四日 乙女宛書簡部分
龍馬が妻おりょうと登った九州南部の霧島山高千穂峰の図です。登山ルートを朱線で表し,あたりの情景を文章で描写しています。険しい道でしたので「あまりあぶなく(妻の)手を引いて登った」とほほえましい様子が記されています。

近世珍話より「ええじゃないか図」
大政奉還が成った慶応3年(1867)後半,西日本各地で「ええじゃないか」が起こりました。この図は京都で起きたええじゃないかの実景で,仮装した人々が街中で乱舞をしています。坂本龍馬の暗殺事件はこのような騒然とした雰囲気の中で起こったことなのです。
京都国立博物館
(住所)〒605-0931
京都市東山区茶屋町527
- 問合せ
- 075-525-2473(テレホンサービス)
- 交通
- JR・近鉄:京都駅下車,駅前市バスD2のりばから206・208号,D1のりばから100号系統にて「博物館・三十三間堂前」下車,徒歩すぐ
京阪電車:七条駅下車,東へ徒歩7分 - 開館時間
- 火曜日~木曜日 9:30~17:00
毎週金曜日・土曜日は20:00閉館 ※(入場は各閉館30分前まで) - 休館日
- 毎週月曜日(祝日の場合は開館し,その翌日休館),10月14日(金),年末年始
- 観覧料
- 一般520円(410円),大学生260円(210円)
- ※( )内は20名以上の団体料金
- ※高校生以下及び満18歳未満,満70歳以上の方は無料です(年齢のわかるものを御提示ください)。
- ※障がい者の方とその介護者1名の方は無料となります(障がい者手帳等を御提示ください)。
- ※特別展覧会については,そのつど定めます。下記を御覧ください。
- 庭園のみ開館期間
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- ・2016年10月4日(火)~10月13日(木)
- ・2016年11月29日(火)~12月11日(日)
- ・2017年3月22日(水)~4月9日(日)
一般 260円(210)円
※( )は20名以上の団体料金大学生以下,満70歳以上 無料 - ホームページ
-
http://www.kyohaku.go.jp/jp/index.html
特別展「没後150年 坂本龍馬」
- 開催期間
- 10月15日(土)~11月27日(日)
- 開館時間
- 火曜日~木曜日 9:30~18:00
毎週金曜日・土曜日は20:00閉館 ※(入館は各閉館30分前まで) - 休館日
- 月曜日
- 観覧料
-
一般 大学生 高校生 当日 1,300 1,100 800 前売・団体 1,100 900 600 - ※団体は20名以上,中学生以下無料
- ※前売券の発売期間は10月14日まで
- ※障がい者の方とその介護者1名は無料(障がい者手帳等を御提示ください)
- ホームページ
-
http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/index.html