2019年1月31日
特別展「京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―」
九州国立博物館 学芸部文化財課資料登録室 主任研究員 森實久美子
京都市の南東に位置する醍醐寺は,1,100年以上の歴史を持つ真言密教の名刹として知られています。豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」でも大変有名ですが,その歴史は,平安時代・貞観16年(874),理源大師聖宝(832~909)が醍醐味の水が湧き出るという笠取山に草庵を結んだことに始まります。
開創以来,真言密教の二大流派のうち小野流の拠点として重要な位置を占めてきました。人々の願いをかなえる加持祈祷や修法を盛んに行い,醍醐天皇をはじめとする歴代天皇や室町将軍など多くの人々の篤い信仰を集めてきた醍醐寺には,千年以上にわたる法脈の相承と繁栄の歴史を物語るように数多くの仏像や仏画,聖教などが伝わっています。
本展では,密教美術の宝庫ともいえる醍醐寺の寺宝約15万点の中から,選りすぐりの名宝計104件(国宝32件,重要文化財49件を含む)を御紹介します。特に圧巻なのは,薬師堂本尊である「薬師如来及び両脇侍像」(国宝)。安定感のある荘重な薬師如来坐像は,平安仏の最高峰に位置付けられる優品です。

国宝「薬師如来及び両脇侍像」
平安時代・10世紀 醍醐寺蔵
画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
また,「五大尊像」(国宝)は,密教尊像らしい多面多臂の姿で,燃えさかる火焔を背負った力強い作品です。同じく醍醐寺に伝わる彫刻の五大明王像とも是非見比べてみてください。

国宝「五大尊像のうち不動明王」
鎌倉時代・12~13世紀 醍醐寺蔵
画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
展示期間:1/29~2/24

重要文化財「五大明王像のうち不動明王」
平安時代・10世紀 醍醐寺蔵
画像提供:醍醐寺
神秘に満ちた大迫力の密教美術を間近に御堪能いただく貴重な特別展です。もちろん「醍醐の花見」ゆかりの品々や俵屋宗達らの華やかな近世美術も必見です。

重要文化財「醍醐花見短冊」
安土桃山時代・慶長3年(1598) 醍醐寺蔵
画像提供:醍醐寺
展示期間:全期間(ただし,展示替えあり)
九州国立博物館
(住所)〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2
- 問合せ
- 050-5542-8600
(ハローダイヤル 受付時間 午前8時~午後10時/年中無休) - 交通
-
- 鉄道
-
- 西鉄電車:
- 西鉄福岡(天神)駅から西鉄天神大牟田線(特急約16分/急行約19分)で西鉄二日市駅乗換え,西鉄太宰府線(約5分)で西鉄太宰府駅下車,徒歩約10分。※特急/急行料金不要
- JR:
- JR博多駅からJR鹿児島本線(快速約15分)でJR二日市駅下車,JR二日市駅から西鉄二日市駅(徒歩約12分,バス約6分),西鉄二日市駅から西鉄太宰府線利用。
- 自動車
-
- 九州自動車道:
- 太宰府IC又は筑紫野ICから高雄交差点経由で約20分。
- 福岡都市高速:
- 水城出口から高雄交差点経由で約20分。
- タクシー
- JR二日市駅から約15分・福岡空港から約30分。
- 西鉄バス
- 博多バスターミナル(1階11番のりば太宰府行き)から西鉄太宰府駅下車(所要時間約40分),徒歩約10分。
- 開館時間
- 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金・土曜日は午後8時まで夜間開館(入館は午後7時30分まで) - 休館日
- 月曜日(月曜日が祝日・休日の場合は開館,翌日休館),年末
※特別展開催期間中は変更する場合があります。
特別展「京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―」
- 開催期間
- 1月29日(火)~3月24日(日)
※2月11日(月・祝)は開館,2月12日(火)は休館 - 開催時間
- 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金・土曜日は午後8時まで夜間開館(入館は午後7時30分まで) - 開催場所
- 九州国立博物館 3階 特別展示室
- 観覧料
- 一般1,600円(1,400円),高大生*1,000円(800円),小中生*600円(400円)
*学生証等の提示をお願いします。
※( )内は前売り,夜間割引及び団体料金(有料の方が20名以上の場合)。
※上記料金で九州国立博物館4階「文化交流展(平常展)」も御観覧いただけます。
※障がい者手帳等を御持参の方とその介護者1名は無料です。展示室入り口にて障がい者手帳等(詳細についてはHP等を御確認ください)を御提示ください。
※満65歳以上の方は前売り一般料金で御購入いただけます。券売所にて生年月日がわかるもの(健康保険証・運転免許証等)を御提示ください。
※キャンパスメンバーズの方は団体料金で御購入いただけます。券売所にて学生証,教職員証等を御提示ください。
※夜間割引料金のチケットは夜間開館当日午後5時以降に九州国立博物館券売所で販売します。
※夜間割引料金で購入されたチケットで午後5時以前に入場することはできません。
- ホームページ
- 九州国立博物館ウェブサイト